第6話 ソードアイズ
美恵の森に入って思ったことは人が少ないということだ。俺以外には人の気配がない。魔物が放つ臭気もあまり感じられない。ここに本当に魔物がいるのだろうか。受付のお姉さんはランクが低い分魔物がたくさんいると言っていた。
「とりあえず、目的の魔物を探すか」
俺の倒す目標の魔物はジャイアントスライムを七体。スライムは世間一般で雑魚中の雑魚と言う認識だ。今回のクエストでもランク3で設定されている。
しかし俺は弱肉強食の世界でスライムが最強と言う持論を持っている。
弱肉強食の意味は弱いものが強いものに虐げられるという意味もあるが、本当の語源は弱きものが強き者を食い破ると言う意味もある。
「だからスライムって苦手なんだよねえ」
俺はポケットにギルドカードを入れた財布とスマホを入れているだけで手ぶらだ。武器は俺自身の中にある。
俺は昔、師範から剣を授かったことがある。その剣はただただ硬いと言うだけの特徴しかないなんの能力も持たない剣だった。
しかしその剣には意思があった。俺を使って敵を狩るだけの資格があるかどうか問われた俺はなんて答えたんだっけな。忘れてしまった。
「なんか切りたがってるな」
俺のその愛剣、黒白丸は俺の身体と同化している。師範の話では真の剣士に辿り着いて人間は剣を持ちてもたずんばといい、無手にして最強の剣士になるという。
「俺は師範から免許皆伝って言われてるけど……」
あまり実感がない。俺が気づいたときにはいつのまにか俺の中に宿っていたのだ、黒白丸が。師範はこの状態の剣を見てニコニコ笑っていたのを覚えている。俺は歩きながらそんなことを考えてジャイアントスライムを見つけた。
「まず一体」
俺は指をジャイアントスライムの核に向けて振った。スンと。次の瞬間俺の指から斬撃が飛んでジャイアントスライムの核を真っ二つにした。そのままジャイアントスライムは魔名を遺して消滅した。
魔名とは魔物を倒したら発生するカードだ。それを集めて換金すればお金になるし、持ち続けていればいつかカードの中の魔物をテイムすることもできるらしい。
「ラノベが買いたいし換金するか」
俺はしばらく手に入れた魔名は換金することにした。俺は読書家なのだ。主に読むのは漫画やラノベだが、一応一般文芸も読む。まあ、好きなジャンルは特にない。なんでも読むのだ。
「さて、他に近くに魔物がいないか探すか」
俺は目を使った。俺の目は宇宙の情報にアクセスする権限を持っている。俺が師範の指導の中で手に入れた目だ。適当に天の目とか宇宙の目とか俺は呼んでいる。師範は鷹の目とか鴉の目と呼んでいた。
「さくさく行きますか」
俺は少しダッシュして魔物を見つけては目で捉えて斬っていった。ジャイアントスライム以外の魔物もお金になるから倒していく。俺は一時間近く森の中を走り周り魔物を倒していった。




