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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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40/66

episode40

ーどれくらいの時間が過ぎただろうか。気がついたらオレは眠っていたらしい。目が覚めた頃には自由の利いていた両足にまで枷がつけられていた。もうオレに自由はない。一刻も早く叶弥に会いたい。抱きしめてオレを安心させて欲しい。...そう思っていた時だった。カツカツという足音が近づいてくる。


「お目覚めかな?ジュリエット。全く。お転婆にも程がある。お陰で足にも枷をつけなければいけなくなってしまった。」


そう言いながら、声の持ち主である湊先輩がオレの横たわっているベッドの上に身を乗り出して、オレの顔を覗き込んできた。


「何を考えているか当ててあげようか?...五十嵐 叶弥の事だろう?心配はいらないよ。僕達の邪魔をするアイツには消えてもらうつもりでいるからね。闇サイトで知り合った人間に始末するよう言ってある。最近の人間はあんな端金で人殺しを請け負うんだね。お手頃で助かっちゃったよ。」

「...叶弥に手を出したら許さない。それにアイツが素人相手に負けるなんて思わない。...今のうちに自分の身を安んじておくんだな。」

「フフッ...。君もバカだなぁ。君が僕の元にいるんだから、あの五十嵐君が自分が抵抗したら君がどうなるか...ね?」


湊先輩は自由に動かせないオレの身体をゆっくりゆっくりと全身を舐めるように視線を送り撫でてきた。あまりの気持ち悪さに吐き気がする。まずは顔を。そして胸に腹に腰へと続き、下半身まで触ってきた。オレは無意識に涙を流していた。


「あぁ...涙する君もキレイだ...。そうだ。このまま僕と心身ともに結ばれよう?」


湊先輩はどこからかナイフを取り出すとオレの服を切り裂こうとした。が、その時だった。監禁されていた部屋のドアが物凄い音を立てて吹っ飛んでいった。オレと湊先輩はその方向へ目を向けると全身黒づくめの男が投げ入れられてきていた。よく見るとその男は気を失っているようだ。その男に次いで部屋の中へ入ってきたのは...待ちに焦がれていた叶弥と五十嵐さんの連中であった。


「な、なんだお前達は...!!どうやって此処を突き止めた?!」

「ソッチか発信元のわかるような写真送ってきたんだろ?解析すれば一発だったわ。」

「...く、クソ!!あと少しだったのに!僕に近づくな!!近づいたら京司君を殺すぞ?!いいのか?!」


威勢のいいことを言ってはいるが、声とナイフを持つ手は震えている。そんな湊先輩に叶弥はゆっくりと歩み寄っていく。湊先輩は「来るな...来るな...!!」と言いながらガタガタと震えていた。そしてあと一歩分の距離になると、叶弥はナイフを持つ湊先輩の手を掴み、赤子の手をひねるかのようにヤツの手を捻り潰した。すると、断末魔のような悲鳴を上げ湊先輩は気を失った。そんなヤツをその場に転がすと、叶弥はオレの所まで来て今にも泣きそうな顔をしながら「京司」とオレの名を呼んだ。そしてオレにつけられた枷を全て外すと、思いきり手を引きそのまま抱きしめた。


「きょう...や...」

「けい...京司...。良かった無事で...。おい!お前ら!その男はサツに引き渡しておけ!オレは京司と先に組に帰る。」

「わかりました!」

「後始末はオレらに任せてください!」


叶弥は組のヤツらの返事を聞き、オレを姫抱きしてそのまま送迎者へと乗り込み組へと帰るのであった。

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