第74回路 鉄槌下る
伯爵は取り巻きのサキュバス、インキュバスが加勢に来ている
「どうだ?羨ましかろう。英雄色を好むというではないか」
「浅いな、ドラキュラ伯爵」
「なに?」
「色を好むの語源は喜怒哀楽全て、その人全てを愛すること。
決して何人もの女性をはべらせることではない!
1人の女性をどれだけ深く愛し、認め、許し合えるかだ。
現にお前はサキュバス、インキュバス以外には相手もされないだろう」
「キレイゴトを…」
「キレイゴト?お前にとってはキレイゴトに思えるかも知れんな。ただこれは俺の恋愛観、信念だ!」
「そんなことだから、誰にも相手されないのであろう」
「相手されないからと俺はそれを曲げることなどしない。
折れてしまうと俺が俺でなくなるからな!」
「きさまーー!話は終わりだ!一気に終わらせてくれる!」
最大魔力のぶつかり合い
次元を歪めかねない激しい衝突
「トリウィア、私はお前が欲しい」
「はぁ?からかわないで!あなたは何も私のことを知らない!」
「知る必要などどこにある。この世の全てを手に入れる私に何を知って欲しいのだ。くだらぬ、恋愛感情など…
欲望のままに生き、そして死を選べる立場。
そこに連れて行ってやると言っておるのに…」
「そんなものはいらない!私は私を知って欲しいだけ。認めてくれるそんな相手といつ訪れるかわからない死と隣り合わせでその時まで生きる、行きたいの!」
「ならば、今日で終わらせてやろう…」
「そうはさせない!」
ガントリックをマーニにリンクさせた
「ガントリック・リバース!魔導ナイフストレートアタック!」
マーニの左腕を切り裂いた
「まさか…」
「今、ようやくわかったよ」
「何がわかったと…」
「お前が俺と同じ人間ならガントリックでリンク出来ないはずだ。
だが今こうしてできたということはおそらく魔力でできた魂、魔魂がお前の中に存在する。肉体は俺もお前も所詮借り物でしかない。
俺であって俺でないのは転生したとき以降の環境が作り上げた自分だ。克己…自分に打ち勝つこと、これが俺が今やるべきことなんだ!」
「どちらにしても、負けた方が偽物となるわけだな。
ならば、消えてもらおう、偽デンリュウ!」
イロハニールは呟いた
「リョンリョン、あなた…」
一本のいかずちがイロハニールに落ちた
バリバリッ
「えっ?何が起こったの」
激しい鍔迫り合いが続いている
「ハァハァハァ…」
お互いが闘いを通じて何かを得ようとしている
「ミポポ…」
一本の激しい稲妻がサティスディーナを襲った
バリバリバリッ
「えっ?誰なの?どういうこと?」
ドラキュラは無論不死身。つけられた傷跡も消え去る
ただ敗れたマントは元に戻らない、それだけでどれだけ過酷な闘いであるのかは容易に想像がつく
MPパックも残り1つ
最後の攻撃で跡形もなく消し去ることができるだろうか
やるしかない…
MPパックを装着し、火+土のプレート
「消すか消されるか、これが最後の…」
紫の魔方陣が2つ
「静寂を揺るがす大地の怒り、ボルケーノユーロプション!」
噴火による溶岩と火山弾がドラキュラを襲う
「うわぁーー」
ドラキュラの肉体はほぼ消し飛んだが
ジワジワと戻りゆく彼の再生能力は計り知れない
辺り一面を白く染める天の怒り
バリバリバリッ
再生したドラキュラはその場にうつ伏せた
最初の不意打ち以外ほぼ魔法も打撃もダメージというダメージは与えられていない
それでもミズキの最上位魔法でさすがのマーニも疲弊を隠せない
「トリウィア、想像以上…」
マーニは右手で空気の波動をミズキに向かって放った
「グハッ」
「ミズキーーっ」
地上に落ちていくミズキを空間固定魔法で迎え受け止めた
「大丈夫か!」
「なんとか…」
マーニは他の3人をそれぞれを一暼した
「まさか…なぜ…」
共に過ごした空間、時間、感情…
人に壊されることの苦痛、怒り、動揺…
「力は遥かに上回っていたはず…事故?」
脳裏に映る何かの知らせ?
□□□□
白いスーツの女が不敵な笑いを浮かべる
「あーら、あなた達はもう用済みよ。
最終通告にも関わらず気づかないなんて、なんて愚かなのかしら
崩壊はあの時終わっているのよ。今は創造の時代。
これから2人に創ってもらいたかったのに、あなたは飛んだ勘違いをしてしまったようね。壊すのは簡単よ、そんなこと望んじゃいない。築き上げるほうがよっぽど大変で時間もかかるんだから。
後はあの子達に任せてさっさとお逝きなさい」
□□□□
「この攻撃に全てかける、ミズキ」
「うん」
MPパックを装着して黄色い魔流紋は紫に
ミズキは指輪の魔力を体に宿した
「よし!」
空間固定魔法でミズキを抱きかかえマーニを射程距離に収めた
ミズキを下ろし
左手でスパイラルインパクトを構える
ミズキは右手を添え、トリガーを引いた
火+土+風のプレートに紫の3重魔法陣
魔流紋は赤に…




