第57回路 エドガル王との謁見
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【エドガル城】
門番が立っている
「そなたがデンリュウか?」
「は…はいっ!」
ちょっと緊張した
「謁見の間に案内させる。しばし待たれよ」
少し経って
金髪メガネの白いスーツ、ミニタイトスカートの女性が現れた
「ご案内いたします」
門の中に通された
15mくらいの城壁に囲まれた城内
20mくらい先に城の扉があった
そこにも警備兵が2人
秘書風の女性に頭を下げて扉を開けた
5mくらいの幅の複雑な柄の絨毯が40mくらい先の扉まで真っ直ぐに伸びている
豪華絢爛…まさに息を呑む空間
ゴシック様式の柱、ステンドグラス…
息をするのも憚られるほどの静寂
リードさんが咳払いをしたが
その音が何度もリフレインする
扉の前に立った
この向こうにエドガル王がいると思うと緊張する
何もわからずこの地に転生して
何もわからないまま仕事をして
冒険者になった
そして今、この地の王に会おうとしている
まさかこんなことがあるのか
扉が開いた
10m先の階段5段上の舞台に据え付けられた玉座
そこに今まで会ったことのないオーラ
(これが王の貫禄、佇まい…)
5人はその存在に何の躊躇なく片膝をつき頭を下げた
「構わぬ、おもてをあげよ」
あまりの存在感に周りは全く見えてなかった
玉座の両サイドに3人ずつ側近らしき人たちがいる
そのうちの誰かが声をかけた
「デンリュウというのはどちらにおられる」
「はい、私でございます」
王はおっしゃられた
「こたびのモノリーでの活躍、そしてミドーガルドの件、こちら耳にも入っておる。この国の、この城の危機を救う活躍、誠にご苦労であった。
立場としては公式に礼を伝えねばならぬとは思っておるのだが、民が危機がすぐそばにあったことを知って動揺するのは避けたい。
どうか非公式であることを悪く思わないでほしい」
「もったいないお言葉、こうして拝謁させていただくだけで十分に幸せでございます」
「そう言ってもらって助かる。何か褒美を取らせるつもりだが望みはあるか?私ができることであれば何でも用意させよう」
「ありがたき幸せ。それでは小さくて構いません、家が欲しいです」
「家か?構わぬ後で細かい要望はそこにおるサイラカに伝えよ。
しかし、冒険者は住まいを持たないとよく聞くが?」
「はい、私はこのエドガルを拠点に冒険を続けたいと考えております。帰るところがあると心にゆとりが生まれます」
「そうか、この地に根付いてくれると。それは有難い。エドガルは優秀な用心棒を雇っているようなものだな、ハッハッハッ」
「王様、買いかぶりすぎでございます」
最右の男が喋り出した
「デンリュウよ、この城下町は冒険者が多いと聞くが
そなたより強いものもおるのか?」
「申し訳ございません。あまり横のつながりがないもので他の冒険者については把握しておりません」
最左の男が提案する
「王様、この機会にギルドと協賛で闘技大会を開催するのはいかがですか?街の活性化にもつながりますし、その経済効果はかなりのものとなるでしょう。それに冒険者の把握にも繋がります」
「それは面白い!場所とルールなど細かく決めねばならぬが、ギルドと絡めばその辺りも心配ないじゃろう」
側近達も賛否両論で討論が始まった
王が止めに入った
「やめよ!客人の前だ。
すまぬな、デンリュウ。大会についてはこちらで話し合いを重ねた上で進めるとして、褒美についてはサイラカと進めてくれ。今日は本当に来てもらえて嬉しかったぞ」
「こちらこそお招きいただきありがとうございました」
サイラカさんと一緒に城を出た
【エドガル城下町】
「緊張したーよくあんなに喋れるね、デンちゃん
私なんか唾も飲み込めなかったわよ」
ミポポが言った
〈確かになんかこう厳粛な空気に卒倒しそうだった〉
「さすがだな!俺もこの街にずっといるが王様に会うなんて初めてだし、そんな体験してるヤツなんてなかなかいないぞ!」
リョンリョンは何か引っかかっているらしい
「しかし、妙だな。国とギルドが組んで一大催し物なんて聞いたことがない。まして、国が何のために冒険者を把握する必要がある」
ミポポが答える
「国の武力増強のため?」
「だったら兵を集めて武器を揃えるとかって考えそうなものだし」
「強そうなヤツをマークするためじゃないのか?」
リードさんは言った
「だったらスパイというか内密にギルドに行って聞き込んだり情報を集める方法はいくらでもあると思う。ギルドと組むってことは、協会を巻き込んでエドガルだけじゃなく全ての国から強者を呼び寄せて、強い冒険者を把握したいってことなのかな」
〈ただの余興?〉
「であれば協会が関わる必要もないよね」
「まぁ、まだ開催が決まったわけでもないし、あの討論の様子だとまだまだ先じゃないかな?」
俺はそれくらい楽観的に考えていた、そうこの時は。
R7.8.20 加筆




