第54回路 スナックバーパブ
通常の会話は「」魔法での会話は〈〉
みんなで声を合わせる時は〈「」〉となっております。
一度宿に戻ってお風呂に入った後
夜の繁華街に出てみた
海水浴ができるくらい暖かい時期でオンシーズンなんだろう
結構出歩いてる人がいた
5人で飲めるところ…
"スナックバーパブ"
スナックなのかバーなのかパブなのかよくわからない店に入った
【スナックバーパブ】
「イッツ パーティタイム!」
ドアを開けると変なアナウンスが流れた
店の奥にいたイケメンバーテンダーが声をかける
「あら、いらっしゃーい!4名様かしら?」
「4人と1匹です」
すかさず耳元でツッコミが入る
「あら、かわいいネズミさんね!どうぞこちらのボックス席に!」
〈ネズミじゃないって伝えて!〉
「どっちでもいいよ」
耳たぶを思いっきり噛まれた
でももう慣れている
バーテンダーはグラスと氷、ウイスキーを用意してくれた
店内は小さめのBGMがかかっていて、8人くらい座れるカウンターにボックス席が2つほどの1人で回すにはちょうどいい広さだった
カウンターにはカップルと友達同士できたらしい猫耳の女性が2人座っていた
いい雰囲気のお店なのだが、入り口のそばのトイレに行くときにセンサーが反応するらしく
「イッツ パーティタイム!」
が流れる。気を抜いているとドキッとしてしまう
〈「カンパーイ」〉
ミックスナッツと魚の煮付けが出てきた
「これは上手い!」
みんな頷きながら食べている
ん?ここも箸だ!当然のように…
「あら?あなた達、お箸使うの上手ね?この辺りでは見かけないけど冒険者さん?」
バーテンダーは聞いてきた
「はい、そうです」
グイグイ入ってきそうなタイプと思ったから
返事は短めに…
「どう?この街は?」
リードさんが入ってくる
「もうサイコーです!魚がうまいのが1番!」
「ふーーん、そう。じゃ2番目は?」
ほら来た、言わんこっちゃない
「2番目はママ…じゃなかった…マスターのお店!」
あれ?リードさんもう酔っ払ってる?
「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない!
ママのバーパブです、ヨ・ロ・シ・ク!」
バーパブって名前だったのか…ややこしい…
「楽しんで行ってね!」
良かった、まだ傷は浅い
ミズキはカシューナッツに夢中でかじりついている
〈この体だとさーカシューナッツ、マジ堪能できんだよね〉
あら、こちらも回ってらっしゃいます?
ミポポとリョンリョンはだいぶ飲めるようだ
気がついたら、ボトルは空いていた
ママのところにボトルを頼みに行った
カウンターに立って待っていると
「地震ようやく収まったね、なんだったんだろ」
「そういえばそうだニャ。そんなによくこの辺りは地震があるのかニャ?」
「ここ最近多かったけど急に止まった。だからって冒険者が増えるわけでも観光者が増えるわけでもないけどね」
「えーーそれがいいんだニャ。ウチなんかひっきりなしに変な冒険者が来るんだニャ。リスに向かって話しかけてるヤツとか黙って職人やってりゃいいのに冒険者気取りのヤツとか…」
あーーーアイツ、エドガルの案内所のニャンコだー!
しかも俺のことボロクソ言ってやがる!
「そうなの?なんか楽しそうじゃん!」
ちょっと絡もうっと
「楽しくなんかないニャ…」
「あれーー?エドガルの案内所の看板娘さんですか?」
「えっ?なにニャなにニャ?」
「こんなところで会うなんて奇遇ですね!今日はお休みですかぁ?」
「あーーー!…デンリュウニャン…
地元がここで今帰省中なんだニャ…」
「へーー、そうなんですね」
「イッツ パーティタイム!」
「デンリュウニャン達こそどうされたんですニャ?」
「ギルドの依頼でこっちに来てて明後日には帰る予定です
しかしいい街ですね、この街は」
「そう言っていただけて嬉しいニャ!」
「ボトルどうぞ!」
ママが氷と一緒に用意してくれた
「じゃまた、エドガルで!」
「イッツ パーティタイム!」
いい感じにみんな酔ってきたので
そろそろお開きに…
「ウルシバラ!ちょっとこっちこい!」
あーいるいるこういう上司!
言ってもしょうもない話聞かされるだけの…
「早くこい!デンリュウ…くん…」
「はい、行きます…」
「でさーどう思う?あの2人」
「あの2人…ですか?」
ミポポとリードさんが話し込んでいる
「膝枕したりさーなんかいい感じなんじゃない?」
「そ…そうなんですかね?」
ミポポとリードさんの会話が聞こえる
「仕事っていうのはさ、待ってちゃダメなわけよ」
「そうか?待ってて入ってくるならそれでいいと思うけど…」
「ダメ、絶対ダメ。そんなのは仕事じゃない!」
「俺なんて店構えてるからどっちかというと待ってることが多いんだけど…」
「そこ!だからエドガルって街にしがみついてちゃダメ。男なんだから視野をバーっと広く持たないと…」
「でね?デンリュウくん…わたしも膝枕して!」
急に俺の膝に頭を乗せた
「な…何やってんすか!
もしもし、リョンリョンさん?」
寝てる…眠かっただけか…
リョンリョンをオンブして宿に戻った
酒も少し冷めた頃
何かが背中に当たっている感触
《ピーポーピーポー》
ミズキに悟られたらたぶん魔法で殺される…
R7.8.20 加筆




