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第25回路 夜の街

通常の会話は「」魔法での会話は〈〉

みんなで声を合わせる時は〈「」〉となっております。

繁華街の一角にリードさんのお姉さんのお店はあった

【パンドラ】

いかにもという店の名前

店の前で呼び止められる

「リードさん!」

黒いスーツを着た男だ。店員なのか?

「姉ちゃんいる?」

「中でお待ちです。こちらの方々は?」

「俺の連れだ。一緒に邪魔するぞ」

「いらっしゃいませー」

「あら、リードちゃん!お姉さんはこちらよ、どうぞどうぞ!」

異空間。なんて上品で豪華で広い店内。

そして何より女性たちのスタイルの良さ、露出の多いドレス

色々と見えてしまう

《ピーポーピーポー》

まだ店に入ったばかりなのに。これじゃ、帰るまで鳴り止まないかもしれない

ジーー

怖い、ミズキの視線が…

「ここにかけて待ってて、すぐに来ると思うから。」

5人掛けのL字ソファーに案内された

「わかった」

程なくさっきの男性店員がなにかお酒らしきボトルとグラス、氷を持ってきた。

「何飲む?水割りでいいか?」

リードさんは慣れているようだ。

「はい」

女性がお酒を作り始める

「俺は濃い目で」

リードさんのだけ色が違う、ほぼ原液だ。

3人分用意されたところで

「じゃあ、とりあえず乾杯!」

一口飲んだ。ウイスキーだ。よくわからないお酒じゃなくてよかった。

「もうすぐくると思うから」

そう言って女性は自分の客のところに戻って行った

すぐにお姉さんは来て、ロックオンされた俺は固まってしまった

「あーら、いらっしゃい、ボウヤ」

俺の隣に座って体を密着させる

《ピーポーピーポー》

これじゃおさまらない。

「こういうところにはあまり来ないのかしら?」

「あ、はい」

さらに体をすり寄せる

「あら、そう。これからは時々いらしてね」

ミポポが肩にいるミズキが怒りで震えているのをなだめてくれている

「おい、姉ちゃん!うちの若いのをたぶらかさないでくれ!」

「ここでは姉ちゃんはやめて!グラシアさんと呼びなさい!」

源氏名なのか?

「ところで村長さんは?」

「今くるわ」

小柄でシルクハットを被った中年男性がテーブルの前に立った

皆がその場で立ち上がった

「こちらミドーガルド村長、アイネスブルグさん」

リードさんが挨拶をした

「お初にお目にかかります」

グラシアさんは続ける

「こちらが私の弟、リード・ベルニカ」

村長さんも帽子をとって胸の前に。

「初めまして」

リードさんが促す

「どうぞこちらに」

「恐れ入ります。」

ソファーのテーブルを挟んだ反対側カウチに迎えられ

みんなが腰掛けた。グラシアさんが口火を切る。

「話は概ねわたしの方から伝えているので、ギルドへの依頼方法をお伝えして」

リードさんは答える

「わかった。ギルドマスターより今回の依頼について

危険度の低い調査であればDかEランクの依頼で安く済むんだが、今回の依頼は見えない部分も多く、冒険者に万が一があるとギルドの責任問題に関わるということでCランク設定となるそうです。

報酬は銀貨50枚で、手数料が10%の5枚。つまり銀貨55枚をギルドに持っていけば依頼できるということです。」

「わかりました。今回の話、酔った勢いでグラシアさんにお話したのですが、特に被害などは出ておらず急な案件ではなかったのです。ところがここ最近、村の女性たちの動きが少し…」

「少しなんです?」

「子供と年寄りを疎開させてるんです。何かの準備を始めているとしか…」

「それは不安になりますね。満月まであと4日。明日にでもギルドに行って依頼してください。タイミング良く、いい冒険者にお会いできることをお祈りします。」

「ありがとうございます、そのようにいたします。

ところで、そちらの方々は冒険者のように見受けられますが…」

俺の身なり、目を見て察したのか、挨拶した。

「初めまして、ウルシバラデンリュウと申します。リードさんのところで魔導巧士の見習いをさせていただきながら、冒険者もさせていただいております。」

村長さんは興味深そうに尋ねる

「ランクは?」

「最近Cランクに昇格させていただきました。」

正直に答えた。

「おぉ、それはちょうどいい!是非今回の依頼あなた方に受けてもらいたい。内情がわかっておる方が話も早い!」

「お前たち、Cランクなのか?いつの間に…」

リードさんには言ってなかったか?驚かれた。

「デンリュウちゃんって言うのね?」

名前を聞く機会を伺っていたのか。

また、グイグイ体を寄せてくる。

《ピーポーピーポー》

「すごい偶然じゃない?この場にCランク冒険者様がいるだなんて。」

俺の手を取ってみんなの顔色を窺っている

俺は気が気じゃない。白い毛並みが逆立って赤く見えるのは錯覚だろうか

「私の一存では決めかねます。パーティのみんなにも聞いてみないと…」

「私は構わないよ。ミズキは?」

うんと一つ頷いた。

せっかくの満月なのに巻き込んでしまったな。

「わかりました、明日我々も正式に依頼を受けるようにします。」

「よろしくお願い致します。当日夜まで休める宿もご用意致します。」

グラシアさんは嬉しそうに取り仕切った

「じゃぁ決まりね!それではみなさん、グラスを持ってー

ミドーガルド村の依頼成功を祈ってーー」

「カンパーイ」

ハァ、帰ってからが怖い

R7.8.20 加筆

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