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呼吸のあと  作者: haruki
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第七話

宅配業者の人が去ってから、順番待ちのように神前が一歩前進。葉月もそれに続く。


「ごめんね、忙しいのに。」

「どうしたの?」

「さっき連絡先聞けてなかったから。教えてよ!」


初めて、いや葉月を合わせたら二回目か。女の子に連絡先を聞かれるのは。


「Skype教えて!」

「…お、おう。」


電話番号とか、メールアドレスとか、そんな感じじゃないのが彼女らしかった。


「じゃあ、ID教えるから検索しといてよ。」

「面倒だから長谷川君がやってよ」


スマホを渡され、自分のアカウントを見つけた。


「これ、俺だから。」


スマホを受け取り神前は


「メッセ送っておいたから。」


と。


早!

最近の子ってこんな!こんなですか!


「じゃあ、いつでもメッセ飛ばしてね~。」


用事が終わった神前はそそくさと帰っていった。

そして最後尾の葉月が一歩前進。


「二人で何してたの?」

「別に。」

「ねぇ、しゅーちゃん。何してたの?」

「オタ話。あと、美咲の話。」

「新しい女の子が…。」


また誤解を生みそうだ。


「美咲はWG(ウィンドウガールズ)のキャラだからな。」

「驚いて損した。」

「勝手に損してんじゃねぇよ。」

「ていうか、神前さんもそんな趣味あったんだ。」


ん?


「しゅーちゃんみたいな。」


そう来たか。


「そーだな。」


ムッとした顔で葉月は言う


「神前さんにはしゅーちゃんは合わないと思うよ!絶対!」


それだけ言うと葉月は去って行った。




朝比奈 葉月。


九月十一日生まれ。ママチャリをこよなく愛する幼馴染み。葉月とのファーストコンタクトは小学校の入学式から始まる。


入学式を終えた帰り道、当時全く面識のなかった葉月が俺の後ろをついて来るので怖くなって走り出した俺は小石に躓き、運の悪いことに電柱に頭をぶつけた俺は気絶。そんな俺を家まで引き摺って届けてくれたのはやはり葉月。


向こうはこっちの家が隣だと知っていたらしい。

まぁ、そこから小中高と同じ学校と家族ぐるみの付き合いが始まる。


容姿は悪くない。しかし、これといってダントツに抜けているわけではなく、丁度いい感じ。伸長は154cmだと本人が言っていた。髪は長く、基本的にはポニーテール。さらさらとした黒髪はさわり心地が良く、引っ張るとリアクションが面白い。服装はボーイッシュでラフな感じを好みとする。ブランドには興味がない。


男の影は一切ない。

モテない事はないと思うのだが、基本的に何にも興味が湧かないその性格がそうさせるのだと思う。

その一方、心を開いた一部の人間に対してはよく喋る。本当によく喋る。


例えば俺の母や、俺。近所の猫。つまりは俺達は友達いない友達。


そんな友達いない友達はきっと誤解している。

まぁ、ほどかなくても別に問題はない。


しかし今日はもう疲れた。


寝よ。


…。


……。


………。


………アニメ見て寝よ。

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