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やり直し勇者は溺愛される  作者: 希月タカトラ
やり直し勇者と堕落した女神

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6話 スキル説明

引き続きお読みいただきありがとうございます。


第6話 『スキル説明』です。


今回少し長めですが、説明は大事!


 

 ――談話室?――



 俺が地獄のなかから助けを求めていると、世界が止まり、誰も動かなくなった……

 何が起きたのか、不思議に思っていると、セレーネの声が聞こえた。


「まったく……さっきのは、女神もドン引きのクズ発言でしたよクロードさん!」


 そう言うと彼女が俺に呆れたように声をかけてきた。


「……セレーネ? いったい何が起きてるんだ? なんで俺は同じ光景を……いや最後は違ったが、とにかく何が起きてるのか説明してくれ!」


 俺は半泣き状態の顔で、今体験した2度の見合いとその結果起きた地獄の時間について彼女に問いただした。


「説明してって言われても、どこから説明すればいいですか? とりあえず今私たち以外みんな止まっているのは、私の力です! どう? 凄いっしょっ!?」


 彼女は俺の前で腕を腰に当て、誇らしげに俺に同意を求めてきたが、俺は疑問しか浮かばなかった。


「とっ止めたって……いったいどうやって!?」


「えっ……? そりゃあ私『時の女神』ですから、時を止めるなんてできて当然ですよ?」


「はぁ!?」


 俺は初めて知る情報に驚きの声をあげ、彼女に言及した。


「『時の女神』ってどういうことだ? お前はただの女神じゃないのかよ!?」


「むっ! 失礼な! 私は女神たちの中で『時』を司る、すんごい女神なんですよ! 私と同等の力を持つ女神なんて、片手で数えるほどしかいないんですからぁ〜!」


「嘘……だろ?」


 俺はセレーネの意外過ぎる一面を知り、驚きを隠せずにいた……


「嘘じゃないですってぇ〜、その証拠にほらぁ! 今私たちしか動いてないですよね! これが私の力なのです! えっへん!」


 俺は彼女の言葉を確認するように周りを見渡す。

 俺の隣で三人に向かって謝罪をする陛下。

 顔を両手で覆い、涙を流すクレス。

 自身の人生を終わらせる覚悟を決めたイリーナ。

 頭を抱えて、今後の身の振り方を考えるルーシェ。

 みんな、まったく動かず、音も立てず、ただそこで停止していた。


「確かに、前回もそうだが、みんな固まって動かないな……」


「でしょ〜! なので……とりあえず汗拭きません? めちゃくちゃ汗かいてますよ? タオル使います?」


「えっ……?」


 俺は彼女の言葉でようやく自身の体の違和感に気付いた。

 体中の毛穴という毛穴から大量の汗を吹き出して、髪の毛と服が体に張り付いていた……


「まったく気付かなかった……」


 俺はセレーネがなぜか持っていたタオルを借りると体の汗を拭った。


「いやぁ、それにしてもクロードさん、さっきの発言はマジで最低最悪でしたねぇ〜、全世界クズ男選手権があったら、ぶっちぎりの優勝でしたよ!」


「うるさい……あのときは、あれが正解だと思ったんだよ……」


 彼女の煽りに俺は、苦虫を噛み潰したような顔で答えた。


「それでも、あの回答を聞いたときは、私も部屋の外の騎士と一緒にドン引きしてましたよぉ〜」


「なっ……? 外の奴らも聞いてたのか?」


「えぇ! 仲良く聞き耳を立てて様子を窺ってましたよ! だからクロードさんの『保留』を聞いた瞬間の2人ったら可笑しくて(笑)」


 ――


『おいっ……今の聞いたか?』


『あぁ……さすがにそれはないだろう……』


『だよなぁ、俺勇者に会えるって楽しみだったのになぁ』


『俺も彼女に勇者と会ったって自慢するつもりだったのに、これじゃあ酒の肴にしかできないぜ』


『だなぁ【勇者、美女3人を同時に泣かす!】って感じか?』


『だな! でなぜか4〜5人増えてくんだろ!』


 ――


「って言って残念がってましたよぉ〜」


 俺は部屋のなかの人たちだけでなく、部屋の外にいた騎士たちにも、自身の失言が聞かれていたことに、また気持ちが落ち込んでしまった。

 だが、それよりも今後の身の振り方を考えることにした。


「なぁセレーネ……俺はこれからどうすればいいと思う? 多分、今回の件で俺は追放か、よくても領地を取られて爵位も失うだろう……陛下にもうお会いできることはできないと思うが、どうにか彼女たちには償いをしたい……」


 俺は真剣な面持ちでセレーネに今後のことを相談したが、彼女から返ってきた言葉は予想外のものだった。


「どうすればって……やり直せばいいじゃないですかぁ?」


「はぁ……? セレーネもうちょっと真面目に考えてくれ! やり直しなんてできないんだよ!」


「いやいやいやいや……だからできるんですってぇ〜」


「……なにができるんだ?」


「だぁかぁらぁ〜、クロードさんにやり直しができる力をプレゼントしたじゃないですかぁ〜! 忘れたんですか? 私があげた……まぁ、たまたま手に入れたスキルですけど、それで1回ループして談話室前に帰ってきたじゃないですかぁ〜」


 彼女の言葉に俺はセレーネがプレゼントだと言って、俺に何かを付与したときのことを思い出した。


「……あのときか!?」


「……そのときです!! 私があげたプレゼントで、クロードさんには『やり直し』ができるスキルを獲得しているのですよ!」


「『やり直し』ってことは、さっきの俺の失言はなかったことにできるのか?」


「はいっ!」


「じゃあ、この見合いに参加しなかったことにして、やり過ごすこともできるのか!?」


「あっ! それは多分無理です!」


「へっ……?」


 俺は期待を込めた質問があっさりと否定されて、もう何度目になるかわからない、間の抜けた返事をしてしまった。


「いいですか? クロードさんの手に入れた『やり直し』のスキル名は『セーブ&ロード機能』です!」


「『セーブ&ロード機能』?」


 俺は、聞き慣れない言葉にセレーネの言葉を復唱するしかなかった。


「そうです! ……てクロードさんの反応を見ると、まずセーブとロードがなんなのか? から説明しないとダメみたいですねぇ〜」


「頼む!」


 俺は彼女の話を極力遮らないように、短く返事をする。


「では、『セーブ機能』から説明しましょう! これは、クロードさんが好きなタイミングで今の状況を『保存』する能力です」


「はぁ……?」


「次に『ロード機能』の説明です! これは、クロードさんの好きなタイミングに、『保存』した状況を『やり直せる』能力です!」


「……おいっ! それって!?」


「はい! 例えばクロードさんが未開のダンジョンを攻略しようとダンジョンの入り口でセーブします! そしてダンジョンのなかを潜って探検していたら……まぁ、大変! 巨大な落とし穴にハマってしまい、地下深くに落ちてしまいました! 周囲は断崖絶壁、もうお終いだぁ〜……てときにロードすると! あら不思議!? そこはダンジョンの入り口前でしたぁ〜……てことができるのです! はい! 拍手!」


「おぉーー!!」


 俺はセレーネの言葉に釣られて、自然と手を叩いて拍手と合いの手を入れていた。


「どうですかぁ、すごいでしょう!! しかも今なら、相手の過去を追体験できる『記憶回想』のスキルがセットで付いてきます!」


「おぉー……おっ? 『記憶回想』? 追体験? どういうことだ?」


「はい! こちらの『記憶回想』は、対象の心のトラウマ……つまり深層心理に根付いている、人格形成に大きな影響があったできごとを追体験できるのです!!」


「はぁ……そうですか……」


 俺は付属のスキルの重要性が理解できず、気持ちのこもってない返事をしてしまった。


「むむっ! その反応は、このスキルのすごさがわかってないですね?」


「いや、だって過去を知ったところで関係ないからなぁ」


「関係ない……ですか……クロードさん、やはりアナタは、ダメダメですね!」


「ダメダメ……て、そこまで言われることか?」


「言われることですよ! まぁいつかこのスキルのすごさに震える日がくるでしょうから、記憶回想の説明はここまでにしましょう」


 俺の反応にセレーネは、あきらめたようにスキルの説明をやめると、セーブ&ロードの説明に戻った。


「セーブ&ロードは優秀なスキルですが、その分使用には制限があります!」


「制限?」


「まずセーブできる記憶は最大5つまでです! それを超えるセーブは、他の記憶を『上書き』しないとできません!」


「なるほど」


「次に! このスキルは、クロードさんが本当の可能性にたどり着くために使えるスキルです! なので、クロードさんがセーブとロードを繰り返していくなかで、行き過ぎた行動をとると、自動的に現状が正解とみなされてスキルが消滅してなくなります!」


「行き過ぎた行動?」


 俺はセレーネの言葉の意味がわからず聞き返してしまった。


「単純に言えば、自身の意思による女性への接触です! 手を繋いだり、ハグしたりする程度なら問題ありませんが、口づけやそれ以上のことをクロードさんの意思で行った場合はそれに該当します!」


「わ、わかった!」


「次に、スキルに関することは他言厳禁であることです! このスキルのことは、他の人間に話すとスキルが消滅します。」


「気を付けよう……」


 俺はセレーネの説明に、何度も相槌を打っていたが、ふと彼女の表情が険しくなった。


「最後に、これが一番大事なことなので、よく聞いてくださいね!」


 彼女は険しい顔のまま、俺に話をしっかり聞くように促してきた。


「大丈夫だ、ちゃんと聞いてるから続けてくれ!」


「よろしい! 最後の注意点は、能力を悪用した行為の禁止です! ギャンブルやズルはもちろん、悪事などに使ったらスキルは消滅します!」


「当然だな!」


「それだけではありません! 悪用があった場合、強制的に運命力がゼロになります!」


 そう言うとセレーネは、俺に向かって指をさして言い放った。


「ゼロになるとは、単純に運が悪くなるなんて単純なものではありません! 頑張っても報われないのは当たり前、なんならそれが自身の不幸を招くし、その結果さらなる苦痛に見舞われ『早く死にたい! 誰か殺してくれ!』……って願っても、『未来永劫』死ぬこともできない……そんな凄惨な運命をたどるってことです!」


「それは……悲惨だな……」


 悪用するつもりなど、微塵もなかったが、俺はこのスキルを悪事には、絶対に使わないことを静かに誓った……


「……とまぁ、こんな感じです……ちなみに1つ目のセーブが談話室前で行われているので、ロードしたらそこに戻ります。」


「なるほど、だから見合いの回避はできないと……」


「その通りです! 見合い直前になってやっぱり帰る! ……なんてことできないですよね!」


「そうだな……それこそ『保留』に次ぐ大惨事になりそうだ……」


 俺は目の前で停止している地獄絵図を眺めながら、見合いの回避は、不可能であることを理解した。


「よろしい! ここまででなにか質問ありますかぁ?」


 俺は慎重にスキルの不明点がないかを確認し、セレーネに答えた。


「……1つ質問がある」


「はい! なんでしょうか?」


「結局、このスキルはどうやって使えばいいんだ?」


「……あぁ〜、そうでしたねぇ〜、すっかり忘れてましたぁ〜」


 彼女は先ほどまでの説明口調から、いつもの間抜けそうな口調に戻って、説明の漏れを話すと、また口調を変えて説明しだした。


「使い方は単純です。クロードさんがセーブすると願えばセーブされるし、ロードすると願えばロードされます」


「そんな簡単なことでいいのか?」


「はい! ただセーブのときは『スロット1にセーブ』、ロードするときは『スロット1をロード』って願ってください」


「スロット1……?」


 また聞いたことのない言葉に俺は聞き返した。


「記憶する場所のことです。スロットは、1から5までありますので、セーブするときは、上書きにならないように気を付けてくださいね!」


「セーブとロードはスロットを指定する……スロットは記憶する場所のことで、全部で5つあるんだな……よし、わかった」


 俺は忘れないように、スキルの使い方を口にした。


「しかし、使い方に制限や制約があるのは、なんとも使いにくそうだな……」


 俺がスキルの使い方の文句をぼそりと言うと、セレーネは、否定をしてきた。


「いやぁ〜、決まりを守ってれば自由に使えるんですよ! これは破格な性能ですよぉ〜」


「そうなのか?」


「そうです! 他の人がもし同じスキルを得られたとしても、特定の道具が必要とか、一度死なないと戻れないとか、白い生き物と契約して人間辞めたりしてないと普通はできないんですよ!」


「そんなにっ……!?」


「そんなにですよ!! でも、クロードさんのスキルは制限と制約こそあれ、道具はいらないし、死ななくても使えるし、人間も辞めてないからやっぱり破格過ぎます! ……いまからでも、なにか付け足しときます?」


「やめろっ、ばかっ!」


「あぁーー、ばかって言ったぁーー!」


 俺はセレーネの余計な行動に暴言を吐いて止めたが、彼女が付け足しをしない様子に安堵していると、彼女は一呼吸おいて、俺に微笑んだ。


「さて、クロードさん……そろそろお別れの時間ですね……」


「お別れ……?」


 俺は彼女の言葉の意味が理解できず、聞き返した。


「はい……私が元々人間界にいたのは、クロードさんの願いを叶えるためです! でも、その願いも叶えることができました!」


「……そうだったな、意外と短い付き合いになったけど……まぁ楽しかったよ!」


 俺はお別れの意味を理解し、彼女に別れの挨拶をする。


「はい! 私もとても楽しかったです! あとセバスさんの料理が本当に美味しかったぁ〜」


「おいっ! まだ連れてくなよ?」


「しませんよ、そんなこと! まったく女神を死神みたいに言うなんて罰当たりですよ!」


「悪かったよ……じゃあ元気でな!」


「えぇ……お元気で……」


 そう言って互いの挨拶が終わると、セレーネの頭上から光の柱が現れ、彼女を照らした。

 そして、彼女は光のなかを天に向かってゆっくりと上がっていく……


「クロードさん、頑張って幸せな運命をたぐり寄せてくださいね! 天界から応援してますよ!」


「あぁ、任せとけ! 絶対、幸せになってやるよ!」


 そう言って俺は、セレーネに向かって拳を突き出すと、彼女はにっこりと微笑んだ……

 ……そして、女神セレーネは天界に帰って……………………

 行かない……


「……あれっ?」


「……どうした? まだ何かあるのか?」


 俺は彼女がなにか伝え忘れたのかと思い問いかける。


「いやぁ〜、それがなぜか天界に帰れなくてぇ……」


「……はい?」


「ちょっ、ちょっと待ってくださいね!!」


 そう言うとセレーネは、後ろを向くと何か板状の物を耳に当てていた。


「もしもしゲートキーパーさん!? 私ちゃんと願い叶えたのに帰れないんですけど? えっ!? なんですかそれ!? 聞いてないんですけどぉ?? あっ!? ちょっと待って! ……もしもし!? もしもぉーーし!!」


 彼女は荒げた声を上げた後、静かになると、光の柱を逆走して降りてきた。

 そして……こちらを振り向くと、彼女は気まずそうに、なにがあったのか説明しだした。


「……あのですねぇ〜、ゲートキーパーさんったら『スキルを与えただけで、願いは叶ってないから帰れる訳ないだろ』……って言うんですよぉ〜、酷いですよねぇ〜?」


「……えーっと……つまり?」


「……お世話になります! テヘペロッ!」




 ――スキル説明 完――



最後までお読みいただきありがとうございました。


メタボケ担当の彼女を天界に返すことはありません、ご安心ください!


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応援をいただけると、とっても嬉しいです!


▼次回予告

7話『やり直し勇者は学ばない 博愛エンド』

明日 20時 投稿予定です!

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