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〜ゲーム概要〜

 初めまして。稲葉白兎です。

 

 数多ある異世界転生ものに、恐れ多くもチャレンジさせていただきました。

 異世界転生は私たちの様な人種にとって憧れかと思います。

 その様なお話にはどれだけ主人公に同調してもらえるか、没入感を与えられるかが大事だと考えております。

 文章の世界に広がる異世界を皆様にも是非体験して頂けたら幸いです。


 かなり長いシリーズになることが想定されますので、出来ればお付き合いくださいませ。


◾️

「残念ですが、あなたは死にました」


 まだ覚醒して間もない、混濁した意識の中、2人の男は唐突にそう告げられた。

 目の前には屈託のない笑顔を見せて宙に浮く女がいた。


 ボディラインが露わになるような銀色の全身スーツ姿はまるでSF世界のような出で立ちであり、金色に輝く長い髪は長身な彼女のつま先までありそうなほど長く、中性的で美麗な顔立ちをしている。


 女はまるで無重力の中を漂うように浮かんでおり、長い髪もふわふわと浮きながら大きく広がりを見せていた


「私は【ナビ】と申します。以後よろしくお願いします。」

 

 ナビといった女はぺこりと頭を下げる


「不幸な死を偶然にも同じ日、同じ時間に見舞われたあなた方2人を、異世界で行われるゲームのプレイヤーとしてご招待致します。はい拍手―――。」


 奇妙なテンションで進行を続けられていたが、さすがにここで若い青年が口を挟んだ。


「ちょっと待ってくれ!状況が全く飲み込めないぞ!異世界のゲームプレイヤー?それに二人ってどういうことだ?」


 若い男は辺りを見渡す。

 しかし、周りは一面幾何学模様の空間が広がるばかりで、この場にはナビと名乗った女と自分しかいないように見えた。それはもう一人の男も同様の疑問を感じていた。


「これは失礼いたしました。あなたがた二人につきましては空間を隔てているため、お互いの顔や声などを認識出来ません。しかしながら、同じ場所で私と対峙していることとなります。なぜこのようなことをしているかというと、これから行うゲームにおいてお互いの情報を知り得ることがあまりにも不利になるからとの配慮になります。」


 そういって頭をぺこりと下げる。


「なんだかよくわからないが、ゲームに参加することは決定事項であるというような口ぶりだな。」


 壮年期に入ったばかりの男は口を挟んだ。鋭い眼光をナビに向ける。その視線を受けてもナビは笑顔を絶やさない。


「決定事項ではありませんが、参加しないという未来を選ぼうとするだけ無意味ですので、円滑な進行のためにご協力をお願いします。」


 男は「ふざけるな!」と思ったが、なぜかその怒りが急激に冷めていった。何が起こったかよくわからないが、さっきまでとは違う微妙な変化を感じ、冷や汗を浮かべながらも男は大人しくナビの話に耳を傾けた


 男の様子を見てナビは満足そうに頷いて説明を続ける


「ルール説明の前に、お二人のお名前を登録させて頂きます。フルネームでお願いしますね。」


 事務的な笑顔と口調で告げられた後、一拍をおいて若い男から名乗り始めた


「【本庄ほんじょう 彼方かなた】。…ってこれだけでいいの?年齢とか住所とかも言った方がいい?」


 男、本庄 彼方の問いにナビは笑顔で答える。


「いえ、お名前だけで結構です。」


 そのナビの言葉を待って、もう一人の男も口を開いた。


「【すめらぎ 鮮人あざと】だ。」


 端的にそう答えた皇 鮮人に笑顔を浮かべ、ナビは満足そうに頷いた。


「ありがとうございます。登録完了いたしました。今登録したお名前については異世界では最重要の個人情報となりますので、間違ってもご自身の元の名前を口走らないようによろしくお願いします。」


「知られたらなんかやばいのか?」


 彼方の問いに対してナビは頷く。


「あなた方の存在自体が大変危ぶまれる状況になります。詳しい説明は省かせていただきますが、キャラネームで行動することになった後は自分の名前は忘れてしまった方がいいとだけアドバイスをさせていただきます。」


 濁されたが、やはりそれだけのリスクがあることは理解できた。

 二人の表情を確認し、ナビは進行を再開する。


「それではいよいよ、これからお二人にやっていただくゲーム【アルカナレイド】の内容についてお話しします。」


 二人に緊張が走り、ごくっと唾を飲んだ


「これからお二人は異世界にキャラクターメイキングをして転生いたします。その地でお二人は【勇者】と【魔王】になり、互いに競い合ってゲームクリアを目指していただきます。」


 異世界よろしくの定番設定に彼方は歓喜し、鮮人はすまし顔で目を細めた。対照的な二人の反応を見ながら、ナビはにこやかに説明を続けた。


「お二人はタロットにおけるアルカナはご存知でしょうか?今回のゲームはこちらを使用いたします。」


 ナビの手にはどこからともなくタロットカードが現れると、一斉に舞い上がり、2人の前に22枚のカードが円を作った


「その世界ではあなた方二人を含め、アルカナを宿した【アルカナキャスト】呼ばれる存在が22名おります。このゲームのクリア条件とは22名22種のアルカナすべてを勇者陣営である正位置、もしくは魔王陣営である逆位置にすることが出来た時点でクリアとなります。」


 そこまで聞いて鮮人は顎に手を置き、思考を巡らせる。彼方はイマイチしっくりこないのか小首を傾げていた。

 まだ説明が始まったばかりではあるが、このゲームが一筋縄ではいかないことに二人とも多少の緊張が走った


 二人の反応を見て、ナビは話を続ける


「ゲームスタート直後はお二人のアルカナ以外は全てニュートラル—横位置—となっております。位置の決定には、契約や信頼関係や忠誠がキーとなっております。まあ、簡単に言うと仲間になっている陣営の位置になるということですね。アルカナキャストとはより有効的な関係になれるように善処してください」


そこまで説明した後、彼方が手を挙げて質問を求めた


「これって敵陣営の人を味方側にするためには説得しかないの?倒したら味方になるとか?」


 ナビは一拍間を空けた


「戦うことによって位置が変更になるというケースもあるでしょうが、戦いに負けたら自動的に位置が変わるという仕様ではございません。あくまでもどちらの陣営に所属しているかということが重要となります。」


 ナビはぺこりと頭を垂れる。


(つまりは、裏切り、寝返りが重要ということか…。)


 と鮮人は思った。信頼や仲間などといった綺麗事を並べてはいるが、勝つためには懐柔、情報操作、疑心暗鬼を植え付けるといった心理戦が主になるということだと理解した。

 生前からの得意分野に鮮人はほくそ笑んだ。


 ナビは解説を再開する。


「それでは早速ですが、お二人には二枚のアルカナの内1枚を選んでいただきます。【正義】のアルカナを取ればその方が勇者。【悪魔】のカードを取ればその方は魔王となります。どちらか一枚をお選びください。」


「お選びくださいって・・・」


 二人の前に二枚のカードが浮かぶ。一枚はナンバーⅪ、剣と天秤を持った騎士の姿をした【正義】。もう一枚はナンバーXV、山羊の頭をした【悪魔】のカードである。


 2人ともほぼ同時に、誰もいない隣に視線を送った。


(これ被ったらどうするんだ?)


 と、彼方と鮮人は同時に思った。状況からして各々の前にカードがあるのだから、確率的に50%は二人とも同じアルカナという事態が発生することは誰でも予測しうる。


「だけどまあ、正直選べるんだったら…」と、彼方にとって答えは決まっていた。それは鮮人にとっても同様でもあった。


 二人は迷いなくアルカナカードを選び取る。


「決定いたしました。今あなた方が手にしているアルカナに順じ、勇者、魔王として登録いたします」


 彼方の手には【正義】のカード、鮮人の手には【悪魔】のカードが握られていた。

この時点で二人の陣営が確定したこととなった。


「これでこの世界の運命を変える勇者と魔王が決定いたしました。おめでとうございます。パチパチ」


 笑顔のナビを尻目に二人はお互いの選択を意外だと感じていた。


 彼方は「勇者か魔王かと言われてなんで相手は魔王を選ぶんだ?」と感じ、鮮人は「勇者を選ぶなんてヒロイックな奴だ…相手は若いのか?」などと見えない対戦相手の姿や性格を想像していた。


「続きまして、第2の選択としてお二人には【アルカナギフト】をドラフト制で2種選んでいただきます」


「はあ?」




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― 新着の感想 ―
これアルカナ持ちが死んだらどうなるんですか
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