魔物の住みかの町
「止まれっ!!貴様ら何者だあっ!?」
「人間かあっ!何の用が有ってきた!」
見張り台の上から此方に猟銃や自動小銃の銃口を向ける魔物達にスキルトとアイリアは手を上げて立ち尽くす。
「しまった・・・コイツらは盗賊か」
「悪い奴等に捕まっちゃった・・・」
唖然と立ち尽くすスキルトとアイリアに対して、魔物達が更に声を掛けて質問する。
「そっちの嬢ちゃんは人間かい?、なら俺が噛んでお嫁に(狼女に)して上げようかぁ~~」
「人ゲンの肉、肉、肉、肉、肉」
狼男と風船お化けは路上で両手を天に向け続ける二人にそう言いながら罵声や卑猥な言葉を浴びせる。
「こらっ!!お前達良く見ろ、二人共我々人外の仲間だっ」
掘っ立て小屋の奥から現れた、カーキー色の作業着を着た謎の男が四人の魔物を制止する。
「君達は魔物だな、さあ此方にお出で何も怖くはないよ・・もう安全さ」
以下にも怪しい言葉を述べる男を二人は怪しむが、両手を天に上げたまま顔を見合わせた二人は銃を向けられているし、どの道行くしかないと思い、
見張り台と掘っ立て小屋の方にゆっくりと歩いて行く、その間も四人の魔物達は銃口を並んで歩く二人に向け続ける。
「あのぉ貴方はいったい?・・・」
「誰ですか?・・人間?・・・」
この謎の男に質問するスキルトとアイリア二人がそう質問すると男は答える。
「やあ私はこの町の入り口を警備しているバーダーと言うものだ、此処はモンスタータウンだ・・君達は魔物だな君は遠目では人間に見えたがスキン&スケルトンで君は?・・・」
バーダーと名乗る男性はスキルトの種族を当てて、アイリアの方も当てようと顔を覗くが、
「おっ!?こいつは珍しい、怨霊と死体の集まり(ア・コレクション・オブ・ゴースト&デッドミート)とは?お嬢さんはレアモンスターだね?」
「私?・・私レアモンスターなの?・・・かな???」
バーダーの言葉に頭に?を浮かべて首を傾げながらキョトンとするアイリア、そして周りの魔物達も二人が魔物である事が分かり、更に危険人物で無いことが分かると銃口を下ろして町の外の見張りの任務に戻る。
「何だよ魔物かよ?」
「仲間か~・・まっ人間でも通すけどよっ!」
熊の獣人と風船お化けはそう言って町の外に視線を向ける、そしてバーダーは二人について来るように指示を出す。
「君達は仕事で来たんだろう?、大物狙いの賞金稼ぎか、それとも傭兵稼業でこの町まで来たのか?・・」
「いいえ?、遠くに都市が見えましたので」
「美味しい食べ物が有るかなと?・・・」
二人に話しかけたバーダーの言葉に対してスキルトとアイリアは、二人共違いますと首を振りながら答える。
「えっ!?違うのか、てっきり隣町や近隣の村の看板に張った町を定期的に襲撃して来る、害獣退治や作物を荒らす害虫駆除の仕事を請け負いに来たのかと・・」
「そんな仕事が有るんですか?」
「それよりも、お腹が減ったわぁ~~」
バーダーは二人を仕事を請け負いに来た、傭兵や駆除の業者と勘違いしていたらしくスキルトはそんな仕事が有るのかと興味を抱き、アイリアはお腹が空いて仕方がないとお腹を両手で擦る。
「ハハッ!美味しいご飯が食べたかったのか、ならザックスの揚げパン屋とミーカのお弁当屋さんに行きな?、これは駄賃だっパン二つに弁当二つくらいは買えるだろう?・・」
「えっ!良いんですか?、僕ら見たいな何処の誰とも分からない物にお金をくれる何て・・・」
「そうそう?、お金をくれる代わりに体を売れとか言うんじゃ?」
バーダーの言葉を聞いた二人はどうして自分達にお金をくれるのか?不思議に思い、まさか変な仕事を押し付けて来るのではと考えるが、
「こらっ!アイリアっ!!」
「だって絶対に怪しいじゃなーい?」
「あははっ!骸骨君は真面目で怨霊のお嬢ちゃん、は中々に失礼な事を言うねぇ~~~~いやね?まあ体を張った仕事はして貰うけど・・・」
失礼だぞと怒るスキルトと、だって怪しいと言って譲らないアイリアに対し、バーダーは仕事内容を教える。
「さっきも言った通りに害虫駆除の仕事を頼みたいんだよ、君達のご飯の代金は前払いとしてサービスするから果肉サボテンの畑を守って欲しいんだよ」
バーダーは深刻な表情で仕事内容を二人に説明し始める。
「自警団も人手不足だし、畑を守って居るのはサボテン農家のサージラとイテリフだけなんだ、彼等が無事にサボテンを栽培できる様に害虫を退治してくれっ頼む!!」
バーダーは二人に農家を救って欲しいんだと頼み込み、二人はそれなら分かったと頼みを聞き入れて、畑を守り害虫を駆除する事を了承した。
次話、食い物を食ったら畑を防衛しろ、です内容は・・・。