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メカニカルワルキューレ ─未来を取り戻す物語─  作者: ハムスターマン
第一章 プロメテウス編
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第30話 戦果をかける流れ星達


プロメテウスの部隊迎撃の為、出撃準備をしている時、改めて私は周りを見渡した。


「ティシポネのお姉ちゃん!頑張って!」

「あぁ……ミレイナ、ありがとう。ただ、私の事はナギサで構わない。この名で生きると、改めて決めたから」

「……?……うん!ナギサお姉ちゃん!」

ナギサさんは応援に来たミレイナちゃんの頭を撫でていた。


ディアナさんのオムライス店の話を目を輝かせて聞いているメガイラちゃんがとても可愛くて、今まさに私にヘッドロックを決めているアリアも笑顔で……皆眩しい。

アリアのこれはちょっと苦しいけど……


「なぁリリィ。」

ヘッドロックを解除したアリアが唐突に私に声をかけて来る。まあ、唐突なのはいつもだけど

「ん、なあにアリア」

「絶対助けるぞ!」

アリアはいつも以上に眩しい笑顔で宣言してくれた。

「もちろん!」

私とアリアは拳を交わす。

そう、これは倒すための戦いじゃない。助けるため、笑顔を守る為の戦いだ。


装備の最終チェックを済ませると

私達は新たなメカニカルワルキューレを装備した。

全く違和感が無く、装着感は今まで通りで動かしやすさは今まで以上。ハカセの調整は完璧だった。


装備の装着感を確かめていたらハカセが話しかけてきた。

「リリィ、貴女に起きたメカニカルワルキューレの空間転移、あれがやっと解明出来たの。あれは魔力結晶と高い次元で共鳴する事で発生する一種のオーバーフロウ。ヴァルキリーの魔力結晶の性質に最も近かった貴女だからこそ起きた、言わば奇跡……」

「でも、現実に起きた現象なら、私に再現が出来ない筈はない、でしょう?」


そういったハカセの顔は誇らしげだった。


「空間転移を科学的に再現して武装のみを瞬時に輸送する事に成功したの。この作戦は総力戦になる。有効に使いなさい。」

そう言うとハカセは振り返って背中を見せた。


「ありがとうございますハカセ……思えば、あの時魔力結晶が何も無くなった私を選んでくれたから今こうして、苦しんでいる人を助けられる。

ハカセがサイサさんと紡いだ奇跡と強い意志のおかげで私達は戦えるんです。魔力結晶……ヴァルキリーもありがとうって言ってる気がします。」

私の言葉を聞いたハカセは振り返りはしなかったけど片手はポケットに入れたままピースサインをしてくれた。



私達がカタパルトに接続されると管制室からコトネさんの指示が聞こえる。

『全機、メガミドライヴ出力最大! カタパルト接続完了!ハカセっ……いけます!!』


『了解。メカニカルワルキューレ、全機出撃!!』

ハカセの合図が通信越しに聞こえる。


私は大きく息を吸うと叫ぶ。

「リリィ、メカニカルワルキューレ・ヴァルキリーっ!行きますっ!!」


電磁加速され火花を散らしながら射出された

5人の戦乙女が暗雲を突き破り、首都を埋め尽くさんとするプロメテウスの無人機部隊へと向かう。

地上で見送るハカセの背中と、空を見上げるミレイナちゃんの瞳。


「お姉ちゃん達すごく綺麗……!流れ星みたい!」


装甲表面を覆うエネルギーフィールドと湾曲した空間が淡い光を放ちメカニカルワルキューレ達はまさに戦果を駆ける流れ星となった。



私達が首都近郊に到着するとプロメテウスの部隊……もはや軍隊と呼ぶに相応しい無数の無人機がひしめいていた。


「まずは……道を空けて……もらうわよっ!」

ディアナさんは両手のブラスターを構えるとビームを超収束させ、一気に解き放ち無数に見えた敵軍勢の中央を薙ぎ払った。

「リリィ、アリア、ナギサ!接近戦は頼んだわよ!」


ディアナさんが中央をブチ抜いてくれた。

ディアナさんの指示を受け、私達は一気に敵軍に向かう。生じた亀裂に3人が光の尾となって飛び込む。かつて強敵だったハウンド達すらバターの様に切り裂いていく。

私達はラクシャシーとアスラを助けたい。

でも、ラクシャシー達だけじゃない……ハウンドに閉じ込められた生体部品の少女たち、首都で幸せに暮らす人々、皆を助けるんだ。


両手に持った剣を高速で振り回し敵の視線をこちらに向けさせる。そうだ、首都には指一本だって触れさせない!


その時敵軍の後方から無数のミサイルが首都に向けて放たれる。ディアナさんはそれを迎撃するけど落とし切れる数じゃない。


「メガイラ!」

ディアナさんがそう叫ぶとメガイラちゃんは4枚のバインダーユニットを介し空中に戦場のホログラムを展開。それに両手を翳すと放たれたミサイルをハッキングし制御権の全て奪っていく。

「誰も……傷付けさせないっ……行って!」

メガイラちゃんが手を翳し指示を出すとミサイルが全て反転し敵軍に帰って行き、大きく噴煙を巻き上げる。ただ無効化するのではなく、敵が放った凶器をそのまま敵の喉元へ突き返す。

お前達はこんな物を無垢な一般人に放ったのだぞと言わんばかりに。


私とアリア、ナギサさんが接近戦を仕掛けている時だった。


「ずいぶん派手にやるじゃないさ、メカニカルワルキューレ共」

「ラクシャシー……控えて。」


突如戦場に声が響く。


噴煙の中から2人の漆黒の悪魔が戦場に顕現した。


「……来たね。2人ともっ!!もう少し待ってて、必ず……助けるから!!」


私は剣を握りしめ2人を見据えた。

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