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メカニカルワルキューレ ─未来を取り戻す物語─  作者: ハムスターマン
第一章 プロメテウス編
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第17話 ダルク・グリード


「私も家族だと思ってる」

改めてそう告げた私に、アリアはヘッドロックをかましながら、涙を浮かべつつも笑顔だった。

ディアナさんは

「私達が戦闘で傷付いちゃったばっかりに優しい貴女を追い込ませちゃって、ごめんなさいね」と謝って来た

そんな事無い……私が身も心も弱いからあんな事になったんだ。


私は救えなかった親子を埋葬した。



敵製造拠点ではディアナさんと、輸送機で私達を迎えに来たキュベレさんがデータ収集を行なっていた。私はアリアに首を絞められたまま敵製造拠点に踏み入れた。


一階部分は私が破壊してしまい、既に焦げてしまっていたが、地下にはまだ未組み立てのパーツ等が鎮座していた。その中にはあの生体部品もあった。


私は思わず目をそらす。ここはプロメテウスの1製造拠点でしかない。しかも既に人は逃げている。つまり彼女達は無意味に改造され、無慈悲に捨てられたと言う事。


それを見たディアナさんは

「……おやすみなさい。どうか、安らかに…」

と言うとビームを発射し彼女達の苦痛を終わらせた。


端末を調べていたキュベレさんが

「……ログを見つけました。拠点の放棄命令を出したのは……『D・G』…プロメテウスの最高指揮官との事です。」


無線越しに『D・G』の名を聞いたハカセが、息を呑む。


『……ダルク。やはり、貴方がプロメテウスの』

ハカセの声が無線から聞こえる。


「ハカセ……ダルクとは?」

ディアナさんはハカセが零したダルクと言う人物について質問する


『ダルク・グリード、私と親友と並ぶ、天才科学者よ。』

『直接の面識は無いけど……ダルクは、技術の進化のためなら、人の命どころか、世界そのものを燃やし尽くすことを厭わない、そんな男……らしいわ。

彼は以前、人類史は戦争で栄えてきた。技術革新の80%は戦争から生まれ、戦争は人を更なる進化に導く。と著書に記していた。まさに今プロメテウスの行っている無差別テロと合致しているわ。』


その時、キュベレさんがハカセに向け告げる。

「ハカセ、ここに存在するメガミドライヴのデータ……これは、ハカセの所有していたデータで間違いありません。敵はハカセのデータを盗んだと言う事。」

『やはりね……名前に恥じず、最低な組織ね。』


ダルクの理論を聞いたリリィの脳裏に、あの日自分の家を焼き、家族を奪った「地獄」の光景が重なる。

「……あの日、私の街を襲ったのは、進化のためだったっていうんですか……?」

その問いは、震えながらも今までで最も深い怒りを宿していた。


「いえ、どうやらあの時リリィの街を襲ったのは魔力結晶と適合しうる少女の回収が目的だったようです。今現在のプロメテウスの活動理念は、先の人類を更なる進化に導くと言う事と、そのために魔力結晶を有効活用するに変わっている様です」キュベレさんはデータを解析しながら言う


その時

キュベレさんが操作していた端末にメッセージが届く。

「…ハカセ。ただいまメッセージを受信しました。差出人は、ダルク・グリード」


その場に居る全員に緊張が走る。

つまり敵…ダルクは施設が破壊されるのも端末が解析されるのも全て把握していたと言う事を告げていた。


『はじめまして。メカニカルワルキューレ。幾度も私の計画に強力頂き感謝している。』

端末から流れるのは明らかな合成音声。


『リリィ君。君がこれほどまでに魔力結晶と高い親和性を見せるとは。あの日、あの街で君を選んだ私の眼力に狂いはなかった。あの時採取出来なかったのが悔やまれる。』


あの時プロメテウスの大型機動兵器が私に腕を伸ばしたのは偶然じゃなかった……私は顔を顰める。気持ちの悪い賞賛に吐き気すら覚えた。


『……そしてベル、君の“倫理”も悪くないが、科学者として少し"不純物"が多すぎる。

君は開発データの中に戦争を無くすための抑止力と書いていたね。

戦争をなくす? 馬鹿な。

戦争が止まった文明は、腐って死ぬ。

競争も淘汰もない生物は進化しない。

だから私は、止まった時計を進めているんだ。


倫理とは、進化の前に貼られた安全装置にすぎない。 成長する生物は殻を破る。

人類が殻を破る時、必ず血が流れる。 それを“悲劇”と呼ぶか、“誕生”と呼ぶかだよ、ベル。


私の理論なら、より高性能な兵器を製造出来る。

君が考えたメガミドライヴとサイサ君の設計したメカニカルワルキューレと言う現在最強の兵器を超えた、ね。


そんな君と亡きサイサ君に敬意を示し私のプロジェクト名をプロジェクト・サイサとしたんだ。』


ベル?…ベルって誰のこと?サイサって誰?


『……サイサ君の死は実に惜しかった。私ならあの才能をもっと効率的に使えたのに。』


そこまで聞いて無線越しのハカセは怒号をあげた。

『貴様がっ……サイサをっ!!語るな!!!!』


「ハカセ、こちらは録音されたメッセージの為、応答はございません。」キュベレさんはハカセに事実を淡々と告げる。


『それではメカニカルワルキューレ、共に競い合い、人類をより進化させよう。』

と言ってメッセージは終了した。


無線の向こうで、ハカセの荒い呼吸だけが聞こえる。

やがて、絞り出すような声で『……そうね。悪かったわ。……全員、速やかに帰還しなさい。』

ハカセは今まで以上に震える右手を必死に左手で抑えていた。



まだ私をヘッドロックしたままの、アリアの腕に力がこもる。ギチギチと首が絞まってきて、流石に意識が朦朧としたので必死にアリアの腕を叩いた。


──ダルク…プロメテウスのトップにしてハカセ並の天才…


これからの戦いがより熾烈になる予感を皆が感じていた。

ダルクの脳内声優さんは勝手に諏訪部順一さんになってました

励みになりますので面白いと思って頂けましたら評価お願いします!

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