表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Village making  作者: 夕貴
PR
6/6

街へ

汗をふく。

朝の森の朝露を含んだ清らかな空気が、体の隅々まで染みわたっている気がする。

こんなに清々しい朝なんて初めてな気がする。



今日は10時頃に街に出るということで、朝の空いている時間を利用して森に採取に行ったのだ。

知識があって採取に行くのと、無くて行くのでは全然効率が違った。あっという間に小さな採取用の籠がいっぱいになってしまった。


見つかったのは

薬草 8株

とげひら茸 3本

アシュの実 4個

ハザの実 5個

忌避草 3株


そして採取で探索しているときに、森の北東の山ぎわに大きめの洞窟を発見した。奥には黒光りしているような岩がゴロゴロしていた。時間が足りないのと、暗闇で今日は探索はできなかったが、いつか装備を整えて探索してみたいと思う。



洞窟を見つけたあとは宿屋に直行して、色々と買い取って貰った。


とげひら茸 3本×60G=180G

アシュの実 4個×80G=320G

ハザの実 5個×50=250G

計750G


昨日の今日で取ってきてくれるなんてと、ミリーさんが大喜びでこちらも嬉しくなった。



残りの薬草や忌避草は、ストレアルと一緒に街の魔道具屋に売ってみようと思う。ばあちゃんが必要な分はもう十分にあるみたいだし、それに街の方が若干だが高く買い取ってくれるらしい。



体を拭いて着替えた最後に、グローブをはめる。少し馴染んだと感じながら、村の門へ歩き始めた。





◇◇◇◇◇



-セラトン・西の街道-


当たらなかった短剣が空を切る。


しまった!


勢いで転げそうになりながらも、体を捻って敵を見据える。

中型犬大のラットはもうすでに襲いかからんとばかりに、跳躍していた。



「うわっ!」



とっさに短剣を突き出す。


僅かな血飛沫が上がった。


ラットの右前脚が赤く染まってる。


こちらも服の肩辺りが綺麗に切れている。



今のは危なかった。

もう少し冷静に。冷静に。

どうやら、ラットの傷は少しはダメージになったみたいだ。

右半身が僅かに下がってる。



「カイ坊!今だ叩き込め!!」



ダムおじさんの声に頷きながら、踏み込む。


ラットが牙を剥いた。



ギャッ



痛みで一瞬遅れたラットの噛みつきを阻止するように、脳天に短刀を突き刺した。






「カイ坊、最後の踏み込み良かったぞ!!」



おじさんにどつかれるように、背中を叩かれてる。

ちょっと痛い。



「まだ、肉体強化したスピードについていけてないがな!!」



何だか胸も痛い。



「だが、さすがストレング値1なだけあるな!ラットの攻撃が当たったくらいじゃかすり傷にもなってないな!」



「ちょっと痛かったけどね。」



「だが、ラットの攻撃なんかくらうようじゃ、すぐ死んじまうからな!引続き特訓だー!!」



今俺は、街へ行く道すがら、訓練をさせてもらってる。

この短刀は父さんの予備の短剣。

村から離れて10分後、おじさんの"もう村を離れたからいいだろう!"の一言で始まったストレングでの肉体強化の訓練。

ストレングを身体の表面に放出することで、肉体の能力全体をあげる。防御力、力、スピード全てが上昇する。


おじさんの"全身にストレングを滲み出せー滲み出せー"の声がまだ耳に残っているようだ。なんか、夢に出てきそう。

この体が軽くなったような、フワッとした感覚も漸く慣れてきた。ただし、戦闘となるとまだ慣れない。

いつもより早く動きすぎて、つい勢い余ってしまう。

おじさんの言う通り要特訓だ。



深緑のグローブを嵌めて、絶命したラットの額からストレアルを回収する。この深緑のグローブは村の共有財産。主に護衛役の二人が使ってるものだ。もちろん、二人で共有だが保管袋もあるようだ。



ロナルド兄ちゃんの保管袋の中には、これで3つのストレアルが貯まった。



「カイ、お疲れ様。」



「お疲れさまー」



少し離れた荷馬車から、父さん達が声をかけてくれた。

荷馬車の荷台にはばあちゃんと、ナタリー姉ちゃんが。馬が引く部分には父さんがいる。

うちの村には馬がいないのだ。除去師がいないから、ストレアルを除去できないので家畜は簡単には飼えない。



「お待たせ!じゃあ、父さん代わるよ。」



そう。これも訓練。肉体強化をしながら馬車を引く。

何でもこの荷馬車引きは、肉体強化の特訓にはもってこいらしい。強化しながら、引きすぎず進む事が感覚を養うとか何とか。

おじさんに良いように使われている気がしないでもないけれど。



「カイくん、ありがとう。」



ナタリー姉ちゃんが荷台の上から声をかけてくれた。

姉ちゃんは村長のレイトンさん、ニナさんの一人娘の25歳。そしてばあちゃんと同じ、グリーンサークレット。それ故に、村の外にも一人で行けず、体力もないことから無職だ。



「どういたしまして。乗り心地はどう?」



「もちろん、とってもいいわ!」



ばあちゃんがうんうんと頷いている。



「ダムが引くと揺れるからね。カイが引くとゆったり乗れるのよ。」



「カレンさん!酷いじゃないですか!いつも心を込めて引いてるのに!!」



ダムおじさんがワナワナしてる。



とりあえず、放っておいて進もう。



この街道は西のセラトンの街と東の港があるヘイスターの街を結ぶ街道だ。その途中に村が位置している。


ヘイスターの街は港を有しており、漁業と貿易が盛んだ。それ故、魔道具の輸入も盛んで発展が進んでいる。

ヘイスター周辺で採れる忌避草はブルーイランという青い花。それから作られる建材も青く、街は青で溢れてるという。セラトンの街緑の街に対して青の街とも呼ばれている。


対するセラトンは湖に面しており、学問と農業が盛んで、食べ物が安い。また、除去師育成学校もあり、除去師を沢山有しているので、ストレアルの生産が多いのが特徴だ。


村はヘイスターから徒歩で3時間。セラトンからは2時間の距離に位置している。

基本的にはうちの村から、ヘイスターに行くのは稀なようだ。食料の買い出しや、除去はセラトンの方が利便性がいい。魚も、森の川での釣りが副業になってるニルスさんが獲ってきてくれる。大工の方が最早副業なのではというくらいだ。


隕石の衝突以降、村や街の行き来は余程の腕に自信があるものか、護衛を雇ってでないと危険になってしまった。うちの村では、3日に一度、セラトンに定期便のように護衛役が連れていってくれる決まりになっている。



「しかしカイ、僅かな時間なのに肉体強化上手くなったな。もう一息だと思うぞ。頑張れ。」



「父さん、ありがとう。」



「ジル!息子と言えど、甘いぞ!魔物との戦いは気を抜くと死ぬからな!肉体強化は訓練に訓練を重ねなければならない!まだまだだ!!」



「確かに。そうだな。」



「でも、カイくん本当にすごいわよね。一日でこんなに使いこなすなんて!私も学校で習ったけど結局使えるようにならなかったわ。」



「ナタリー!せっかく気を引き締めたところなのだぞ!」



「ストレング値が高いと自由に使えるストレングが多いからやりやすいようね。そうとは言え、カイの上達は早いわ。」



「カレンさんまで!!」



ワナワナしてる。



うん。

進もう。






街に着く最後に、父さんと引き手を交代した頃。



突如けたたましい鳥の鳴き声が響き渡った!



「まずい!ロックバードだ!!あいつの咆哮はストリングの放出だ!ナタリー達に絶対近づけるな!!二人は薬を!」



父さんの緊迫した声が響くと共に、暴風が巻き上がる。2メートルはあろうかという大鳥が飛来した。



「きゃあ!!」



飛来した勢いのまま、荷馬車に襲いかかる。



荷馬車のバランスが崩れる。

ばあちゃんとナタリー姉ちゃんが投げ出された。



それの盾になるように父さんと並んで短剣を構える。



ロックバードが滞空した。おじさんのジャンプ攻撃。



「ちくしょう!硬い!!」



刃は全く通っていない。



「ダム、尾の裏を狙え!」



「おうよ!」



着地して直ぐ様、跳躍し切り上げた。



ひらりとかわされている。



習うように、俺も駆け、飛ぶ。

突き上げた短剣はかわされた。

想定内。

落ちる勢いのまま、全身の体重をのせて切り下ろす!



ギャ!!



ロックバードが落下する。



待ってたかのようにおじさんがそれを切り上げる。



吹き飛ばされたロックバード。

再び飛び始める前に切りつけたが、かわされた。



二人の攻撃は怒りを買うには十分だったようだ。ロックバードの空気を切り裂くような声。



格段に上がったスピードで父さんに襲いかかる。

剣を構える暇もない。

脚が父さんの顔を切りつけようと伸びた。

すれすれをバックステップで避けている。



当たらないのを諦めたのか、こちらの弱点を認識しているのか、ロックバードが向きを変えた。



その方向にはナタリー姉ちゃん。そしてそれを庇っているばあちゃん。



今にも咆哮をしようと、滞空しながら反り返り始めた。



それはダメだ。

ダメだ。

ダメだ。



焦るように手にストレングを集める。



ロックバードの口にはすでにストレングが塊となって渦巻いている。



焦りと勢いに任せ、ストレングを放つ!



突如手元で爆発が起きたかのように、俺はふっ飛んだ。

くそっ暴発だ。



飛んでる最中、ロックバードの口から塊が放たれたのが見えた。



ああ。

ダメだ。



塊がばあちゃんに当たってしまう。

やめてくれ。



塊はばあちゃんの腕をかすめて草原をえぐった。



ばあちゃんの悲鳴とも呻きとも聞こえる声が、聞こえる。



ダメだ。

ダメだ。

やめてくれ。



頭を押さえてうずくまるばあちゃんの頭から、グリーンサークレットが落ちた。





・・・・・・・・・・

アズ村


【建築物】

木造住宅 6件

木の門と木の塀

小さな農園

壊れた畜舎

小さな宿屋

広場

訓練所

岩のモニュメント


【住人】

人数 15人


【来客】

+3人




・・・・・・・・・・

カイ


【アイテム】

金のサークレット

布の服

革のグローブ

革のブーツ

採取用の籠

魔術の基本


植物のストレアル 1個

ラットのストレアル 2個 NEW!!

薬草 8株 NEW!!

忌避草 3株 NEW!!



【習得】

ストレングの放出

肉体強化 NEW!!


採取(西の森)

採取の知識(西の森)

採取(森の洞窟)NEW!!


【所持金】

1990G UP!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ