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第八十八話・レンヤ対Aランクパーティ


ホントこいつらって、つくづく残念なイケメンと残念な美女だよな......。


プレシアと会話をしている最中も、未だに見下した目でこっちを

ジロっと睨んでくるイケメン達を、俺は半ば呆れた表情で見る。


「あぁあん?なんだ、おっさん、その目付きと態度は?もしかして俺らと

やり合おうってのか?くくく。やめとけ、やめとけ!いくら頑張ったとて

所詮はただの年寄りの冷や水。恥をかいて惨めを晒すだけだぜ♪」


自分を見てくるレンヤの目線に、ランスの表情と目の色が苛立ちへと

変わっていくと、Aランク冒険者らしからぬ言動を発し、ニヤニヤと

下卑た笑みをこぼして、レンヤの事を挑発してくる。


ハァ...もういい。


正直こいつらに大人の対応でペコペコするのも、いい加減ストレスが

溜って限界だ......


プレシアからの言質も取れた事だし、面倒くさいけど......やっちゃうか?


俺は頭をポリポリと掻いて嘆息を軽く吐くと、話の噛み合わないランス達に

これ以上付き合っていられるかと、手を剣において身を構える。


「おや、おじさん?何やら身構えていますが、もしかしてわたくし達と戦う

おつもりなのですか?戦いとなりましたら、わたくし達、一切の手加減なんて

できませんよ、いいんですか?ねぇ、ネージュさん♪」


レンヤの戦闘体勢を見たアンナリッタが、手を口元にソッと持っていくと、

お嬢様笑いを浮かべて小馬鹿にする。


「ああ、アンナリッタの言う通りだぜ。あたい達の攻撃を一発でも食らっち

まったら確実に死んじゃうんだぜ、おっちゃん。だからよ、ここは意固地に

ならず、素直に謝罪しておけって!ほれ、ほれ♪」


そして魔法使いの格好をした人物...ネージュが首を掻っ切るポーズを取り、

土下座をしろよと言わんばかりに、足を地面にタンタンと叩きつける。


「はいはい。くだらん能書きとご託はもういいから、さっさとかかってこい、

悪ガキ共。みんなまとめて相手してやるからよっ!」


俺は三人の冷静さを失わせる為、わざとらしい見下し目線でジロッと睨んで

黒い笑みを浮かべると、右手を前にスッと突き出し、手のひらをコイコイと

手招きして相手を挑発する。


「な、なんだその態度はぁあっ!人が下手(したて)に出ていればいい気に

なりやがってぇぇえっ!このクソジジイがぁぁあっ!もう絶っ対に許して

やらないからなぁぁあっ!おいアンナ、サポート魔法をよこせっ!ネージュ!

お前は右を攻めろ!俺は左から攻撃するっ!」


レンヤの安い挑発にあっさりと乗ってしまったランスは、苛立ちを隠しきれず、

怒りを露にしながら、仲間の二人に作戦の指示をかける。


「わかりましたわ、ランス!この身の程を弁えないおじさんには、少々...いえ、

死ぬくらいに痛いお灸をすえてあげないといけませんねぇ!」


アンナリッタも同じくレンヤの挑発に苛立ちを見せながら、ランスとネージュと

呼ばれた魔法使いに、補助魔法をかける為に魔法の詠唱に入る。


「ふふふ。覚悟しなよ、おっちゃん!今直ぐ、その不細工な顔をボコボコに

して、徹底的に謝らせてやるからなっ!」


そしてネージュがニヤリと口角を上げると、右の拳と左の拳をバンバンと

叩き合わせ、大きな音を打ち鳴らす。


「行くぞ、ネージュ!」


「おう!タアアァァァア―――ッ!」


ランスが攻撃開始の合図をネージュに送ると、レンヤに向かって先程の

指示通りにランスが左、ネージュが右から突撃してくる!


「行きますわよ、二人とも!ハァァアァッ!」


『加速せよ!スピード・ブースタァアアァッ!』


そしてアンナリッタが魔法を詠唱し終え、素早さを底上げする補助魔法...

スピード・ブースターを発動させ、ランスとネージュの素早さを一気に

アップさせる!


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