第四十八話・受付嬢を選ぶ
「いや~!どの受付嬢も綺麗&可愛いなぁ~っ!」
俺はどこに並ぼうかと、目線に受付嬢達を次々と映していく。
「......おっ!ナイスバディ発見っ!!」
あ、でもあのナイスバディな受付嬢の所に、いっぱい行列ができて
いるな?
あのナイスバディな受付嬢から、ギルドの登録やギルドの説明を色々と
聞きたかったけど、でもあの列の長さじゃ、たどり着いた頃には、
すっかり日が暮れていそうだ。
ハア~残念。
じゃあ、隣の可愛い受付嬢はどう―――
うん、こっちも駄目だな。
あの可愛い子ちゃんのファンらしき連中が、回りに屯っていらっしゃる。
もしおっさんの俺があそこに行こうものなら、確実に絡まれる。
じゃ、あっちの受付嬢は......あ、目を反らしやがった!
くそ!隣の受付嬢もかいっ!
お、己~!
俺がおっさんだからか!おっさんだからなのかぁぁあっ!
...って、ルコールさん!そんなにケラケラ笑うんじゃありませんっ!
ぐぬぬぬ!
ったく...もういい!
こんな所でチンタラやっていたら、無駄な時間が過ぎていくだけだ。
無視されようが、目を反らされようがもう構うもんかっ!
よし!
あの受付嬢に...決めたっ!
俺はパッと目についた受付嬢で登録すると決めると、そこへ向かって
ズカズカと早足で移動していく。
そして、
「あ、あの~すいません、ギルドの登録をしたいんですけど?」
その受付嬢にそう述べた後、さっき記入したギルド登録書を手渡す。
「はう!わ、わ、わたしですか!?」
「え、ええ...あなたも受付嬢...ですよね?」
「は、はいぃぃいっ!そ、そうです!わ、わたしも受付孃ですっ!」
うわ...何だ、このキョドり様は?
ひょっとして俺が来たからなのか!?
「あはは...俺みたいなおっさんが相手じゃ嫌かもしれないけどさ。
でもお仕事と思ってよろしくお願いしますね、受付のお嬢さん!」
「はひゃ!ち、ちち、違うんです、い、嫌とかではないんですっ!
む、寧ろ逆です!わたしみたいな受付嬢でもいいのかと思いましてっ!」
俺はさっさと登録を済ませたいので、大人の対応で話を進めていこうと
すると、
受付嬢があわあわと慌てふためきつつ、両手を前に突き出し、首を左右に
大きく振りながら、俺の言葉を否定してくる。
そんな受付嬢の態度を見て「...ん?わたしみたいな?」とハテナ顔を
していると、
「あ、もしかして知らないですか?最初にギルド登録を担当した受付嬢が
その後も余程の事がない限り、変更なくその冒険者様のサポートをすると
いう決まりなのを?」
「え?俺のサポートを?」
「は、はい!で、ですから、わたしがあなたの担当で本当に良いのかと
思いまして......」
受付嬢が両の人差し指をチョンチョンと合わせながら、俺の素朴な問いに
答えてくる。
「えっと、ひとつ質問してもいいですか?そのサポートっていうのは、
一体何なんですか?」
「あ、サポートですか?サポートというのは......そうですね。それでは
冒険者さんにも分かりやすいよう、わたし達『受付嬢システム』の事を
イチからお教えしますねっ!」
俺の質問に対し、受付嬢がコホンと息を吐き、気持ちを切り替えると、
受付嬢システムの説明をする為に口を開く。




