表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/288

第四話・おっさん、鍵を閉められる


うわぁ...さっきから露骨に蔑んだ目線を俺にぶつけてくるとは思って

いたけどさ...


こいつら...俺に対しては、いっさい社交辞令をする気もないのな...。


兵士達の俺に対する応対と、少年や少女達に対する対応のあまりの違いに

俺は呆れ果ててしまい、最早ニガ笑いも浮かんでこなかった。


「言いたい事はわかった。俺に不満があるんだったら、俺をさっさと元の世界へ

帰してくれよ。それでまた新たに勇者を呼べば良いだけの話だろう?」


そいつらの態度に、少し...イヤ、かなり苛立っていた俺は、ワザとらしく嫌味を

含んだ口調で会話を続ける。


「ふん、何も知らない無知なおっさんは黙ってろ!大体、それができればこっちも

苦労せんわ!いいか、勇者召喚には相当な魔法量が必要なんだ!」


「その魔力を貯めるに最低でも、一年間は必要なんだよ!」


「それなのに...よりにもよって、こんなどこの馬の骨とも知れぬ親父が召喚されて

しまうとは...なんと嘆かわしい事態なのだ...ハァ!」


最早、おくびも悪びれもせず、兵士達や神官達が俺への不満や愚痴を、次々と

こぼし続けてくる。



お、おのれ...こいつら......


た、確かにさ、俺っておっさんだけど、そこまで言わなくともいいじゃないか。


それとも何か、この世界の俺くらいの年の奴って、全く役に立たない輩ばかりで、

馬鹿にされてしまう対象なのか!?


「何故貴方の様なおじ...コホン、御方が召喚されてしまったのか、それは後に

するとしておきましょう。そ、それよりも勇者様!この召喚の間の隣の部屋に

鑑定師を呼んでいますので、その部屋にて勇者様達の能力やスキルを測らせて

下さいませんか?」


「え?オレ達の能力とスキルを測る...ですか?」


「はい!それを見て、今後の勇者様達の今後の戦い方を決めていくプログラムを

組もうと思いまして!」


リコット王女がニコッと微笑みを見せながら、黒髪の少年にそう述べる。


「ここまできて断る理由がありませんし...オレは別に構いませんよ」


「右に同じ!」


「左に...同じ...」


黒髪の少年の迷いのない肯定な言葉に筆頭に、芽々と久美もいいよと

賛成してくる。

 

「あ、ありがとうございます勇者様!そ、それでは、こちらのドアから

入れますので、どうぞお入り下さいませ!」


リコット王女が装飾の綺麗なドアをガチャリと開けると、勇者達に

手を招いてくる。


「あたしのスキルか...あたしってば、一体どんなスキルを持っているん

だろう~?楽しみだな~♪」


「ん...それはボクも気になる...ぞ...」


芽々がルンルンと鼻唄を聞かせながら、久美は意外に興味津々といった

表情をしながら、リコット王女の指示したドアを開けて中に入って行く。


「よ、よし...オレも行くか......」


芽々や久美に続けと、黒髪の少年がドキドキしながら、リコット王女達の

入ったドアを開けて中へと入って行く。


「そ、それじゃ...お、俺も......」


バタンッ!ガチャンッ!!


俺も少年、少女達に続けと言わんばかりに早足で隣の部屋のドア前に

移動して中に入ろうとした瞬間、兵士がドアの前に立ち塞がる...


そして、ドアの鍵をガッチリと閉める音が聞こえてきた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 変な所で改行されていて読みづらい たったの一年間魔法力を貯めるだけで勇者召喚出来る様になるとかどうなの? 勇者呼び放題じゃんwもう少し期間考えたら?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ