第二十九話・助けた御褒美を貰いに!
「さぁ、さぁ!よそ見をしている暇はないよ、盗賊さん達♪次の攻撃が
ジャンジャン行くから、躱せるなら上手く躱すんだよぉ~♪」
『この下賎なるモノを全て食らい込め!ドラゴン・ファングゥゥゥッ!』
ルコールが両腕を前に突き出して技名を叫ぶと、両手からドラゴンの形をした
無数のオーラの塊が、盗賊達を次々とロックオンして飛び出して行く!
「ななな、なんだ!あ、あの竜のオーラみたいなものはっ!?」
「こ、ここ、こっちに向かって飛んでくるぞぉぉぉおっ!?」
「な、なんだよこれ!右に逃げても左に逃げても、俺を追いかけて
来やがるっ!?」
「や、やめろぉぉお!く、来るなぁぁぁお!来るんじゃねぇぇえぇっ!?
「ひぃぃぃいぃ!お、お助けをぉぉぉおぉぉおっ!?」
「「「「「ヴロバギャアアァァアァァ―――――――ッ!!!」」」」」
ロックオンしたドラゴンのオーラが盗賊達を食らう様に噛みついた瞬時!
轟音唸る爆音を放ち、盗賊全てを爆散する!
「お♪いい感じのドロップアイテムを落としたぞ、今の盗賊達♪うむうむ...
【鋼の斧×2】に【ポーション×2】そして【MPポーション】か!選択は勿論、
『はい』に決まっているだろう.....っと♪」
俺は目の前の現れているボードに表示されている選択肢の『はい』と『いいえ』の
『はい』をタッチして、今の倒した盗賊達のドロップアイテムをゲットした。
「ひい、ふう、みい...。うむ、盗賊の数も後これだけか。んじゃ、残りの奴も
ちゃちゃっと片付けようか、ルコールッ!」
「あいよ♪」
周囲を見渡し、残りの盗賊の数を数え終わると、再び俺とルコールは戦闘
態勢へと入る。
それから俺達は、残りの盗賊達を容赦もなく、慈悲もなく、徹底的に
ボコボコにしていく。
そして......
「ふう、この盗賊でどうやら最後みたいだな?」
最後の盗賊が地面に転がって絶命しているのを確認すると、汚れのついた
手のひらをパンパンと叩く。
「後は...」
襲ってきた盗賊連中は無事に全員退治したって事を、あの馬車の中に
乗っている人達へ伝えに行き、安心させるとしますかね!
くふふ♪
さてはて、美人さんと可愛い娘ちゃんは、一体どのようなお姿をして
いらっしゃるのかな~♪
助けた御褒美に「ありがとうございます!」って、両方のほっぺに
チューって、してくれると嬉しいなぁ~♪
ハッ!?
イヤ、待てよ......!?
この窮地のピンチの中、颯爽と助けに来たんだ。
こ、これはもしかすると、口と口......いけるかもっ!?
俺はそのもしもの可能性を考えると、期待と希望で胸が膨らみ、ニヤニヤが
止まる事がなかった。




