表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/288

第二十二話・ドラゴンの目


そっか...やっぱりこの世界にも盗賊がいるのか。


「あ。それじゃ、リタイの町へ向かう途中で盗賊そいつらと出くわす可能性も

あるって事か?」


「そだねぇ。あ、因みにこのままリタイの町へと歩いて進んだら、確実に

盗賊達と鉢合わせになっちゃうかな?」


「――へ!?」


ルコールがリタイの町へ向かう道先をジィィーと見つめると、露骨に嫌な

顔をして首を左右に振り、この道の先に盗賊がいる事を俺に伝えてくる。


「は、鉢合わせって......ま、まさか盗賊達が、この先で活動しているのか?」


「うん。この道をずっと進んだ先で、盗賊の連中が誰かの馬車を襲って

キャッホーをしているみたいだよ♪」


ルコールが道の先を指で差して、俺に盗賊出現中のお知らせを伝えてくる。


「ほ、本当にこの先に盗賊がいるのか?俺には全く何も見えないんだけど?」


俺はルコールの言う先を、凝視してジィィーッ見つめるものの、その瞳には

盗賊の盗の字も映り込んではこなかった。


「ハァ、馬鹿だねぇ~レンヤは♪盗賊がいるのは、大体ここから数キロ

離れた場所だよ。普通に見たって見えるわけがないじゃんか♪」


バカな事を述べる子どもを見るかのように、ルコールがケラケラと笑う。


「な!?み、見えるわけないって...じゃあ、お前にも見えていないって

事じゃんか、嗚呼、もしかして俺をからかったのかっ!?」


俺はケラケラ笑うルコールを見て、騙されたと言わんばかりにプンプン怒る。


「イヤ、あたしはハッキリと見えているよ?だって、ドラゴンの目は

数キロ先もクリアに見通す事ができるんだからねぇ♪」


あ、そうだった...


こいつってば、こんな見た目をしているけど、元々は強面なドラゴンさん

だったわっ!


あれだけ恐怖し、恐れ戦いたドラゴンだったというのに、おっさんの

記憶力って、ホントど忘れて多くてさ、何か哀しくなってくるなぁ。


何かの作業中にさ、後からやろうと思っていた事を途中でスッカリと忘れ、

数時間後にふと思い出す事の多い事、多い事。


何なんだろうね、この記憶の薄さはさ。


ホント、まさに鶏の如し!


いや...鶏の方が頭がいいかも。


あまりにも自分の頭の出来の悪さに呆れ変えてしまう俺は、思いっきり

モチベーションを落とすのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ