第二十話・リタイの町へ向かおう!
疲れ果てていた体力を何とか回復させた俺は、やっとの思いで地上に脱出する事ができた。
「おお! 海の様に広がる青い空に、草色広がる美しい平原たちよっ! 我が眼におかえりなさいぃぃぃいっ!!」
ずっと走って来たせいでランナーズハイになっているのか、俺のテンションが少しおかしな事になっていて異様に地上の風景が懐かしく思えてしまう。
「な、なに、あの無駄に大きい感動リアクションは!? た、確かレンヤって、ダンジョン内には半日も滞在していなかったよね.....??」
必要以上に感動しまくっている俺を見て、ルコールが若干引き気味でニガ笑いを浮かべていた。
うるせいやい!
こんなテンションなのは、大体がお前のせいだろうがっ!
お前に恐怖した心の疲れとか、
お前の走るスピードで、ずっと走らされたとかなぁっ!
「あ、そうそう。聞きそびれていたんだけど、レンヤは町に行った後、何をする予定あるの?」
そんな俺の愚痴や文句など知らんと、ルコールが俺の今後の予定を聞いてくる。
「町に行った後...? う~ん、そうだな......」
元々俺がこの世界にやってきた理由って、
打倒! 魔王っ!!
...が、目的だったみたいだけど、
「あんな扱いを受けたんじゃ、それに従う義理は全くないしなぁ......」
じゃあ、俺が帰れる魔法力が溜まるまで町へ待機するか?
あ...それはほぼ絶望的になったんだった。
何せ、あの部屋にいる兵士や神官...加えては、脱出する途中で出くわした連中という連中を全てボコボコに叩き潰してしまったからな。
それなのに、どの面をさげてあの城へ戻れるっていうんだよ。
「特に何もやる事がないんだったらさ、冒険ギルドに行って冒険者の登録でもしてみたら?」
俺が今後の事で頭を悩ませていると、ルコールが助け船を出してくる。
「ぼ、冒険ギルド...? 冒険者の登録...??」
おおぉぉっ!
やっぱりあるんだ、ギルド&冒険者っ!!
「自分の強さをアピールしたり、名声を上げたりは勿論の事、お金を手っ取り早く稼ぐ事に関しても冒険者っていう職業はうってつけの所だから、レンヤみたいな奴は取り敢えず冒険者になっておくのが、一番セオリーな行動だとあたしは思うよ♪」
強さや名声は別にどうでもいいけど、でも生きていく為にはお金は稼がなきゃいけないよな。
マジックボックスの中に放り込んである、あの城の兵士や神官達から剥ぎ取った鎧やローブに、あの部屋の壁に飾ってあった数々の宝玉。
これらのアイテムを売ってお金に替えれば良いんだろうけど、でも多分この付近の町じゃ絶対に売るのは無理だろうし。
それにせっかくファンタジーな世界に来れたんだ。
だったら郷に入っては郷に従い、それを楽しむっていうのも一興だよな?
そうなってくると、ルコールの言う冒険者になるっていう選択肢は至極当然な行動だな!
「......わかったよ、ルコール。お前の言う様にそのアイデアで行くとするよ!」
「おお♪ 冒険者になる事を決めたんだね! んじゃ早速、レンヤの冒険者登録をするべく改めてリタイの町にレッツゴーしようか~♪」
「おう!」
こうして今後の予定を決めた俺は、ルコールと一緒にリタイの町に向かって歩いて行く。




