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第二話・勇者の称号


「あ、あの~リコット王女様。何故その【勇者】の称号があるから、

大丈夫なのでしょうか?」


自信満々のリコット王女に、黒髪の少年が恐る恐るその理由を聞いてみる。


「勇者の称号...これを持つ者は、LVアップ時に増えるステータス上昇数値が

通常の上昇数値と比べて10倍近く上昇し、更に他の職業では決して習得する事が

出来ない、強力な魔法や技を習得する事ができるんですよ!」


リコット王女が身振り手振りで、懸命に勇者の称号の説明を詳しくしてくる。


「へ、へぇ...LVアップステータスが通常の10倍ですか、それは凄いですね...」


リコット王女の伝える、勇者の称号の効果の凄さに、黒髪の少年が小さく頷いて

感心している。


「ねぇ、聞いた、聞いた!あたし達にしかさ、覚えられない強力な魔法や技が

あるんだってっ!」


ポニーテールの少女が、横にいる小柄な身丈の少女の肩をパンパンと叩いて、

興奮を隠せないでいる。


「あ...そう言えば、まだキミの名前を聞いてなかったね?名前...聞いちゃっても

いいかな?」


「ん...ボクの名前...?ボクの名前は『雨咲久美(あめさきくみ)』」


ポニーテールの少女の悪びれない問いに嫌な顔も見せず、小柄な身丈の少女...

雨咲久美が自己紹介をしてくる。


「久美ちゃんかぁ!いい名前だね!あたしの名前は『大野芽(おおのめめ)々』って言うんだ、

よろしくね、久美ちゃん!』


「ん...」


ポニーテールの少女...大野芽々が久美に向けて、お日様笑顔でサムズアップを

ビシッと決めるものの、久美に気のない返事を返される。


「うわぁ...久美ちゃんって、ノリが悪いね...もうちょっと砕けて、砕けてぇ♪」


能面表情の久美に、芽々が自分の口角を人差し指でクイッと引っ張って、満面の

笑顔を作って見せる。


「ほら、ほら!久美ちゃんも笑って、笑って♪」


「や...。面倒くさい...」


しかし久美はそれを否定するかの様に、プイッと首を横に振って目線をずらす。


「リコット王女様。先程述べられた勇者の称号の恩恵以外に、オレら勇者の

職業でしか習得出来ない特殊なスキルって、あるんですか?」


漫才をやっている少女二人をよそに、黒髪の少年が勇者に他のスキルはないのかと

リコット王女へ聞いてくる。


「勿論、ありますよ。勇者様の職業専用のスキル...属性や異常耐性を無効化、

勇者様しか装備できない伝説の武器や防具...それから、そうそう!アイテムの

使用効果が2倍っていうのもありますね!」


黒髪の少年の問いに、リコット王女が追加の勇者情報を次々と伝えていく。


「属性、異常耐性の無効化か。それは是非覚えたいスキルだな!そのスキルを

覚えるかどうかで、戦闘での命の危険度が激減するだろうし!」


「あたしはあたし達にしか装備できないっていう伝説の武器装備化のスキルを

マスターしたいな!やっぱ勇者なんだから、専用を装備したいじゃん!」


黒髪の少年や芽々が、勇者の特別スキルの事で、その瞳をキラキラと輝かせて

いる。


「ボクはアイテムの効果...2倍...これは中々、いい...スキル!」


「ん?何々、久美ちゃんはその勇者スキルが気にいったのかな?」


久美の呟きを聞き、芽々が興味津々の入り混じった顔で久美へ近づいてくる。


「気にいったとか...気にいっていないとではない...。この恩恵があるとないとじゃ、

そこの男の言う...これからの戦いが全く違ってくる...と言うか...そろそろ離して

ほしいのだが......」


先程、久美に近づいた芽々が、後ろからギュッと久美を抱き締め、頭をよしよしと

撫でている。


「以上で、勇者の受ける恩恵を、大体お話しましたが...何か質問はありますか?」


リコット王女が勇者達にニコッと微笑んで笑顔を見せると、他に聞きたい事は

ないかと、問うてくる。


「詳しい説明のご鞭撻の程、ありがとうございます、リコット王女様!

オレからはもう、勇者へ関する質問はございません!」


「あたしもない...かな?久美ちゃんはどう?」


「ボクもない...」


リコット王女の問いに、勇者一堂がそれぞれ返事を返す。


そして、俺もそのリコット王女の問いに対し、静かに首を縦に振って返事を

返す。


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