第十四話・ドラゴン少女
「エヘヘ...で、どうかなこの姿♪ これなら大きさの問題はクリア出来ていると思うんだけど♪」
少女に変身したドラゴンがくるりと回って、この姿なら大丈夫だろうとレンヤに見せつける。
「.........」
「ど、どうしたのよ? そんな小難しい顔をしてさ?」
「ふ。まず、ひとつだけ言わせてくれ......」
レンヤは人差し指で額をちょんちょんと叩き、目を細める。
そして目を大きくカッと見開くと、
「なんでドラゴンが女の子の姿に変わちゃうんだよっ!? それに性格も印象も何かさっきと全く違っているよね、キミッ!?」
叫声を荒らげながら目の前で起きている奇妙で不思議な展開に喫驚してしまう。
「はぁ? そんな事を言われてもなぁ~。あたしってば最初から女だし。それに性格は元々こんな感じだよ!」
俺の放つ素朴な疑問に対し、ドラゴン少女が膨れっ面でプンプンと怒りそう言い返してくる。
「そ、それがマジで素......なんだ? じ、じゃあ、さっきまでの威厳あふれる鞭撻は......」
「んなの、作りごとに決まってるじゃん! あの姿がこんな喋り方をしたらドン引きモノでしょう♪」
「た、確かに、あの迫力あるグラでこんな喋り方されたら、威風もへったくれもあったもんじゃないか......」
「でしょう~♪ でもまぁこの喋り方で登場して相手の吃驚仰天姿をほくそ笑むのも悪くはないか? あははは~♪」
ドラゴン少女がそれを想像しながら、屈託のない笑顔でケラケラ笑う。
ふう。よ、良かったぁ~~。
俺の時、そんな登場をされなくて。
もしもそんなを登場されようものなら、俺の中の何かが色々と壊れていた気がする。
「そ、それじゃ、本当にその姿と性格が本来のキミなんだね?」
俺が再度ドラゴンの少女にそう問うと、
「うん。そだよ♪」
ドラゴン少女がニコッとした笑顔を見せ、俺に答えをそう返す。
「あ! そうそう。素と言えばさ、あんたって......おっと、そういえばまだあんたの名前を聞いていなかったっけ?」
「ん? 俺の名前か? 俺の名前は『城川練矢』。見ての通り、どこにでもいる普通の中年男性さ!」
「ふむふむ。城川練矢って言うんだね♪ あたしの名前はルコール。フルネームは『ルコール・ア・ジョッキン』だよ! 気楽に名前の方で呼んでいいからねぇ♪」
「おう分かった。あ、俺の事も気楽に名前の方のレンヤと呼んでくれ!」
「名前がレンヤ? って事は名字が前なんだ? へえ~珍しいねぇ? ま、どっちでもいっか♪ そんじゃレンヤ。これからよろしくねぇ~♪」
ルコールがニコッと微笑み八重歯をキラリと光らせると、俺に手を差し出す。
「ああ。こちらこそよろしく頼むよ、ルコール!」
そして俺もルコールに手を差し出し、握手を交わす。




