表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/288

第十四話・ドラゴン少女


「エヘヘ...どうかな、この姿♪これなら大きさの問題はクリア出来て

いるよねぇ~♪」


少女に変身したドラゴンがくるりと回って、この姿なら大丈夫だろうと

俺に見せつける。


「.........」


「ど、どうしたのよ?そんな小難しい顔をしてさ!?」


「ふ。まず、ひとつだけ言わせてくれ......」


俺は人差し指で額をちょんちょんと叩き、目を細める。



そして目を大きくカッと見開くと、


「なんでドラゴンが女の子の姿に変わちゃうんだよっ!?それに性格も

印象も、何かさっきと全く違っているよね、キミッ!?」


叫声を荒らげながら、目の前で起きている奇妙で不思議な展開に

喫驚してしまう。


「はぁ?そんな事を言われてもなぁ~。あたしってば最初から女だし。

それに性格は元々こんな感じだよ!」


俺の放つ素朴な疑問に対し、ドラゴン少女が膨れっ面でプンプンと

怒り、そう言い返してくる。


「そ、それがマジで素......なんだ?じ、じゃあ、さっきまでの威厳

あふれる鞭撻は......」


「んなの、作りごとに決まってるじゃん!あの姿がこんな喋り方をしたら

ドン引きモノでしょう♪」


「た、確かに、あの迫力あるグラでこんな喋り方されたら、威風堂々も

へったくれも、あったもんじゃないか......」


「でしょう~♪でもまぁ、この喋り方で登場して、相手の吃驚仰天な

姿をほくそ笑むのも悪くはないか?あははは~♪」


ドラゴン少女がそれを想像しながら、屈託のない笑顔でケラケラ笑う。


ふう。よ、良かったぁ~~俺の時、そんな登場をされなくて。


もしそんな登場をされようものなら、俺の中の何かが色々と壊れて

いた気がする。


「そ、それじゃ、本当にその姿と性格が本来のキミなんだね?」


俺が再度ドラゴンの少女にそう問うと、


「うん。そだよ♪」


ドラゴン少女がニコッとした笑顔を見せ、俺に答えをそう返す。


「あ!そうそう。素と言えばさ、あんたって......おっと、そういえば

まだあんたの名前を聞いていなかったっけ?」


「ん?俺の名前か?俺の名前は『城川練矢(しろかわれんや)』。見ての通り、

どこにでもいる普通の中年男性さ!」


「ふむふむ、城川練矢って言うんだね♪あたしの名前はルコール。

フルネームは『ルコール・ア・ジョッキン』だよ!気楽に名前の方で

呼んでいいからねぇ♪」


「おう分かった。あ、俺の事も気楽に名前の方のレンヤと呼んでくれ!」


「名前がレンヤ?...って事は、名字が前なんだ?へえ~珍しいね?ま、

どっちでもいっか♪そんじゃ、レンヤ。これからよろしくねぇ♪」


ルコールがニコッと微笑み八重歯をキラリと光らせると、俺に手を

差し出す。


「ああ。こちらこそよろしく頼むよ、ルコール!」


そして俺もルコールに手を差し出し、握手を交わす。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ