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呪われた転校生  作者: にごう
3章:新瀬典貴
75/80

75話 解放

気が付くと俺と色乃は手をつないだ状態であの夢のような場所にいた。

『私達は死んだ・・・・・・の?』

俺の手を握る色乃の手に力が入った。

『わからない。ただ一緒にいるってことはここまでは上手くいったんじゃないかな?』

ただ辺りは真っ暗で何も見えなかった。

『碇!いないのか!?いたら返事してくれ!』

『色君!お願い出てきて!』

俺達は一緒に碇を呼んだ。しかし碇の返事はなかった。

『まさか・・・・・・間に合わなかったのか・・・?』

『え?・・・・・・そんな・・・』

俺達は座り込んでしまった。お互い涙を流して向かい合っていた。

すると突然辺りが明るくなったのだ。俺達は何事かと思い辺りをキョロキョロ見渡していると目の前に一つの影が現れた。俺は色乃を抱きしめてその影が近付いてくるのを待った。


そこに現れたのは碇であった。碇は笑顔で俺達に語りかけた。

『碇!』

『色君!』

『二人ともよくやってくれたね。ちょっと手こずったけど色乃から呪いは剥がすことが出来たよ』

碇がそう言うともう一度笑顔を作った。

『じゃ、じゃあもう大丈夫なんだな!?』

『あぁそうだ!俺がこいつを連れて行く!あとは君達が生き返れば全て終わりだよ。悪夢はもうおしまいだ』

そういう碇の後ろには色乃の呪いらしきものがあった。

『や、やった!成功したんだ!』

俺は喜びのあまり立ち上がって飛び跳ねて大きな声を出した。しかし色乃は座り込んだまま泣いていたのだ。

『色君・・・・・・私・・・私・・・』

俺はその時色乃の考えに気付いてしまった。そして色乃に声をかけようとしたが碇が大きく首を横に振った。

『ダメだ!俺はもう死んでいる人間だ。でも色乃、君はまだこれから生きていかなければならないんだよ?それに君には彼がいるだろ?』

碇はそう言って俺の方を向いた。俺は碇と目が合った。すると碇が俺を見つめて頷いた。俺はその無言の意志に返すように頷き返した。

そして色乃を後ろからそっと抱きしめた。

『色乃。俺達は生きなきゃいけないんだ。俺達を助けてくれた人達、それに碇の為にも』

俺がそう言うと色乃は俺の手を掴んで泣きながらうんと答えた。


『名残惜しいかもしれないけど、そろそろお別れの時間だ。俺は最後の力を使って君達を蘇生させる。そして俺はこいつを連れてあっちの世界へ行く!』

『そ、そんな!もう!まだ何も私まだ何も話してないよ!』

すると碇が悲しそうな顔を見せて言った。

『何回も言うが俺はもう死んでる人間なんだ。本来こうして会うこと自体ありえないことなんだ。ただあえて言うなら勝手に死んでごめんな・・・・・・』

『そうだよ!色君いつも勝手に何でもしちゃうから!』

『ごめん・・・新瀬最後に一度だけすまない』

そう言うと碇は色乃を抱きしめた。色乃も何も言わずに碇を抱きしめた。この時だけは俺は何も言えないし出来なかった。この二人の想いも本物なのだ。そう感じた。

そして二人が離れると碇は俺の方を見た。その顔には涙が浮かんでいた。

『新瀬!色乃を頼んだぞ!』

俺も涙を流しながら答えた。

『任せろ!』

俺がそう言うと碇の身体が光り輝き出した。

『それじゃあもう時間だ』

すると色乃が突然立ち上がって大きな声を出した。

『色君待って!私生きるから!精一杯生きるから!絶対見守っていてね!』

碇は最後に笑顔を見せてそのまま光の中へ消えていった。それと同時に声が聞こえた。

『君達は生き続けろ!だから俺は君達を見守り続ける!そして本当に死んだ時また会おう!』

そして声が消えた瞬間俺達を光が包んだ。俺達はお互いに抱きしめ合いながら目を閉じた。

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ブログ にごうきち Twitter @nigo_do_vi
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