表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪われた転校生  作者: にごう
3章:新瀬典貴
61/80

61話 死後の世界

ここはどこだろう?俺はどこか知らない空間にいた。いや、俺は一度ここに来たことがある。確信はないがそんな気がした。

それにしてもどうして俺はここにいるのか?思い出そうとした。その瞬間急に激しい頭痛が襲ってきた。

『ああああああああああああ!』

俺は叫んだ。何もない空間にそれは響いた。そして全力疾走の後の息を切らせたような状で四つん這いになった。

そうだ、俺は事故に遭ったんだ!2回。1度目は子供を助ける為。2度目は佐久野を助ける為。1度目の事故の後、俺の過去の記憶はなかったが、今2度目の事故に遭ったことによって全てを思い出したのだ。

俺は碇を想う佐久野を見てあの場所にいることが辛くなって逃げ出してしまった。しかしすぐに思い直して引き返したのだ。ただまだ少しの躊躇いがあって戸惑っているところで佐久野に迫る車を見付けたんだ。


その時佐久野はまだ車に気付いていなかった。俺は慌てて飛び出した。そして佐久野も車に気付いたが固まってしまって動かなくなった。

まずい!そう思って俺は必死に走った。間に合うかどうか微妙な距離だった。だからいつも以上の速度が出たかもしれない。

しかしそれでも間に合わない。そう感じ佐久野へ向かって飛び込んだ。そして佐久野を間一髪歩道側へ突き飛ばすことに成功したのだが、俺はそのまま走ってきた車に衝突したのだった。


その時点が俺に残っている記憶の最後だ。どうやらそのまま気を失ったみたいだ。いずれまた目を覚ますだろう。俺には碇がついている。死ぬはずがないのだ。だからこのまま待っておくしかないと思った。その時だった

『君はもう死んでいるよ。ここは死後の世界だ』

空間に声が響いた。どの方向から聞こえているのかわからなかった。しかしこの声には聞き覚えがあった。碇だ。

『死んでるってどういうことだよ!俺はお前が守っているから大丈夫なんじゃないのか!?』

俺がそう言った瞬間目の前に突然碇が現れた。驚いた俺は後ろにのけぞった。碇は悲しそうな目をして俺を見ていた。

『以前君がいた場所は君の夢の中の世界だ。でも今回は違う。新瀬君、君は色乃を助けて死んだんだよ』

俺は改めてそれを聞いて膝をついた。俺まで死んでしまったのか?それだともう佐久野を救えないじゃないか。その姿を見た碇が話を続けた。

『呪いが変化してきているんだ。それに俺にも限界がある』

俺は顔を上げて碇を見た。悲しそうな顔は先ほどから変わっていなかった。

『呪いが色乃にも襲いかかるようになってしまった。理由は俺にもわからないんだ。俺は色乃を助ける為に力を使っていたから君を助けることが出来なかった』

『じゃあもう佐久野を助ける手段はないのか?』

俺は絶望の中碇に質問した。碇は下を向いて開いてた手を強く握りしめた。

『方法は・・・・・・・・・・・・ある』

俺はその言葉で立ち上がり碇の服を掴んだ。

『あるんだな!どうやるんだ?』

しかし碇はなかなか話そうとしなかった。

『おい!どうやるんだよ!』

俺は碇を怒鳴りつけた。そして碇は覚悟を決めたように掴んでいる俺の手を払い正面から俺を見た。

『方法はある・・・・・・だが失敗すればもう二度と呪いを解くことは出来ない』

碇がそう言うと俺は固まってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブログ にごうきち Twitter @nigo_do_vi
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ