表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪われた転校生  作者: にごう
2章:佐久野色乃
52/80

52話 呪いの変化

あれから3ヶ月が経ち新瀬君は無事退院することが出来た。しかし彼の記憶はまだ戻っていない。

そして呪いで何かが起こったのは新瀬君だけだったのだ。3ヶ月間三人で相談しながら考えたがやはり答えは出なかった。

新瀬君が登校出来る日になった朝、私はいつもより早く家を出た。

『いってらっしゃい。今日からやっと一緒に学校に行けるわね』

あれからよく新瀬君のことでお母さんにからかわれるようになった。でもそれが私には嬉しかった。あれから誰とも関わることを拒んできた私が会いに行こうとしている人がいる。それだけで心が満たされている気がした。

『いってきます!』

私はそう言うとお母さんに手を振った。お母さんは私が見えなくなるまで手を振り替えしてくれた。


そして新瀬君の家の前に着いた。もうすぐ出てくるはずだ。するとカチャッというドアの開く音がすると新瀬君が出てきた。私は精一杯の笑顔を作った。すると彼は私に気付いた。

『おはよう!新瀬君』

『おはようござ・・・・・・おはよう』

記憶がなくなってからずっと敬語で話していたのでちょっとずつ直しているところである。だからこういった感じで少し間違えることがよくあるのだ。でもさすがにもう慣れた。

『今日から学校だね!』

『は・・・・・・うん、でもちょっと不安で・・・かな?記憶がないから誰の顔もわからないと思うから』

新瀬君はとても不安そうな顔をしていた。私は彼の前に立つと彼の手を握った。

『大丈夫!私が付いてる!それに羽野君も』

いつから私はこんなに積極的になったのだろうか?そう思えるくらい今の私は変わった気がする。


途中から羽野君とも合流した。

『おはよう!二人とも仲良さそうで羨ましいね!』

羽野君にもこう言われるようになってしまった。私は羽野君に言い返しながらも自分が照れていることに気が付いた。色君、私このままでいいよね?

それから羽野君が真剣な顔をした。

『これからだ。佐久野さんの呪いが解決出来るまでは気は抜けない!』

『わかってる』

新瀬君の表情はこれまで以上に強い意志を持っていた。


学校に着いて教室に入ると私達はクラス全員の注目を浴びた。新瀬君の表情が曇った。すると羽野君が

『今日から新瀬が登校出来るようになったんだ!ただあいつは今記憶をなくしている。だからあまり刺激を与えすぎないで欲しい!』

そう言うとクラス中がざわつき始めた。ただ私が一緒にいるからたぶん誰も寄りつこうとはしないのではないか。私はそう思った。

しかし実際は私の予想とは違ったのだ。私達が席に着くと

『新瀬君。本当に記憶がないの?』

段坂さんが新瀬君に話しかけてきたのだ。確かに彼女は元々そんなに気にするタイプではないように思えた。

『そ、そうなんだ。だからごめん・・・君の名前もわからなくて・・・・・・』

新瀬君が申し訳なさそうな顔をして段坂さんに頭を下げた。すると段坂さんは笑顔を作った。

『私は段坂瑠依っていうの。覚えてね。よろしく』

それを聞くと新瀬君は笑顔になりありがとうと返事をした。

『じゃあ私は本の続きを読むから』

そう言って段差さんは本を読み始めた。

それからも新瀬君の周りには沢山の人が順番に自己紹介をしていった。私はその光景を見て羨ましくなった。なんて明るいクラスなんだろうか。そう思った。


そして放課後まで大きく変わったことは起こらなかったのだ。これまでもこんなことはなかった。やはり何かがおかしいそう思っていると

『何かおかしくないか?』

羽野君が突然そう言った。私は驚いて羽野君の方を向いた。

『だって今日新瀬に何も起こらなかっただろ?そりゃ何も起こらない方がいいに決まっているけど何かがおかしい』

『僕も今日はずっと身構えていたんですが何も起こりませんでしたね』

皆そう思っていたみたいだ。どうなっているんだろう?それでも呪いが解けたとは思っていなかった。

すると新瀬君に向かって自転車が走ってきているのが見えた。私の方向からしか見えていない。しかも自転車に乗っている人は前を見ていなかった。

『危ない!』

私は咄嗟に新瀬君を引っ張った。すると自転車は新瀬君を避けようとして逆に私の方へ向かったきたのだ。

そして自転車は私の足に軽くぶつかるとそのまま逃げるように去って行ってしまった。

『痛い・・・』

私は自分の足を見た。足からは血が流れていた。

『早く消毒しないと!』

ここから家に一番近い新瀬君が急いで家に救急箱を取りに帰ろうとしたが私はそれを引き止めた。

『大丈夫。私の鞄に入っているから』

私は鞄から消毒液と絆創膏を取り出して傷口を消毒して絆創膏を貼った。その光景を二人は心配そうに見つめていた。


私が治療し終わると

『それにしてもあいつなんだったんだよ!』

羽野君が怒りの声をあげた。

『仕方ないよ。やっぱり私の呪いが』

私はそう言いかけた時に違和感を覚えて思わずあれっと言ってしまった。それに反応するかのように羽野君が

『そうだよ!なんで佐久野さんに不幸が起こるんだ!?』

確かに今までこんなことはなかった。もしかしたら呪いに何か変化が起こってきているのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブログ にごうきち Twitter @nigo_do_vi
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ