23話 知らない世界
気が付くと俺の目の前は真っ暗だった。ここはどこだ?俺は死んだのか?いや、きっと死んではいない。しかし、現実世界でないことはわかる。もしかしたらここは夢の世界ではないだろうか?俺はそう判断した。
すると突然目の前が明るくなった。眩しい。いったい何が起きた?
しばらくして目が慣れると景色が見えるようになってきた。そこは村?のような場所だった。賑やかそうな場所だ。人々か笑い、楽しんで生活を送っているようだった。
しかしその中に木に縛られた傷だらけの小さな子供がいた。ただ顔はよく見えなかった。
『・・・してやる』
子供が何かを言っている。聞こえない。
その後、人が通る度その子供に何かを言って物を投げている。
『・・・・・・・・・・・ね!』
これもよく聞こえない。どうしてこんなものが見えるんだ?
そう思った瞬間辺りはまた真っ暗になった。
あの世界は何だったんだ?どうして小さな子供があんなに酷い目にあっている?
するとまた目の前が明るくなった。今度は外じゃない。どこかの部屋だろうか。明かりがないせいでよく見えないが、石が積み上げられたような部屋だった。窓はない。鉄格子があった。牢屋か?
その中にまた子供がいた。さっきと同じ子供なのか?さっきよりちょっと大きくなっている。鎖につながれた状態で座っていた。しかし、相変わらず顔はよく見えない。
『殺してやる!』
今度ははっきり聞こえた。殺してやる?いったい誰を?さっきの連中なのか?わからないがこの子供はそう言っている。
次の瞬間、この部屋に大量の水が流れ込んできた。何が起きたんだ!?
水は一瞬で天井まで届き、子供を呑み込んだ。
『憎い・・・全てが憎い・・・』
これは子供の心の声か?
『憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!!』
狂気の叫びだ。俺は怖くなって耳を塞いだ。しかし、声はさっきよりどんどん大きくなってくる。
やめてくれ。そう思った瞬間、
『呪ってやる。私の周り全ての者を呪って殺してやる!』
子供がそう言ってこっちを見た。目が合った。その時初めて顔が見えた。しかしその顔は人の顔とは思えないようなものだった。顔は腫れて膨れあがり、顔の皮があるのかどうかもわからなかった。ただ目だけは間違いなくこっちを見ている。俺は目を反らしたかったが出来なかった。恐怖が体を包み込み動けなくなってしまった。息が苦しい。呼吸が出来ない。ここが現実の世界だと勘違いしてしまうくらいの状況だ。そして、
『お前も必ず呪い殺してやる』
その瞬間目の前が真っ暗になった。俺は、はーっと息を吐き膝をついた。緊迫した状態から解放された感じだ。さっきの子供は誰だったんだ?何故あんなことになっている?でも間違いなく最後に俺を呪い殺すと言った。
呪い?もしかして佐久野の呪いと関係があるのか?でも何故このタイミングでこんな夢を見るんだ?あれが佐久野の呪いの正体とでもいうのか?
『その通り。あれが佐久野色乃の呪いの正体だよ』
突然後ろから声がした。優しい声だったが、さっきのこともあり俺は背筋が凍り付いた。そして恐る恐る振り向くと、そこには一人の男の子が立っていた。俺は尋ねた。
『・・・君は?』




