表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚活パーティは魔王城で!  作者: 寿 明結未(ことぶき・あゆみ)
第二章 婚活はあらゆる意味で命懸け! それでも進む筋肉乙女!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/49

第14悲劇 いざ行け! 第一回婚活会場へ!

ブックマーク、評価、感想、誤字脱字報告ありがとうございます。

 オッスオッスダンジョンは第四階層で出来ている。

 今、私達がいるところは第三階層。

 坑道のようなダンジョンなんだけれど、アンデッドが多い階層でもあり――。


「軟弱な骨どもめ!」

「カルシウム摂取ガ、足リテナイネ!」


 我がPTお馴染み、キャシーとナンシーが出てくる骨共を粉砕してます。

 塵と化すって、こういう言葉を言うんですね!

 ただ、骨だらけのこの階層は、臭さはないけど、敵の「イヒヒヒ……」って声が嫌なんだよね。

 夢に出そうで嫌だ。

 

 更に言えば、ボム系と呼ばれる炎の塊みたいな敵もいたりして、気をつけないとドカンと言うのも痛い。

 そう、普通は痛いんだけども。


「そら! 骨どもに自爆してこい!」


 ボムの熱なんてなんのその。

 見つけたら骨の集団に投げてドッカーン!

 これが、我がパーティの力なり!


「さて、普通だと第三階層で冒険者たちは帰るんだったか?」

「ええ、オッスオッスダンジョンはボス部屋が第四階層なの」

「そう言えば、ここの墓地に来るまで、地下に降りる階段、見ませんでしたね」

「階段はここよ。墓地から降りるの」

「「「墓地から……」」」


 思わず下に見える墓地を見る……。

 確かによくよく見ると、墓地のようで墓地ではない場所があるわ。

 空間の歪みというやつかしら?

 あそこが階段がある場所ね!


「だからこの地下は、本当に覚悟がある人のみか、ボスを倒したい人だけらしいわ」

「なるほど。つまり」

「初メテノ婚活会場ハ、墓地ヲ降リタ先ネ!」

「ふはははは! 墓地の下が婚活会場……流石、魔族との婚活だな!」

「死シテナオ、愛ヲ、誓イ合ウ。ト、言ウモノ、カモネ!」

「世に聞く重たい愛情……実にいい。それくらいの重さならば我らにとっては」

「「軽い!」」


 愛という鎖や楔が軽いと言うキャシーとナンシー。

 強いわ。いかなる事があっても負けなさそう!


「でも、ギルマスの言い方だと……ボス部屋、閉じちゃってるんでしたっけ?」

「ええ、そのようね。行ってみてから考えましょう」

「そうですね」


 こうして私達は、迷うことなく墓地の中へと足を踏み入れる。

 ザザ……ザザザ……という音を立てて現れたのは階段。

 そこに私達は降りていく。


「婚活会場か……。手に汗握る戦いも欲しいところだが……」

「色男ナラ、逃サナイネ」

「筋肉の基準はどうしましょうか?」

「私はイサミンがいればいいから問題ないけど、キャシーとナンシーは、相手に求める筋肉率はどうなの?」

「ちなみに、私はミルクちゃんくらいの筋肉が好みです♡」

「いやん♡ 知ってる♡」


 思わず素でいちゃつく私達。

 でも見た目は女性同士。

 ミルクちゃん、見た目凄く美人だから、私が霞んじゃうわ!


「ふむ、相手に求める筋肉率か……」

「我らのような尖ったEXならば、確かに筋肉は欲しいところだが……」

「「だが?」」

「そもそも、私はそう筋肉を相手に求めていない。魔王でも良いくらいだ」

「もやしでも……」


 キャシーさんの言葉に首をフルフルしながら、もう一度「もやしでも……」と口にすると、彼女はニカッと笑い「もやしは調理のしがいがある」と親指を立てていた。

 ナンシーさんは……?


「私モ、相手ニ、ソコマデ筋肉、求メナイネ」

「意外、二人共筋肉すごいのに」

「自分たちの筋肉で満足している……というのはあるな」

「ソレナ!」

「寧ろ重要度は別にある」

「と言うと……?」

「「私達の力と拳に耐えられるかどうか……」」

「「ああ……」」


 確かに重要かつ最も大事な事だわ!

 私ですらオリハルコンゴーレムを素手で屠る事ができるんだもの。

 つまり相手に求めるは、すなわち。


「「相手の防御力……っ!」」

「「イエス!」」

「後ハ、私達ノ、〝威圧〟ニ、耐エレルカドウカネ」

「〝本気の威圧〟で腰を抜かさなかったのは、今のところ魔王くらいだからな」

「意外ト、気ヲ使ウノヨ」

「普通の男相手ではワンパンで死ぬだろう?」

「軽ク、叩イタダケデ、複雑骨折ネ」


 最早、魔族の話をしているのか、人間の話をしているのか分からなくなってきた。

 言えることは、ただひとつ。


「キャシーもナンシーも、苦労してきたんだね……」

「ソウナノ、苦労シテキタノ」

「力加減とは難しいものだ」

「だからこその、魔族との婚活よ!」

「もやしでもいいなら、魔王という最終的な伴侶はいるわけだし!」

「だが、魔王は勇者に一途だぞ?」

「奪って下さい」

「フ……イイネ。イヤヨ、イヤヨモ、好キノウチ……ネ」

「ふはははは!」


 どういう意味かはわからないけど、ふたりが嬉しそうで良かった!

 すると――。


「あ――。あの魔王が来たら是非、キャシーとナンシーで物理的に愛を受け止められる相手か見極めると良いわ」

「イイノ?」

「死ぬかもしれんぞ?」

「腐っても、例えもやしでも魔王よ? それくらいは出来るんじゃない?」

「フム、トライシテミルカ」

「魔王ちゃん、早く会いに来ないかな……」

「ソレナ」


 もやし魔王の軽い命の危機はさておき、階段を降りて真っ直ぐ向かった先には――確かに重々しい扉が存在していた。

 そしてその扉には、張り紙がしてあったのだ。


 『留守にしています』


「「「「……」」」」


 思わず固まる私達一行。

 婚活会場まで来たというのに、婚活相手が留守。

 しかも、恐らく居留守。

 ホワッツ? 何故?

 首を傾げて悩んでいると、ミルクちゃんがドアを力いっぱい殴りながら叫び始めた。


「居留守なのは分かってるんですよ~! 開けなさーい!!」

「み、ミルクちゃん! 本当に留守かもしれませんし……」

「だって私達、こんな埃っぽい婚活会場まで来たのよ? 収穫なしでは帰れないわ!」

「「確かに!」」

「ええええ⁉」

「開ケナケレバ、突入スルゾ!!」

「寧ろ厄介だ! タックルで扉をぶち壊そう!」

「オウ!」

「おふたりとも~~!」


 止めようとした時には既に遅し。

 キャシーとナンシーのタックルを喰らい、重厚なドアが吹き飛んでいった。

 途端、物凄い音と共にボス部屋が出現!


「いるのは分かっているのよ! さぁ、お見合いよ! 出てきなさい!」

「例エ、もやしデモ、愛シテ、アゲル♡」

「ただし、我らの力に負けなければだがな!」

「場合によっては、デッド・オア・アライブ♡」

「生死を賭けたお見合いですね……。魔族さん、降参でもいいんで出てきてくれませんか?」


 そう私がお願いした途端、蜘蛛の糸のようなものが私達を絡め取り、宙に浮く!

 お、意外とやる気あり?


「女現地勇者は連れ帰る……。だが――お前たちは、今ここで死ね!」

「なんで私だけ連れ帰るんですか!?」

「お前は献上品だ! それもエステル魔王様へのな!」

「えええええ!?」


 そう驚いた次の瞬間――誰よりも先にミルクちゃんが動き出した!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ