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第8話 出会い編アフター
『それ、気のせいだよ』
『考えすぎ』
画面に並んだ二つのメッセージを見て、
わたしは、キーボードの上で指を止めた。
「気のせい、か」
「考えすぎ、なんだ」
口に出してみると、自分がとてもめんどくさい人間みたいで、
それ以上は何も言えなくなった。
『でも、ネガティブなのも君の個性じゃん』
『そういうとこも含めて、好きだよ』
少し間をあけてから届いたその二行に、
また胸の奥が、ふわっとあたたかくなる。
わたしが話したかったのは、
「ネガティブな性格」のことなんかじゃなかった。
本当は、
どこまで甘えていいのか分からない不安とか、
この関係の「線引き」の話だったはずなのに。
あなたの「気のせい」「考えすぎ」「個性じゃん」の三つの言葉で、
いつのまにか話題は、
わたしの性格の話にすり替えられていた。
それが“テクニック”なんだと気づいたのは、
もう少しあとになってからだ。




