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深夜に限界突破を試みるうさぎ

土曜日の20時更新です…

「目。赤いけど大丈夫? ウサ」

 

 リンが僕の顔を覗き込んで言う。何言ってんのリン。僕は元々ちょっと赤いんだ目が。だってうさぎだから。

 

「まだ起きてるの? 先寝るけど。あんま遅くまで起きてちゃダメだよ」

 

 夜の十一時半。モコモコ部屋着のリンが布団敷いてグッナイした。アイマスクってヤツ着けてるか、そ~っと確認する僕。

 

 リンは上手に寝るコトに命懸けてる人だから。もう起きてこない。

 

 さてと。

 

 ここからが僕の時間だ。

 

 まずは、スマホ。


 リンのスマホを借りる。暗証番号ホホイのホイと。ハイ、僕が餃子食べてる待ち受け画面出た。そんじゃあ呟くやつでSNSのパトロール開始しまーす。

 

 前にリンが僕用に呟くやつの別アカ用意してくれたんだけど。今バンされてて使えない。

 

 何かルール違反したのかなぁ、わかんないけど。リンが「年齢制限?」とか言ってたから。それってコトにしとく。

 

 今はリンのアカウント勝手に使ってます。

 

 パトロールしながらね。気にくわないヤツをこう……徹底的に……攻撃しまくって。ハイ、おしまい。ふうう。

 

 ひと仕事終えたからコーラ飲もっと。


 くぴ。くぴ。くぴ。げふぅあ!

 

 さぁ、お次はテレビの時間だ。これから深夜アニメをリアタイで観まくり。頑張って三時まで番組ハシゴすんの。その為にお昼寝もいっぱいした!

 

 いつも深夜アニメはリンが録画してくれてるけど。一日二本までってルールあるから。


 ルールなんてクソ食らえだ! この世界から無くなれルール! 


 ヤベ、足ダン出るトコだった。

  

 ベランダに出て室外機の下に隠しといたポップコーンを持ってくる。

 

 サクサクサクサク。

 

 イヤホンして、ポップコーン食べながらアニメ観賞スターティン。

 

 一本見終わって寝落ちしかけてた……ウソでしょ? 自分で自分が信じらんない、オーマイグァー! オーマイグァー!

 

 次のアニメまで十分ある。僕は玄関を飛び出すと深夜の町を狂ったよーに走り回った。

 

 途中お巡りが職質かけようとしてきたけど。


「ちょっといいで……」で駆け抜けた。ぴゅーんて!「ちょっといいで」じゃ意味わかんないからセーフ。


「ちょっといいでしょこの警棒」かもしんないし、万が一「ちょっといいですか」だったとしても「良くないです」ってハッキリ言う。だからブッチでOK!

 

 オンエア前、お家に戻った僕はいい感じにテンションぶち上がってた。

 

 ヤバ! 超楽しーんだけど!

 

 三時まで無事乗り切った。心地いい疲労感に包まれる僕。お腹ポンポンだし気分もいい。やりたいコト全部やれた。やりきった。大満足!

 

 もう寝るかー。よいしょっと。電気消して床にごろ寝だー!


 ………………。

 

 ヤバ! 目がバッキバキで寝れね!

 

 何か……野生も目覚めてしもた。

 

 一階の駐車場にいる猫の鼻息まで聞こえるゥ。伊吹山で大鷲のゴロ蔵から三日三晩逃げ切った時のテンションだコレ。

 

 ネ・レ・ナ・イ!

 

 寝れる気がしないし何なら寝方忘れた。寝るって何ですか? どんな味すんの? どこ中?

 

 耳から白い煙モクモク出てきた……あ、頭パーンて! 頭、パーンてなるリンッ! おたおたおたお助け助け助けて…………

 

 僕はパニくってリンにしがみつこうとしたけど。

 

 止めた。

 

 リンは寝ないとダメな人だ。毎日上手に寝る為に一生懸命頑張ってる。

 

 だから、絶対に起こせない!

 

 色々と怒られるし!

 

 ふうううううううううう…………。

 

 深いため息で落ち着いた僕は、肝もビシッて座った。


 ジョートーだよ。寝なくていいよ。これまで死ぬ程寝てきたしィ?

 

 もうね、寝るのダサ! そういう時代キタ!


 いい思い出です。


 僕も昔は寝てたよね、みたいな? これからは寝ないで生きる小動物目指してグスゥフシュルルル~。

 

✳✳✳

 

 気づいたら朝までバク睡♪

それではまた……

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