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第六章 光の向こう側12
散々待たせた相手だ。今度はオレが待つ番だ。一生報われない思いでも良い。
それが、明日歩が出した答えだった。
あずさの卒業の日。
自分の卒業式にさえ出席できなかったのにと苦笑しながら、明日歩は卒業生に紛れて一番後ろの席に座り、会場を見回す。
何千人もいる卒業生の中から、あずさを見つけ出すなんて無謀だ。馬鹿げているのも分かっている。きっと出会えたら奇跡だと思う。
長い祝辞に欠伸をし、うとうとしているうちに式典は終わる。
一斉に吐き出される卒業生と、その関係者でごった返すロビー。ぶらぶらと、あずさの姿を探す明日歩に気が付いた何人かに話しかけられ、曖昧な笑顔とサインを残し、会場を逃げ出すように、明日歩は、タクシーを拾い大学に向う。
きちんと気持ちの整理をつけるつもりだった。
ガランとしたキャンパスを歩く。
顔見知りの警備員が、快く通してくれた。
二人でよくお喋りしたベンチに座ってみる。昨日見たドラマのことを話すあずさ。滅多にテレビを見ないと言っていたのに、友達と会話が弾まないからと、一生懸命情報収集して、それを明日歩にも教えた。どうせバイト三昧で何も知らないでしょと言って笑っていた。




