改革
「いい加減にしろっ!」
全員がびくっとなる。
「組織にあって、個人の意見など二の次でしょう?ここは営利を追求される職場です。皆さんが給料を頂き、生活出来るのは、座っていて出来ますか?不平を言ってノルマが達成出来ますか?これから半年間で皆さん、自分自身を一新して下さい。今までの自分を改革して下さい。もう変わったのです。根室営業所は、姥捨て山なんかじゃ無い、北海道支社におけるエース的立場なんです。皆さんは、その誇りを持って今から意識改革して下さい」
力強い須崎の迫力に、全員が気負された。これはもともと須崎が内包していた気概であって、その失っていた数ヶ月を見ていた彼らには、それが正に驚きに写ったのであった。
無気力な山岡は、倉庫係に異動になった。油井は若い事もあるが渉外係になり、甲斐は事務に異動になる。つまり全員の配置転換であった。甲斐はむしろ、事務職の方が自分でも合っていると思っていたので、唯一人この異動を喜んだのだった。
会議後の所長室 木下と、須崎
「はは・・思いっきりやったなあ、須崎君」
「まあ、最初が肝心と申しますか、勢いだけですよ。これで全員敵に回しましたからね」




