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アナグラム  作者: さだきち


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2/6


人の流れはまばらで、誰もが自分の行き先だけを見て歩いている。


その中で彼女は、最愛の人を奪った憎むべき相手を探していた。


ふとスマホを覗くと、電池が残りわずか。あの時を思い返し、やりきれない感情に涙が頬を伝う。


急いでその現場に行ったが、既に彼女は立ち入れなかった。最後に抱き抱え、胸をうずめる事も出来なかった。


目を閉じると、香りのよいコーヒーを口にする、あの朝の彼の笑顔が優しく映る。


満たされた日々が静かに蘇り、それだけが彼女の支えになっていた。


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