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♥ これは式神  作者: 雪*苺
十一日目 / 木曜日 5月2日
96/104

♥ 上空 2 / 対峙 1 / 大空の空中戦 1


 離れた場所になにかが浮いている。


 あれは──グリフォン?!


 グリフォンって──、ファンタジー世界の動物よね??


 どうしてファンタジー世界の動物がるの??


 それにグリフォンの背中に座っているのは誰なの??


 あれが、あの人がしょうれいなの??


 巨大なグリフォンと対峙するかのように朱雀が進むのをめる。


霄囹(?)

「 ──やぁ、えいぃ、久し振りだねぇ!

  元気にしてたかい?

  僕に会えなくて寂しくて泣いてなかったかなぁ? 」


衛美

「 はぁ??

  どうして私が寂しがったり泣いたりしないといけないのよ! 」


霄囹(?)

「 強気だねぇ、えいぃ。

  勝ち気なえいも好きだよ!

  はははっ!

  ──あれぇ?

  げんないのかい? 」


衛美

「 ちゃんとるわよ!

  視力が悪いんじゃないの? 」


 実体化していない玄武はしょうれいにも見えないみたい。


 目の前にしょうれいは式神じゃないんだ。


 じゃあ、生身の人間??


 それにしても、容姿と声が一致してなさ過ぎないかしら??


 前髪に赤メッシュの入った金髪の美青年が、生意気な小学生の声で話し掛けてる。


 低学年で声変わりしてない甲高い声。


 う〜ん……「 名●偵コ●ン 」に登場するコ●ン君みたいに、大人をくだした時みたいな鼻につく小生意気な声!!


 外見も声も、むっかつくぅ〜〜。


衛美

なんで、こんな酷い事をするの! 」


霄囹(?)

「 酷い事ぉ?

  一体なんの事かなぁ?? 」


衛美

とぼけないで!

  赤い雪を降らせたり、500人近い国民を誘拐したり、誘拐した500人を犠牲にしてようじゅを召喚したり、地震を起こしたりした事よ!!

  今だって地震を起こしてるでしょ!

  それに、日本中にようじゅを召喚しようとしてる!

  違う? 」


霄囹(?)

「 えぇ〜〜〜。

  なんで全部知られてるのかなぁ…。

  あははっ!

  凄いねぇ、えいぃ。

  全部、げんの入れだろう?

  げんはお喋りだなぁ!! 」


衛美

「 ──しょうれいようじゅを召喚するのをめて!!

  これ以上、地震を起こさないで!! 」


霄囹(?)

「 えぇっ??

  なにそれぇ?

  えいぃ、もしかして僕に “ お願い ” してるのかい?

  可愛いなぁ…。

  ゾクゾクしちゃうねぇ…。

  それもげんの入れかなぁ?

  ゲスい式神だなぁ!!

  えいは確かに可愛いよぉ。

  の面影もある。

  だけど──、えいじゃない。

  えいの “ お願い ” は聞けないなぁ 」


衛美

「 交渉決裂って事になるのかしら? 」


霄囹(?)

「 気が早いなぁ、えいは!

  ようじゅの召喚をめてもいいよ。

  僕の条件を呑んでくれるならねぇ! 」


衛美

「 条件??

  どんな条件なの?

  一応、聞いてあげてもいいわよ! 」


霄囹(?)

「 強気だねぇ。

  えいぃ。

  身体からだえいのままでいいよ。

  中身がならね! 」


衛美

「 中身がって──どういう事よ? 」


霄囹(?)

「 僕はねぇ、が欲しいんだよ。

  感動の再会がしたいんだ!

  えいたましいの奥底で眠っているを目覚めさせてよ!

  が目覚めたら、僕はと感動の再会が出来るんだよぉ!

  僕は1つになりたいんだぁ 」


衛美

「 ──はぁ?

  無理でしょ!

  頭、イカれちゃってるんじゃないのぉ?! 」


霄囹(?)

「 無理じゃないよ。

  身体からだは女のままなんだからねぇ。

  僕はねぇ──、身体からだすみ(ずみ)まで凌辱したいんだよぉ。

  僕の子供を沢山産ませたいんだよぉ。

  僕とが、新世界のアダムとイヴになるんだ!

  どうだい、素敵だろう?

  僕との子供達が、新世界を支配する新人類になるんだよぉっ!!

  今の世界中に我が物顔で蔓延はびこってる旧人類には絶滅してもらおうと思っててねぇ──。

  手っ取り早く人類を絶滅させる為に、わざ(わざ)異界からようじゅを召喚したんだよぉ。

  僕とだけの楽園を作る為にねぇっ!! 」


衛美

「 新世界…??

  人類を絶滅!?

  ──じゃあ、日本人を絶滅させたら次は世界に手を出すつもりなの?! 」


霄囹(?)

「 いいや。

  もう世界にはとっくの前に手を出してるよ。

  日本に世界の情報が入らないのは、僕達が偽装して隠蔽した嘘っぱちな情報を流しているからだよ。

  地球には砂漠が多くていいよねぇ。

  丁度いからさぁ、砂漠に大量のようじゅを召喚したよぉ。

  今や砂漠はようを生み出すようじゅの森と化してるよぉ。

  外国にはさぁ、ほうりきを扱えるはらい屋がないから、ようの侵略も早いんだよねぇ。

  そうそう、外国人ってさぁ、兵器を使うのがほんとうに好きだよねぇ!

  ようじゅようの大群に最新式のミサイルを惜しみ無くブチ込んでる軍隊は見物だったよぉ。

  だ抵抗してるけど、日本中によう蔓延はびこる頃には、ほぼ全滅してるんじゃないかなぁ?

  あはははははははははっ!!!! 」


衛美

「 ──酷いっ!!

  楽園だなんて、くだらないものの為に、世界中にようじゅを召喚するなんて!! 」


霄囹(?)

「 くだらなくないよ。

  最も崇高な目的なんだからね!

  えいには分からなくても仕方無いよ。

  分かってもらうつもりなんて微塵もないよ★ 」


衛美

「 ………………召喚をめる気なんてないんじゃない… 」


霄囹(?)

「 あるわけないだろ。

  旧世界を楽園(新世界)へ作り替える為に必要な工程なんだからさぁ!

  まだ(まだ)これからだよ。

  これからどんどん犠牲者が増えるからねぇ!

  日本はようじゅ大国になるのさ!!

  天災程じゃないけど、地震もしょっちゅう起きるようになるし、地殻変動だって起きるよぉ。

  津波もるかも知れないねぇ!

  火山も爆発しちゃうかもねぇ!

  これからもっともっともぉ〜〜〜とっ、面白くなるよぉ!!

  犠牲者の霊魂は強制的にようじゅ召喚に使うから、餌には困らないしねぇ!!

  あはははははっ!! 」

◎ 訂正しました。

  グリホォン ─→ グリフォン

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