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♥ これは式神  作者: 雪*苺
十日目 / 水曜日 5月1日
66/104

♥ 瀬圉家 / 本家 / 別邸 / リビング


──*──*──*── 本家


──*──*──*── 別邸


──*──*──*── リビング


 げんの転移陣で図書館から別邸のリビングへ戻ってた。


 げんはルルゥアンリィで買ったお持ち帰り用のタルトを食べたそう。


衛美

「 ──げんづるさんがビーフシチューを作ってくれるんだから、タルトはお預けだからね 」


玄武

「 タルトはビーフシチューが出来る迄の繋ぎだ。

  えいも食べればいい 」


衛美

げん

  タルトは置いて!

  それより、わたしに用意した退魔師の衣装はにあるの?

  見たいから出して 」


玄武

「 分かった。

  着替えるなら出そう 」


衛美

「 着替えるのはビーフシチューを食べ終わったらよ。

  決まってるでしょ!

  ──そうだわ。

  お祖父様と伯父様に話す為の資料を作らないと!

  ビーフシチューが出来るまで時間あるし、手伝ってくれるんでしょう? 」


玄武

「 そうだったな 」


 づるさんが夕食を作ってくれてるあいだ、私はげんに資料作りを手伝ってもらう事にした。






衛美

「 ──出来たぁ!!

  げん、お祖父様と伯父様に読んでもらう資料はこれで大丈夫かしら? 」


玄武

「 ワタシが監修したのだから、大丈夫に決まっている。

  資料作りの経験のないえいが頑張って作った感が滲み出ている。

  心を打たれ号泣する事、間違いなしだな 」


衛美

ほん

  お祖父様と伯父様は信じてくれるかしら?? 」


玄武

「 さぁな。

  期待はしない事だ。

  えいの衣装はソファーの上に置いたぞ 」


衛美

がとう、げん

  ──ねぇ、この資料をお祖父様と伯父様に見せたらいの? 」


玄武

「 それはおい(おい)な 」


──*──*──*── ダイニングキッキン


玄武

づる、ビーフシチューは出来るんだ? 」


厳蒔弓弦

「 もうぐ出来る。

  ビーフシチューは煮込んでいる最中だ。

  今は付け合わせを作っている 」


玄武

「 付け合わせか。

  なにを作っている? 」


厳蒔弓弦

「 大葉とチーズのアイデア餃子、タコのマリネ、アスパラのチーズ焼き、海老とリンゴのフリッター、ツナとアボカドのココット、カレー風味のイカリング、4種のアボカドエッグ、レタス,ホウレン草,玉ねぎのサーモンサラダ──、8しなだな 」


玄武

「 随分と奮発したな。

  く短時間で8しなも作れるものだ 」


厳蒔弓弦

「 予め下拵えは済ませてあるからな。

  付け合わせを先に食べるか?

  薄切りにしたパンも用意してある。

  パンに乗せて食べてくれ 」


玄武

「 いいだろう 」


衛美

げん……。

  ビーフシチューが出来るまで待てないの? 」


玄武

「 待てないな。

  えいも食べたらどうだ 」


厳蒔弓弦

「 そうだな。

  ビーフシチューはもう少し煮込むから先に付け合わせを食べてくれ。

  あまったビーフシチューは、コロッケにしようと思うんだがどうだ? 」


衛美

「 え〜〜〜、ビーフシチューのコロッケですか?

  食べたいです!!

  げんくれ(ぐれ)もビーフシチューを全部食べないでよ! 」


玄武

「 ビーフシチューのコロッケか。

  は作った事がなかったな。

  食べてみたい。

  いいだろう、コロッケに使う分は残しておこう 」


 テーブルの上にはお洒落なペーパーランチシートが敷かれていて、ビーフシチュー用のお皿とスプーンが置かれている。


 テーブルの空いた部分には付け合わせ料理が盛り付けられたお皿が並べられている。


 げんったら早速、スライスされてるパンの上に付け合わせ料理を乗せて食べている。


 私も椅子に腰を下ろして座ったら、胸の前で両手を合わせて「 いただきます 」をして、スライスされたパンに手を伸ばした。


 パンの上に付け合わせ料理を乗せて食べる。


 こういう食べ方って、ちょっとお洒落よね?


──*──*──*── リビング


 づるさんが丹精込めて手際く作ってくれたしい料理を御馳走になって夕食を済ませた私は、げんがリビングにあるソファーの上には出してくれていた退魔師の衣装を持って、寝室で着替えてた。


 私がリビングへ戻ってると仕事着──退魔師の衣装に着替え終えたづるさんと陰陽師姿のげんた。


 げんもの格好だから、見慣れちゃってて珍しくないけど、退魔師の衣装を着た厳弓づるさんの姿は新鮮だった。


 づるさんが本物の退魔師なんだって事を実感する。


 本物の退魔師を見たのは、今が初めてだし。


 私の着ている衣装はづるさんの仕事着と御揃いだけど色違い。


 づるさんの仕事着の色は、紺色と紫色が混ざったような黒色に近い色で、落ち着いた大人に見える。


 私の衣装の色は薄紫色で、げんの着ている狩衣と御揃いの色。


 げんの瞳と同じ紫色はしゅしょくらしい。


 げんもと同じ扇子を持っていて、づるさんは弓を持っている。


 あれが魔具師に作られたいの弓なんだ…。


 づるさんにしか扱えない世界で1つしかないづるさんだけのいの弓。


 なんかカッコイイ!!


 づるさんは長い髪が邪魔にならないように後ろで三つ編みにしてむすんでいる。


 ちなみにづるさんも私も別邸で過ごすあいだに必要な衣服類とかを自宅から持ってている。


 勿論、げんの転移陣を使ってね!


玄武

「 準備は出来たな。

  忘れ物はないか? 」


衛美

「 私は手ぶらだからOKよ 」


厳蒔弓弦

「 私もいの弓さえあればいい 」


玄武

えい、この眼鏡を掛けていろ。

  ≪ ≫の娘だと知られない為の眼鏡だ。

  野良式神も見えるようにした 」


衛美

がとう、げん


 げんから手渡されたのは、レンズが渦巻いているだっさいグルグル眼鏡。


 眼鏡にはは入ってない伊達眼鏡みたい。


玄武

「 依頼場所へ転移するぞ 」


 げんの姿が消えると転移陣が発動した。

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