♥ 大学 7 / 校門
──*──*──*── 校門
校門へ向かって歩いている最中に、どうして境戸が昼休みに中庭へ来れなかったのか、事情を話してくれた。
正直、境戸君の事情なんて私は、どうでもいいんだけど……。
境戸君が “ どうしても ” 話したそうだったから大人しく聞いてあげた。
境戸君の友人関係事情なんて、本当にどうでもいいんだけど……。
校門へ着くと宮島梓眞──梓眞君が女の子と一緒に立って居る姿が見えた。
梓眞君の隣に居る女の子──何処かで見た気がするわ。
何処だったかしら??
境戸託司
「 宮島!?
菜菜絵!? 」
衛美
「 菜菜絵??
ルルゥアンリィで働いていた店員の須環さん??
確か……梓眞君の従妹だったわよね? 」
境戸託司
「 何で…… 」
衛美
「 梓眞君が従妹の須環さんと一緒に居るのは別におかしくないんじゃない?
違うの? 」
境戸託司
「 …………菜菜絵は、此処の大学生じゃないんだ。
何で此処に来てるんだよ… 」
衛美
「 境戸君、顔色が悪いわ 」
境戸託司
「( ──何で居るんだよ!
宮島が居るのは分かるけど、菜菜絵まで居るのは明らかにおかしい!!
満仁谷さんの指示か?
だったら何の為に??
瀬圉さんの婚約者──厳蒔さんの情報収集の為か??
──にしても、急過ぎる!!
満仁谷さんは何を考えてるんだよ!! )」
厳蒔弓弦
「 境戸君の知り合いか?
衛美も顔見知りなのか? 」
衛美
「 梓眞君とは1度昼食を一緒にした事があります。
{ 玄武の見立てでは、梓眞君は境戸君が好きみたいなんです。
恋愛的な意味で── }」
厳蒔弓弦
「{ そ、そうか…。
それは大変だな…… }」
弓弦さん、他人事とは思えないみたい。
まぁね…同僚に「 嫁に来ないか 」みたいな事を言われちゃうぐらいだから、他人事とは思えないのかも知れないわよね?
衛美
「 須環菜菜絵さんは、苺専門店のルルゥアンリィに行った時に、店員さんをしていたんです。
梓眞君の従妹みたいです 」
厳蒔弓弦
「 そうなのか?
苺専門店か。
何処にあるんだ? 」
衛美
「 湖世苺公園の奥です。
弓弦さんも苺が好きなんですか? 」
厳蒔弓弦
「 そうだな。
苺のデザートを作ってみたくてな 」
衛美
「 弓弦さんの作った苺のデザート、食べてみたいです!
明日からGWですし、一緒にルルゥアンリィへ行きませんか? 」
厳蒔弓弦
「 それはいいな 」
境戸託司
「 ──瀬圉さん、俺も一緒にルルゥアンリィへ行ってもいいかな? 」
衛美
「 境戸君も来るの?
私は構わないけど…。
( 境戸君が来るなら玄武は実体化しない方がいいわよね… )」
玄武
『 残念だ。
思う存分、苺スイーツを食べるつもりだったのにな…。
おのれ、境戸め! 』
衛美
「( じゃあ、断っちゃう? )」
玄武
『 いや、断らなくていい。
衛美は境戸の不安要素を解明したいのだろう?
先ずは打ち解けて仲良くなる事だ 』
衛美
「( 玄武、有り難う )」
境戸託司
「 ──宮島,菜菜絵、何で校門に居るんだ?
菜菜絵は大学が違うだろ? 」
宮島梓眞
「 託司を待ってたんだよ。
お前を拉致る為にな! 」
境戸託司
「 はぁ?
“ 拉致る ” って何だよ… 」
須環菜菜絵
「 そのままの意味よ!
{ 満仁谷さんから緊急招集が掛かったの。
当分、大学は休む事になりそうよ }」
境戸託司
「 嘘だろ!?
冗談じゃないよ!
{ ついさっき、瀬圉さんと約束したばかりなのに!! }」
須環菜菜絵
「 知らないわよ…。
{ 勝手に約束する方が悪いんでしょ?
それより、早く行くわよ。
車、待たせてるんだから! }」
境戸託司
「 く…車っ?!
態々迎えに来てるのか? 」
宮島梓眞
「 ──瀬圉さん、御免な。
ちょっち、急用が出来てさ、託司を借りてくよ 」
衛美
「 私は構わないわ。
急用なら仕方無いもの。
さよなら、境戸君 」
境戸託司
「 瀬圉さん… 」
玄武
『 名残惜し気に見ているな。
何か言ってやってはどうだ 』
衛美
「( ついさっき “ さよなら ” って言ったばかりよ… )
──境戸君、早く行った方がいいわ。
急用なんでしょ 」
境戸託司
「 う、うん……。
せめて駅まで一緒に歩きたかったよ… 」
衛美
「 GWが明けたら会えるわ。
LINEだって出来るし。
ほらっ、梓眞君と須環さんが待ってるわよ 」
厳蒔弓弦
「 どうした、境戸君? 」
境戸託司
「 …………いえ…。
宮島と俺は…GWが明けても大学へは行けないかも知れないんです… 」
衛美
「 そうなの?
はっきり分かったらLINEで教えてね 」
境戸託司
「 …………じゃあ、また…。
( 瀬圉さん……素っ気無さ過ぎるよ… )」
残念そうな悲しそうな顔をしながら、境戸君は校門から出ると最寄り駅とは逆方向へ走って行った。
梓眞君と須環さんが弓弦さんと私に向かって手を振ってくれている。
知らん顔すると感じが悪くなるだろうから、梓眞君と須環さんへ手を振った。
弓弦さんも大人し気にだけど、一緒に手を振ってくれた。
厳蒔弓弦
「 駅に行くか? 」
衛美
「 はい 」
境戸君,梓眞君,須環さんが曲がり角を曲がったのを確認してから、弓弦さんと校門を出て最寄り駅へ向かった。
◎ 訂正しました。
「( ついさっき、 “ さよなら ” って言ったばかりよ… )─→ 「( ついさっき “ さよなら ” って言ったばかりよ… )




