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♥ これは式神  作者: 雪*苺
二日目 / 火曜日 4月23日
5/104

♥ 登校中 2 / in玄武


衛美

「( はあ……なんなの、あのイケメン君は!

   必死にアピールしてるなんて引くわ! )」


アンタと呼ばれた者

『 仲良くなりたいのだろう。

  寂しがり屋ではないのか? 』


衛美

「( はぁぁぁん?!

   有り得ないし!!

   あのイケメン君はねぇ、同性の友人も多いし、異性の友人も多いのよ。

   友達100人達成者って奴よ。

   人間関係が面倒臭いったらありゃしないわ。

   ずぇったいに関わりたくない!! )」


アンタと呼ばれた者

『 そのわりには、随分と会話をしていたな。

  嬉しそうだったぞ 』


衛美

「( 嬉しそう??

   私が?!

   冗談はめて!

   私は不愉快だったわよ!! )」


アンタと呼ばれた者

『 一緒に帰ってやるぐらいどうだ? 』


衛美

「( だ〜れがっ!

   アンタの魂胆なんて見え見えなのよ )」


アンタと呼ばれた者

『 ワタシの魂胆??

  …………はて?

  なんの事だか? 』


衛美

「( どうせ、私のパーソナルスペースへ入った途端にイケメン君を彼方かなたへ吹っ飛ばす気でしょう? )」


アンタと呼ばれた者

『 え……いえ…まさか〜〜〜。

  ……パーソナルスペースに入ったぐらいで…………しませんよ? 』


衛美

「( 騙されないわよ!

   アンタは嘘をく時、必ず語尾が敬語になるんだから! )」


アンタと呼ばれた者

『 誤解です!

  …………誤解だ 』


衛美

「( 言い直すな )」


アンタと呼ばれた者

『 例え過去がそうだったからと言って、今回もそうするとは限らない。

  あれは明らかに奴が悪かった!

  ワタシの大事なえいに接吻をしようとした。

  だから、ワタシが制裁を与えてばっしたのだ。

  当然の報いだ。

  ワタシは悪くない 』


衛美

「( わざわざ十二支を呼び出して?

   袋叩きにして、最後の仕上げにって、男の大事な部分を噛み千切らせといて?

   子孫を残せなくなったらどうするのよ! )」


アンタと呼ばれた者

なにを言う?

  あのような無節操男の子孫など、この世に残らなくてもいいだろう。

  文句を言われる筋合いもなければ、責められる筋合いもない。

  むしろ、感謝してほしいな 』


衛美

「( 出来るか!

   恋愛映画の上映中に、スクリーンに叩き付けられた男子学生が、目には見えないなにかに身体からだ中を殴られて、全身打撲の状態で──、大事な部分を噛み千切られて、劇場内に大量の血が飛び散った惨劇をの当たりにした目撃者達は、一生消えないかも知れない恐怖を心に刻む事になったのよ!

   『 上映中に起きた怪奇現象! 謎のポルターガイスト現象事件!! 』なんて、テレビのワイドショーで報道されて、大騒ぎになって…… )」


アンタと呼ばれた者

『 大事な部分と引き替えに、有名人になれただろう。

  願いが成就してかったではないか 』


衛美

「( ………………確かに願いは叶ったろうけど……。

   本人もあんな叶い方は望んでなかったと思うわ…… )」


アンタと呼ばれた者

『 願いが自分の思った形で成就するとは限らないのがつねだ。

  どんな形であれ、成就したのだからいいだろう。

  世の中には願いを成就させれず、諦めてしまう人間はまんといるのだからな 』


衛美

「( そりゃそうだけど…… )」


アンタと呼ばれた者

そもそもだ、ああなった諸悪の根元はえいだ 』


衛美

「( は…ぁあ?

   私が?!

   どうしてよ!! )」


アンタと呼ばれた者

『 あんな暗闇で寝こけていれば、女に飢えた男なら襲い掛かってもおかしくない。

  と具材の入った土鍋を抱えて眠りこけている鴨が目の前にいれば、えた人間なら空腹を満たす為に迷わずらう。

  骨までしゃぶられても文句は言えない。

  そういう状況だった。

  ワタシがかったな 』


衛美

「( …………だって……眠たかったんだもん!!

   睡魔には勝てないでしょう?

   私だって寝ないように頑張ってたよ!

   でもね、睡魔の誘惑には敵わなかったの!!

   悪いのは私じゃなくて、私を襲った睡魔よ!!

   私は被害者なの! )」


アンタと呼ばれた者

『 なら、どうして睡魔に襲われるような映画を選んだ?

  眠ってしまうかも知れないと分かっていたのだろう? 』


衛美

「( そ、それは……そうだけど……(////)

   君が……『 私と一緒に観たい 』って言うから(////)

   『 どうしても 』って……『 チケットも2人分買ってある 』って言われたし……断ったら悪いでしょ?

   だから…つい…… )」


アンタと呼ばれた者

『 “ つい ” で襲われたらどうする気だった?

  大した力も無いひ弱な女の腕力で男に抵抗が出来るとでも思ったか?

  朝まで好き放題にもてあそばれて、捨てられるのがオチだったな 』


衛美

「( はあ?!

   君は、そんなゲスじゃないし!!

   紳士的で優しかったし!

   ちゃんと私をエスコートしてくれたし!

   女の子扱いしてくれたし!

   いい人だったよ!! )」


アンタと呼ばれた者

『 “ いい人 ” というのは、寝落ちしている異性に覆い被さったりしない。

  してや接吻をしようとはすまいよ。

  ハズレを引いたな。

  ワタシがかった 』


衛美

「( ………………嘘、言わないで…。

   君が、寝こけてる私に覆い被さってたなんて、嘘を言わないで!

   キスとか……有り得ないし!!

   君、言ってたんだから!

   ……『 好きな子がいる 』って。

   『 その子をデートに誘いたいんだけど、失敗したくないから、その前に下見をしたいんだ 』って言ってたの!

   あの恋愛映画だって、その『 “ 好きな子 ” が「 観たい 」って言ってた映画なんだ 』って── )」


アンタと呼ばれた者

『 まんまと口車に乗せられたわけか……。

  ワタシがかったな 』


衛美

「( アンタ、そればっか言うわね! )」


アンタと呼ばれた者

『 それはどうも 』


衛美

「( 褒めてないから! )」

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