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♥ これは式神  作者: 雪*苺
八日目 / 月曜日 4月29日
47/104

♥ 瀬圉家 17 / 本家 17 / 別邸 5 / ダイニングキッチン 1


──*──*──*── ダイニングキッチン


衛美

「 ──げん、大変なの!!

  雪が──、赤い雪が降ってるの!!

  ねぇ、なにが起きて──………………げんなにしてるの?? 」


 階段を駆け降りて、急いで1階へ降りた私は、リビングに入った。


 リビングにはげんなくて、隣のダイニングキッチンにげんづるさんがいた。


 げんは椅子に座っていて、なにかを食べているみたい。


玄武

えいか。

  朝っぱらから騒がしいな 」


厳蒔弓弦

「 御早う、えい

  朝食は和食にしたんだが、かったか? 」


衛美

「 ゆ…づるさん?!

  お…御早う御座います(////)」


 づるさんも泊まってたの忘れてたぁっ!!


 だわぁ……恥ずかしいところをガッツリと見られちゃったっ!!


玄武

「 ワタシの予想が的中したな。

  えいが昨晩、普段しない事をしたから赤い雪が降ったんだろうな。

  えいの所為だぞ 」


衛美

「 言ってろ!

  私が皿洗いを手伝ったぐらいで赤い雪が降るわけないでしょが!! 」


玄武

「 そうでもないぞ。

  えいはもっと自覚した方がいいな 」


厳蒔弓弦

げん……えいをからかうのはくない。

  赤い雪がはえいの所為じゃない。

  気にするな 」


衛美

づるさん…(////)

  がとう御座います。

  ──と、そんな事よりも、げんなにを食べてるの?? 」


玄武

「 今朝のデザートだ。

  いぞ 」


衛美

「 デザートって…… 」


厳蒔弓弦

げんは朝食を食べ終わったからな。

  えいも食べるだろう? 」


衛美

づるさん…。

  どうしてづるさんは落ち着いていられるんですか?

  赤い雪が降ってるんですよ!

  気持ち悪くないんですか?

  不安にならないんですか?? 」


厳蒔弓弦

「 騒いでもなにも変えられないだろう。

  自然現象なら尚更だ。

  人間に雪をませる事は出来ない。

  それにげんが落ち着いているしな。

  大丈夫なのだろう 」


衛美

「 そ…それは…そうかも知れないけど……。

  …………げんほんに大丈夫なの? 」


玄武

「 天気予報では異常気象だと騒いでいるぞ。

  のニュース番組でも緊急特番が組まれていて、面白い程に赤い雪一色だ 」


厳蒔弓弦

「 赤い雪が降ったのは初めてだからな。

  騒ぎになるのも当然だな 」


衛美

「 ニュースで取り上げられる程、一大事な現象なんだって事はなんと無く分かるわよ。

  危険じゃないの? 」


玄武

「 心配するな。

  モノノケの仕業なら間違いなく陰陽師が動く。

  日本には優秀つ有能で金に陰陽師が多いからな。

  赤い雪を降らせているモノノケが原因ならば勝手に退治してくれる。

  放っておけばいい 」


衛美

「 …………なんか無責任ねぇ… 」


玄武

「 そうでもない。

  専門家に任せるのは自然な事だ。

  今日きょうは映画に行くのだろう。

  えい、朝食を食べてしまえ 」


衛美

「 えっ……行くの?

  こんな状況で映画を観に行くつもりなの?? 」


玄武

「 当たり前だ。

  づるの弁当を食べたいからな。

  それに雪は赤く染まっているだけだ。

  身体からだに害はない。

  気にするな 」


衛美

「 …………ほんなんともないんでしょうね?

  映画に行きたいからって嘘いてないわよね? 」


玄武

「 心外だな、そんな事しない 」


衛美

「 そう… 」


厳蒔弓弦

えい、朝食の用意が出来たぞ 」


衛美

「 ──がとう、づるさん。

  それにしてもよ、あるじよりも先に朝食を食べるなんて、式神としてどうなの??

  私がるまで待っててくれてもいいんじゃないの? 」


玄武

「 ワタシがえいより先に食べたのは、えいの為に毒味をしたからだ 」


衛美

「 はぁ?

  毒味ぃ??

  なに言ってんのよ、嘘ばっかり! 」


玄武

「 嘘ではない。

  実際に実体化した式神は毒味役に重宝されていた。

  人間が毒味をすると死んでしまうが、式神は死にはしない。

  毒味役にするなら人間より式神の方が適任だぞ 」


衛美

「 ──げん、幾らなんでも “ 毒味 ” だなんて、料理を作ってくれるづるさんに失礼でしょ! 」


厳蒔弓弦

えい、私は気にしてない。

  先に食べてしまった口実に “ 毒味をした ” と言っただけだ。

  それにしても式神も言い訳をするのだな 」


玄武

「 ワタシは特別な式神だからな。

  言い訳も言えば冗談も言うぞ 」


厳蒔弓弦

げんのような人間味のある式神は世界のにもないのだろうな 」


玄武

「 当然だ 」


 げんづるさんは相変わらず楽しそうに話しているわね。


 まるでとしの近い兄弟みたいに、すっかり仲良しさんね。


 私は腰を下ろして椅子の上に座った。


 テーブルの上にはお洒落なペーパーランチシートが敷かれている。


 ペーパーランチシートの上には、箸置きに乗せられた箸、ごはんの入った茶碗、お味噌汁の入ったお椀、卵焼きのお皿、骨無し切り身魚の網焼きのお皿、千切りキャベツ,千切り大根,千切り人参の梅と鰹節のお浸しのお皿が並べられている。


 れも文句なしにしそう!


 絶対に間違いなく、しいに決まってる!!


 私は胸の前で両手を合わせて「 いただきます 」してから、づるさんが作ってくれた料理をいただいた。


 朝食を食べ終えたあとは、昨日きのうの夜に食べずに残していた杏仁豆腐をいただいた。


 果物フルーツたっぷりの杏仁豆腐もしかった。


 勿論、今朝のデザートもしっかりと、いただいてます!


 角切り林檎の入ったシャキシャキ蒟蒻ゼリーもしくて絶品♥


 づるさんって、料理だけじゃなくてデザートも得意なのね!


 なんか、同僚の人から「 嫁になってくれ 」って言われちゃうのも分かるかも。


 しい料理だけじゃなくて、しいデザートまで食べれたらねぇ…。


 今からづるさんのお弁当が楽しみだわ。


 お弁当の中身がどんなのか気になって仕方無い!!


衛美

づるさん、この蒟蒻ゼリーも美味しいですね。

  もうないんですか? 」

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