♥ 瀬圉家 4 / 本家 4 / 本邸 3 / 応接間 2
衛美ママ:美緒
「 衛美……本当に良いの? 」
衛美
「 いいの、いいの。
だって此方から花婿を探す手間が省けるんだよ。
良かったじゃん。
一般人よりもさ、退魔師の家系の人の方が何かあった時には、頼りになるし、心強いじゃない?
あっても困るけど… 」
玄武
『 いざと言う時は盾にも囮にも使えるしな。
工夫次第で使い道は幾らでもあるぞ 』
衛美
「( 流石にそれは…ちょっとね…… )」
衛美ママ:美緒
「 …………そう…。
衛美が良いなら、お母さんは反対しないわ。
弓弦さん、不束な娘ですけど、宜しくお願いします 」
厳蒔弓弦
「 いえ、此方こそ御世話になります 」
衛美
「 御世話になります??
あの…『 御世話になります 』って?? 」
遠古
「 弓弦さんには≪ 瀬圉家 ≫の近所へ引っ越してもらいました。
婚約中は家族付き合いをして御互いの交流を深目なさい。
それと、衛美さんが卒業する迄は共に大学へも通ってもらう事になりましたからね 」
衛美
「 えっ?!
大学にも通うの??
送り迎えじゃなくて? 」
厳蒔弓弦
「 講義は受けない。
大抵は敷地内にある図書館に居る 」
衛美
「 は、はぁ……図書館…ですか。
じゃあ、お昼と帰りにLINEするようにしますね 」
厳蒔弓弦
「 それは助かる 」
遠古
「 話が纏まって良かったわ。
美緒さん、優は主人から話を聞いている筈です。
責めないであげてくださいね 」
衛美ママ:美緒
「 は、はい…… 」
衛美
「( お父さん…知ってたんだ……。
まぁ、別に良いけどね〜〜 )
──お祖母様、私への用事って婚約者の事だけでいいの? 」
遠古
「 いいえ、未だです。
幼い頃から衛美に憑いている忌まわしい悪霊を祓う為、祿棠冥晶様には九州から態々来ていただきました 」
衛美
「 えっ…。
玄武を祓う?? 」
遠古
「 そうです。
その “ 玄武 ” と言う悪霊を祓ってもらうのです。
幼い衛美に取り憑き、衛美の周りで悪影響を起こし、恐怖を与える諸悪の根源を祓っていただきます 」
衛美
「 わぁ〜〜〜。
( ちょっと悪霊扱いされちゃってるわよ、玄武。
もしかして、此方が本命だったりする? )」
玄武
『 そうかも知れないな。
婚約者も退魔師だからな。
なかなか親切ではないか 』
衛美
「( ちょっとぉ他人事過ぎない?
玄武が簡単に祓われるとは思わないけどさ )」
玄武
『 ワタシを祓うのは無理だ。
衛美の〈 守護り手 〉のワタシは衛美と “ 魂の契約 ” で結ばれている。
契約を解除する事は出来ない 』
衛美
「( 出来ないの? )」
玄武
『 不可能だ。
ワタシと “ 魂の契約 ” をした衛姫は千年以上前に亡くなっている 』
衛美
「( 契約の解除が出来ない玄武をお祓いしようって事ね?
お祖母様……幾らぼられてるのかな? )」
玄武
『 聞いてみたらどうだ? 』
衛美
「( ちょっと怖いかも… )
──お祖母様、勘違いです。
私には何も憑いてないよ。
子供の頃に良くある “ 見えないお友達 ” だったんだよ。
もう大学生になったんだし、玄武は見えてないよ。
お祓いなんて必要ないの。
お金を底無し沼に投げ捨てるようなものだし、勿体無いよ。
帰ってもらったら? 」
衛美ママ:美緒
「 ──衛美、何て事を言うの!
態々来てくださった祿棠冥晶様に失礼でしょう! 」
衛美
「 だって、霊能者や除霊師の殆んどは似非なんだよ。
詐欺師に騙されるようなもんだし。
質が悪い嘘吐きが多いんだよ 」
衛美ママ:美緒
「 衛美! 」
遠古
「 衛美、貴女は祿棠冥晶様が似非師の偽者だと言うのですか? 」
衛美
「 そんな事、言ってないし…。
偽者が多いのは本当でしょ。
陰陽師や退魔師にも、大した事も出来ないくせに大金をせしめる悪い奴とか普通にいるじゃん。
TVに出る霊能者や除霊師だって、全然大した事ないし、ギャラ欲しさに出てるだけのインチキが殆んどじゃん。
まともなお祓い出来ないのにお祓い料を取るなんて、詐欺師でしょ!
お祖母様には私の事で詐欺師に騙されてほしくないだけなの 」
遠古
「 衛美……、貴女は何故、 “ 霊能者や除霊師が大した事がない ” と見ただけで分かるのかしら?
貴女には霊力が見えない筈でしょう 」
衛美
「 だって、玄武が教えてくれるから──…………あっ… 」
衛美ママ:美緒
「 衛美……居るの?
そこに “ 玄武 ” が。
“ 見えないお友達 ” じゃなかったの? 」
衛美
「 ……………………。
( バレちゃったわね… )」
玄武
『 余計な事を言うからだぞ 』
衛美
「( …………面白がってる? )」
玄武
『 まさか。
楽しんではいる 』
衛美
「( 玄武ぅ〜〜〜 )」
玄武
『 折角だそいつにワタシを祓わせてやろう。
己の無能さを思い知らせてやる良い機会だ。
天狗のように伸びた鼻をへし折るのは楽しいからな。
暇潰しには丁度いい 』
衛美
「( もう…。
遊ぶのは良いけど、手加減してよね… )」
玄武
『 相手次第だ。
腕が鳴る 』
衛美
「 えぇと……祿棠冥晶さん、玄武を祓うって本気ですか?
祓えないからって大泣きしないでね? 」
祿棠冥晶
「 我が泣く──と言うか?
無礼な小娘だな、遠古 」
遠古
「 衛美、口を慎みなさい。
祿棠冥晶様は、こう見えても私より歳上なのですよ! 」
衛美
「 …………お祖母様より歳上?
どう見ても小学生にしか見えないのに?? 」
玄武
『 霊能力で老化を遅らせているだけだ 』
衛美
「( 霊能力でそんな事も出来るの? )」
玄武
『 簡単には出来ないがな 』




