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♥ これは式神  作者: 雪*苺
四日目 / 木曜日 4月25日
29/104

♥ 下校 6 / ルルゥアンリィ 4


衛美

「 足りなくて困っている時に無く出して助けてあげる優しさが丁度いいの。

  他人の分も支払いたいのなら、喜んでくれそうな人を選んで 」


 えいはレジで自分の支払いを済ませると、けいたくをレジに残したまま、ルルゥアンリィを1人で出た。


 最寄り駅を目指し、そのまま公園を1人で歩き出した。


玄武

かったのか、えい


衛美

「( いいのよ、これで。

   ──……家族の事まで話すなんて、どうかしてる…。

   突き放して距離を取った方がいいと思うの… )」


玄武

『 そうか。

  ……別に知られて困る事もあるまい? 』


衛美

「( それは…そうかも知れないけど……、今日きょうの私は少しおかしいの…。

   こんな私…きらいだわ )」


玄武

『 楽しかったのだろうな。

  も寄り道をせず真っ直ぐ最寄り駅へ向かうだろう。

  時には楽しむ事も必要だ。

  自分をきらう事はない 』


衛美

「( ……うん。

   ──でも、友達でもない相手に家族の事をベラベラ話した自分はきらい… )」


玄武

えい、友達になってしまえばいい。

  友達として必要がなくなれば、ワタシが責任を持って排除するし。

  不安がる必要も恐れる必要もないぞ 』


衛美

「( 排除って──。

   それが “ いやだ ” って言ってるのに… )」


境戸託司

「 ──さん、待って!! 」


 そろそろ公園を出るという所で、えいは苗字を呼ばれる。


 声がした後ろを振り向くと、けいたくが走りながら向かってていた。


衛美

けい君?!

  どうして?? 」


境戸託司

「 ──ハァ、ハァ、ハァ……、どう…して??

  ……酷いな…。

  ……言ったじゃないか……ハァ、ハァ…。

  『 最寄り駅まで送るよ 』って──。

  忘れちゃった?

  だ明るいけど、女の子を1人で帰らせるわけにはいかないよ。

  ──夕暮れ時を狙って変質者とか出てるんだよ。

  知らないかな?

  さんは小柄だし、華奢だから、狙われ易いと思うんだ。

  1人で歩くのは危ないよ。

  僕は毎日、さんと帰りたいんだ。

  最寄り駅まで送くらせてよ。

  それぐらいならいいよね? 」


衛美

「 ……私なら大丈夫よ 」


境戸託司

「 はあ?

  そんなわけないだろ!

  相手は男なんだよ!

  身を守るすべを持たないか弱い女の子が、腕力のある男に敵うと思うの?

  力の差は歴善だよ。

  抵抗したって無駄だよ!

  お嫁に行けなくなったらどうするのさ! 」


衛美

「 私は跡取りだから、へはとつがないわよ 」


境戸託司

「 そうかも知れないけど……。

  兎に角、女の子の1人歩きは駄目。

  絶っ対駄目!!

  さんになにか遭ったら俺がいやなんだよ… 」


衛美

「 …………最寄り駅は同じだもの。

  けい君の好きにしたらいいわ(////)」


境戸託司

「 うん!

  好きにさせてもらうよ。

 ( あれ?

   もしかして、照れてる??

   さん……可愛いなぁ(////) )

  さんが、知らない男に声を掛けられたり、絡まれたりしないように、俺がしっかり守るからね! 」


衛美

「 …………ありがと(////)

 ( げんてくれるから私は安全なんだけど…。

   むしろ心配なのは、私にちょっかいを出した運の悪い相手の方よ… )」


玄武

『 いいではないか。

  やる気を削ぐのも可哀想だ。

  付き合ってやろう 』


衛美

「( 意外ね。

   げんが、けい君の肩を持つなんて。

   どういう風の吹き回し?)」


玄武

『 どうもしないが…敢えて言うなら、スイーツの為だ 』


衛美

「( …………はいはい。

   そうだったわね~~…… )」


境戸託司

「( あーーー……もう駅にいちゃうな…。

   もっとさんとたいのに…… )

  さん… 」


衛美

けい君、送ってくれてがとう 」


境戸託司

「 …………明日あしたの講義は午前からあるの? 」


衛美

「 そうね。

  けい君の講義はどうなの? 」


境戸託司

「 …………俺は午後からなんだ…。

  さんに会えないや…。

  明日あしたは用事があるから午前は出掛けないといけないし… 」


衛美

「 そう… 」


境戸託司

「 次、会えるのは月曜日……だね 」


衛美

「 そうかしら 」


境戸託司

「 ………………。

  俺、LINEラインするから!

  写メだって送るし! 」


衛美

「 ……しなくてもいいわよ?

  私にも予定はあるし、LINEラインても即読も返信も出来ないと思うから 」


境戸託司

「 そ、そうなんだ…。

  返せないくらい忙しいんだね…。

  もしかして、土日も大学にかよってるの? 」


衛美

「 土曜日は講義があるから大学へ行くけど、日曜日は本家へ行く事になってるの。

  ──月曜日も講義はないから会えるとしたら火曜日ね 」


境戸託司

「 え??

  ……か、火曜日?!

  俺…5日もさんと会えないの?? 」


衛美

「 そうなるわね。

  ──じゃあね、けい君。

  来週の火曜日に会いましょう? 」


 そう言いい、立ち尽くしているけいたくに手を振ると、最寄り駅の改札口をとおり、左側の階段を上がり、毎日利用しているプラットホームへ向かった。


 えいに置いて行かれたけいたくは、正気に戻ると急いで改札口をとおり、えいとは反対側(右側)の階段をがりプラットホームへ向かった。


 けいたくがプラットホームへがりきった頃には、反対側に電車が停車しており、ぐに発進してしまった。


境戸託司

さん…………。

  ホームから手を振ってから別れたかったな……。

  火曜日まで会えないとか…ないよな……。

  さんの本家ってに在るんだろう??

  調べてみるか 」


 10分程経ってから電車がホームへ入ってた。


 停車し、扉がひらいた電車に乗車すると、いている席に座る。


 スマホスマートフォンを片手に持ち、えいから聞き出した会話の内容を忘れないように画面へ打ち込む。


 へ提出する報告書の為にだ。


境戸託司

「( …………俺…凄く悪い事…してるよな……。

   さんを騙してる…。

   友達になれたとしても、友達になったフリをして、さんを騙して付き合い続けるんだよな……。

   あんなに……抱きしめたら折れてしまいそうな程に細いのに…。

   小柄で可愛いのに……。

   きっと悪い子じゃない…。

   “ 悪魔に憑かれた ” とか “ 悪霊が憑いてる ” とか “ 呪われてる ” とか酷い事を言ったり……さんを “ 悪魔 ” 呼ばわりする人もいるけど……違う気がする…。

   俺に出来るかな……さんが、無実で、無害な子だって事を……。

   誰もしないのなら…俺が、証明したい。

   さんは無関係で、安全な子なんだって!!

   ……さんとは嘘も偽りもない…対等でほんとうの友達になりたい。

   …………まあ、可能なら両想いになって、恋人としてお付き合いしたいけど(////)

   ぎゅっ〜〜〜〜って、ハグをしたまま……きゃ〜〜〜〜(////) )」


 けいたくは、文章を打ち込みながら、どう考えてもやってないであろう未来の妄想にふけるのだった。

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