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♥ これは式神  作者: 雪*苺
四日目 / 木曜日 4月25日
26/104

♥ 下校 3 / ルルゥアンリィ 1


──*──*──*── 苺専門店・ルルゥアンリィ


店員A

「 いらっしゃいませ〜。

  ルルゥアンリィへ、ようこそ〜。

  2名様で宜しいですか? 」


境戸託司

「 はい!

  2名様で宜しくお願いします(////)」


衛美

「 声が裏返ってるわよ。

  緊張し過ぎ… 」


境戸託司

「 ええ?!

  そうかな?

  そんな事はないと思うけど…(////)」


店員A

「 2名様で御座いますね。

  では、お席へ御案内させていただきま〜す。

  此方こちらへどうぞ 」


境戸託司

「 あっ…がとう! 」


衛美

「 ふふふっ……

 { けい君、緊張し過ぎ… }」


店員A

此方こちらのお席になりま〜す 」


店員B

「 本日はルルゥアンリィへ御越しくださりがとう御座いま〜す。

  御客様、当店は初めてで御座いますか? 」


境戸託司

「 は、はい!

  初めてでござ…ます(////)」


衛美

「 ちょっ…けい君…。

  私も初めてです 」


店員B

「 左様で御座いますか。

  それでは僭越ながらわたくしもり寿ながが当店の御説明をさせていただきます。

  御客様、御時間は宜しいですか? 」


境戸託司

「 え…説明??

  さん…どうする?

  聞く? 」


衛美

「 初めての来店だし、聞いても損はしないと思うわ。

  けい君は聞きたくないの? 」


境戸託司

さんが聞きたいなら、俺は全然構わないよ!

  なん時間でもさんに付き合うよ!! 」


衛美

「 ……そんなに付き合ってくれなくていいわ…。

  もり寿なが…さん?

  お店の説明 お願いします 」


茂寿

がとう御座います、御客様。

  当店ルルゥアンリィは── 」


 苺の専門店の店員のもり寿ながは、手に持っていたスケッチブックを使い、2人にわかり易く、簡潔に店の説明をしてくれた。


茂寿

「 ──以上で、当店ルルゥアンリィの御説明を終わらせていただきます。

  御視聴、御静聴、がとう御座いました 」


衛美

此方こちらこそがとう御座いました。

  ……イラストが可愛いかった(////)

  聞いてかったわね、けい君 」


境戸託司

「 ──うえ?!

  あ…うん(////)

  そ、そうだね…ハハハ(////)」


衛美

「 呆れた…。

  聞きながらうたた寝してたのね!

  有り得ない…。

  デートだったら、マイナス200ってところかしらね」


境戸託司

「 ええっ?!

  マ、マイナス??

  にっ…200……幾らなんでも200は引き過ぎじゃないかな… 」


衛美

「 どうして?

  彼女が “ 聞きたい ” と言ったお店の説明よ。

  店員さんがお手製のスケッチブックを使って詳しく教えてくれたお店の説明よ。

  それをうたた寝して聞いていなかったなんて…………。

  私がけい君の彼女なら、間違いなく冷めるわ 」


境戸託司

「 うう……ごめん… 」


衛美

「 謝る相手は私じゃないわ。

  説明をしてくれたもり寿ながさんに──でしょう?

  違う? 」


境戸託司

「 う…うん……そう、だよね?

  …………もり寿ながさん、お店の説明をしてくれたのに…御免なさい 」


茂寿

「 いえ、そんな事は…… 」


衛美

「 そんな言い方だと、なにに対して謝ってるのか分からないわ。

  “ 何をしていて ” の “ 御免なさい ” なの?? 」


境戸託司

「 え……う…うたた寝していて…御免なさい(////)」


衛美

「 続けて言ってみましょう、けい君 」


境戸託司

「 ええ?!

  また言うの…。

  …………もり寿ながさん、お店の説明をしてくれてがとう。

  ……それなのに…僕ときたらうたた寝をしてしまって…聞いてなくて…御免なさい!! 」


衛美

けい君、今の謝罪には誠意を感じたわ。

  親近感が上がったわよ 」


境戸託司

「 えっ?

  ほんとう?!

  今ので親近感が上がったの?

  嬉しいな(////)」


茂寿

「 ………………ふふっ。

  御2人は仲が宜しいのですね。

  羨ましいです(////)」


境戸託司

「 そう?

  そう見える?

  仲良しに見える??

  今の聞いた、さん?

  僕達、仲良しカップルに見えるみたいだよ(////)」


衛美

「 はあ?

  “ カップル ” なんて一言も言われてないわよ。

  勝手に捏造しないでくれる? 」


境戸託司

は大目に見て欲しいんだけどな… 」


衛美

「 出来ないわ 」


 えいけいたくのやり取りを暫く見ていた店員のもり寿ながは、微笑ましく笑うと軽く会釈をしてから、席から離れて行った。


 もり寿ながと入れ替わりに、別の店員が2人の席に現れた。


店員C

此方こちらが本日のメニューとなりま〜す。

  お呼びの際は、御手元のボタンを押してください。

  ごゆっくりお楽しみくださいませ〜 」


 持っていたメニューをテーブルの上に置いた店員は、会釈をすると席から離れて行った。


境戸託司

「 本日のメニュー?? 」


衛美

「 ああ…説明を聞いてなかったものね。

  1週間のメニューが違うの。

  各曜日に専用のメニューがあるのよ。

  メニューに掲載されている内容が違うの。

  今日きょうは木曜日だから、木曜日専用のメニューを渡されたのよ 」


境戸託司

「 へえ、そうなんだ。

  木曜日専用メニューか…。

  毎日メニューの内容が違うなんて斬新だね 」


衛美

「 期間限定スイーツは期間が終わるまで毎日食べれるみたいよ。

  期間限定スイーツには旬の果物が使われているの。

  苺とコラボレーションしてる相思相愛スイーツは、人気が高くて直ぐに完売しちゃうみたいね 」


境戸託司

「 そうなんだ…。

  じゃあ、この時間にても期間限定スイーツは食べれないね… 」


衛美

「 常連客になれば、電話予約も出来るみたいよ。

  店内で食べる人に限るみたいだけど。

  ──どう?

  頑張って常連客になってみる? 」


境戸託司

「 え?

  そんなサービスがあるの?!

  ……さんが『 期間限定スイーツを食べたい 』って言うなら、俺は迷わず常連客になるよ!! 」


衛美

「 ……そ、そう?

  私は── 」


玄武

えい、断るな。

  ワタシは食べたい。

  本人も満更でもないみたいだ。

  常連客になってもらおう 』


衛美

「( げん…… )」


玄武

『 期間限定スイーツ、食〜べ〜た〜い〜〜〜 』


衛美

「( ………………分かったわよ )

  ……常連客になってほしいわ。

  けい君がいやでなければ──だけど… 」


境戸託司

さん!!

  俺、嬉しいよ(////)

  さんに必要としてもらえるんだからさ!

  頑張って常連客になるから、楽しみにしててよ 」


衛美

「 ……がとう。

  期待してもいいのかしら? 」


境戸託司

「 勿論だよ!

  絶っ対に沈まない豪華客船に乗ったつもりで期待して待ってて!! 」


衛美

「 ……頼もしいわね。

  今ので好感度も上がったわ 」


境戸託司

「 こ…好感度……マジ?!

  嬉しいな〜〜(////)

  ──あっ、さんはなにが食べたい?

  木曜日はロールケーキフェアなんだね。

  ロールケーキって言っても、色んな種類があるね。

  果物は苺しか使ってないのに、こんなにバリエーションがあるなんてさ…パティシエは凄いね! 」


衛美

ほんね。

  そうね、私は── 」


玄武

えい

  ワタシは “ 抹茶と苺のロールケーキ ” とやらが食べたい。

  苺を練り込んで焼いた生地に、ほろ苦い抹茶クリームの中に苺がふんだんに使われているロールケーキだ 』


衛美

「( 高いじゃないのよ )」


玄武

けいたくに払わせればいいだろう。

  えいが頼めば喜んで支払いも済ませてくれる 』


衛美

「( いやよ!

   付き合ってもない人にたかるなんて…。

   自分で払うわ )」


玄武

『 そうか…。

  甘えれば喜ぶだろうにな 』


衛美

「( 悪い式神さんね… )

  ── “ 抹茶と苺のロールケーキ ” にするわ。

  苺を練り込んで焼いた生地に、ほろ苦い抹茶クリームの中に苺がふんだんに使われているロールケーキね 」


境戸託司

「 美味しそうだね!

  抹茶クリームと苺のコラボか〜。

  どんな味なんだろうね。

  なら、俺は── 」


 自分が気になるスイーツを決めたけいたくは、左横に置かれているボタンを押した。


 ボタンから店内のイメージ曲の1部が鳴り、店員が注文を受けにた。


 4人目の店員だ。


 名札には “ ” と書かれていた。


須環

がとう御座いま〜す。

  御注文を御伺い致しま〜──えっ?

  あ…たく?! 」


 は、けいたくを見るなり、声のトーンが上がった。


境戸託司

「 え?

  ──あっ、?!

  どうしてが、(ルルゥアンリィ)に居るんだ??

  ……あっ、バイト先って、(ルルゥアンリィ)の事だったのか… 」


須環菜菜絵

「 …………なんだ…ちゃんとデートする相手…るんじゃないの……。

  嘘…かなくていいじゃん… 」


境戸託司

「 え?

  いや、デートっていうか(////)

  だ、デートじゃないっていうか(////)

  ……………デートに見える??(////)」


須環菜菜絵

「 と〜ってもお似合いのカップルに見えるわよ?

  …………かったじゃないの、ちゃんと彼女が出来て…。

  ──御客様、御注文を御伺い致します 」


境戸託司

「 あっ、そうだね!

  ええと── 」


 えいが選んだスイーツと自分が選んだスイーツを店員(須環菜菜絵)に教える。


 お互いの名前を呼び捨てている様子や会話の口調からして、顔見知りであり、随分と親しい間柄のようだ。


 けいたくに親しい異性の友達がた事に少しだけ以外だと思いながら、えいは、2人の会話をしずかに聞いていた。


 注文を受けた店員(須環菜菜絵)は、他の席から曲が鳴った為、会釈をしてから次の席へ向かった。


衛美

「 異性の友達、るじゃないの。

  けい君は、うそきさんね 」


境戸託司

「 ええ??

  だな…違うよ!

  は友達じゃないよ! 」


衛美

「 ……彼女?? 」


境戸託司

「 ちっ…違うよっ!!(////)

  は……みやこしの従妹なんだ!

  だから──みやこしと仲のい俺もとは顔見知りで、親しいんだ。

  だから、女友達じゃないし、彼女でもないから!!

  ほんとうだから。

  俺っ、年齢 (イコール) ちゃんとフリーだからっ!! 」


玄武

『 必死だな 』


衛美

「( 逆に疑わしいわ… )」


境戸託司

「 ………………さん??

  あの…怒ってるの? 」


衛美

「 どうして?

  怒る理由がないわね。

  嘘をかれて悲しく思う程、けい君とは親しくないもの 」


境戸託司

「 ……………………そ…だね。

  ……なんかさ、俺ばっかりだね、浮かれてるの(////)

  恥ずかしいな…ハハハ(////)」


衛美

「 そう?

  私は楽しいわ。

  けい君は見た目と違って面白いもの 」


境戸託司

「 ええ?!

  そ、そうかな?

  “ 面白い ” って言われたの初めてだよ!!

  さんが俺とて “ 楽しい ” って思ってもらえて嬉しいよ(////)」


衛美

「 そりゃどうも… 」

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