四話
溶けていた街を散策していた。時間が経っているのか肉塊が転がり落ちていた。まだ原型が残っていた。
それを踏み歩いているのは実に楽しいことだった。不思議なことに声が聞こえてくる。泣き声、喚き声、助けを呼ぶ声。まだこの世界には生き残りがいたんだ。そうに違いない。でもこの雨は声も溶かすはずなのに、心拍の音だって聞こえてくる。眼の前に頭が転がっていた。知っている顔だった。なぜここに前の世界にいた住民…いや担任がいるんだ?どうしてこの街にもいたんだ?こいつはクローンなのか?
「やぁはじめまして」
そんな声が聞こえた。
「君、見ない顔だね。どうしてこの街にいるんだい?もうこの街も崩壊済みなのに。どうしているんだい」
どうしてって言われてもなぜ私に話しかけるんですか?もしかして疑っています?もしかして能力のことですか?能力なんて私には無いんです。
「やけに長く喋るね。しかしながら有言実行したはずなのになぜか生きている人がいてね、殺さないといけないんだ。だからごめんね、もし殺しちゃった場合、楽に、そして天国には行かせるから」
この街にいる理由は血の雨から難を逃れたからです。しかし殺してくれるならいっそのことぐちゃぐちゃにしてほしいものです。でもあなたは殺せれないでしょうね。ずっと狙っていましたから。
「狙っていた?私を?いやいや何故私を殺そうとしているんだい?」
前の街、その前の街を崩壊させた張本人だから、そして君は僕の目を奪った人物。なぜ奪った、なぜ崩壊させようとした。
「何故って言われても、そんなのほぼ協力に違いないじゃん。いやぁ担任と警官にはよくお世話になった。もうあの二人は死んでしまったけどな。私が殺したから。もう私は神に近い、能力も奪えれる。世界を一瞬で崩壊させることだってできる。何か文句あるかい?」
…文句なんてない。でも愛しき街を崩壊させたのは許せれない。だってあの街には少し必要なことを担っていたから。なにを担っていたのかは君もわかるだろう?
「わかるよ。死の街、生の街、無の街、だろ?そんなの覚えているに違いない。それ以外に何を担っているんだよ。」
死の街には2つの役割をしていた、犯罪者を閉じ込める場所、そして記憶を消す所。犯罪がないように死の街には記憶を消すゲートがあっただろ、あれが特に重要だった。生の街は犯罪が無いように監視が一般だった。犯罪を犯したのなら死の街に飛ばされる。そして今いる無の街。ここはな…ここは…
「なんにもないって言うんじゃねぇよな。能力というのがあってそれを利用する奴らが多かった。」
それ以外にもあった。能力以外に、君には気づけなかっただろう。あの傘を。もう君の目の前にあるよ。
「何言っているのかね。君の能力かい?ハハッ。面白い能力だね。」
前から持っていた能力…ではあるんだけどこれで姉を殺してしまったことがある。だから形見として僕が持っている。それを貴方に返すんだ。
「は?」
君は有限実行、一緒に死んでもらうよ。傘は鋭利にもなる武器。包丁だって日本刀だってそう。様々なものに変化するんだ。もう君はおしまいだよ。
「おしまいっていわれてもおれは死なねぇよ?溶けれるからな。」
それを無視できる方法はあるんだ
「なにをいっているんd…ガハッ…なにをやったんだ。」
毒だよ。僕にも効くだけどね。あの花を使ったんだ。もう僕は投与している。でも一人じゃ反応しない。二人この花の蜜を飲めば二人とも死ぬ。
「あの花ってなんだ?あの花ってなんだよ。」
あの街に咲いていた。あの紫の花だよ。
「…そういうことか。もう俺もお前も死ぬ運命だな。」
じゃあね




