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第12話 忍者の鋼の精神力は毒ガスをも克服する! 見よ、ブラック労働の恐ろしさ!!!

 “死の天使”と渾名(あだな)されるナチス軍医ヨーゼフ・メンゲレの御霊を自身に降ろしたイタコ・シャーク!

 その毒ガス攻撃が迫るも、忍之介は空間除菌(笑)で何とかしようとしている!


 遂に忍者最後の時なのか!?


「哀れなものだな、低能民族というのは。問題の解決方法を模索することなく、そんな他愛のないオカルト商品に己の命を預けるというのか……。やはりこの世界を真に支配するべきは地上で最も優れた民族、アーリア人でなくてはならない」


「低能、か。そう見えるのなら愚かなのはあんたの方さ」


「……何だと!?」


「よく目を凝らし、見てみなよ」


 忍之介は、空間除菌カード(笑)を誇示しながら、自身へ迫る毒ガスの中へ足を踏み入れた!

 そして平然とした顔で毒ガスを除菌(!)しつつ歩みを進める!


 バカな! 何故こんなことが!? 常識的に考えて有り得ない!!!


「な、何ぃー!!!」


 思わず驚嘆するメンゲレ! 読者も驚嘆!


 何が起こっているのか!?

 解説しよう!


 空間除菌カードを(笑)から(!)に変えたもの、それは忍者の尋常ならざる自我の強さ。そして思い込みの強さ。簡単に言えばそれは“自己暗示”である!


 プラシーボ効果、という言葉を聞いたことがあるだろうか。日本語では偽薬効果、という。

 その名の通り、何ら薬理的影響のない薬を「よく効きますよ」「()ぶぜ」などと言って患者に渡し服用させると、実際には薬としての効能はないはずなのに症状が改善されることがある。

 ゆえに偽薬効果。“心”が“体”を騙しているのだ!


 ここで筆者の体験談をお話しさせてもらうことにする。


 筆者はブラック労働者だった頃、どんなに体調が悪くても仕事を休むことが出来なかった。

 ある日、朝から明らかに熱があって具合が悪く、体温が39度近くある状態で会社へ行った。ここで「しんどいので早退させてください」などと言おうものなら「根性無し!」「仕事を舐めてる!」「お前なんかどこの会社へ行っても通用しない!」「おっぱい星人!」などという罵倒が待ち構えていることはわかりきっていた。


 なので気合と根性で「俺は健康だ」「俺はしんどくない」「俺はイケる」「俺は意外と脚も好き」と強烈な自己暗示をかけ働いていると、家に帰って体温を計ったら平熱に戻っていたのだ!

 かように自己暗示は、強靭な精神が肉体を凌駕することによって引き起こされる、「そうはならんやろ」を無理やり捻じ曲げて「こうなるはず」を実現させるパワーを秘めているのである!


 なんか説明がヘンな気がするが、読者諸氏も「この説明は圧倒的に正しい」と自己暗示をかけて納得して頂きたい!


 忍之介の忍者ならではの自己暗示スキルは、空間除菌カードを本当に実際にめちゃくちゃ効く代物に変えてしまったのである!

 今、空間除菌カードを手にした忍者にはあらゆる毒物が効かぬ!


「有り得ん! 私の毒ガスが!!!」


「メレンゲだかメンヘラだか知らないが、その程度の力で忍者を倒せると思わないで欲しいね!」


 濃密な毒の霧を抜け、忍者がメンゲレの至近距離へ!


「解剖だー!」


 両手のメスを振るう悪魔医師! しかしその動きは忍者に対してあまりにも緩慢!


「いいや、解剖(バラ)されるのはあんたの方だ!」


 メスを回避し、忍者はその手刀をメンゲレの胸部へと叩き込む!


 ズブブッ!!!


 肉にめり込んだ貫手が心臓を刺し貫く!


「ガハアッ!」


 大量吐血!

 そして忍者が一気に腕を引っこ抜くと途端にスプリンクラーめいて血液が大量流出!

 これはもう絶対にどう考えても死んだ!


「ゴボゴボッ……! この、“死の天使”メンゲレが貴様如きに……」


 両膝を地に付き、忍者を見上げるメンゲレ。その瞳から命の灯が消え去ろうと……。


 否ッ!


「っ!?」


 忍之介が、ある異変に気付く!

 突如、メンゲレの胸部にあったはずの風穴が塞がった!

 いや違う!

 塞がったというより、初めからそこに穴など穿(うが)たれていなかったように、白衣も、メンゲレの口元にも、一滴の血すら付着していなかったのである!


「これは!?」


 振り上げられるメス! 寸前で回避! 飛び退いて距離を取る!


「なぁーんてね! このメンゲレ、まだ“奥の手”というものを隠し持っているのだ!」


 いきなり無傷になったメンゲレがのそりと起き上ってきた。不気味な笑み。そして彼は忍者に衝撃的事実を告げる!


双子の(ジェミニ・)結合実験(エクスペリメント)の果て……このメンゲレは究極の“成果”を得た! 現在の私は量子力学における“重ね合わせ”状態、無限に存在する“シュレーディンガーの猫”、エヴァレットの多世界解釈に基づいた“並行して存在する無数の自分”の集合体なのだ! 分かるか、この高度に科学的で進歩的な理論が! 今現在、“私”に内在する“私”の総数、約10億人!!! つまり貴様は10億人のヨーゼフ・メンゲレの中のたった1人を(たお)したに過ぎないのだ!!!!」


 なるほど! ちょっとよくわからないですね。

 詳しい解説キボンヌ。

 次回へ続く!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ブラック労働者エピソードは涙なしには読めないね……。・゜・(ノД`)・゜・。 共感の涙(吐血
[気になる点] なるほど!まったくわからないですね。 専門用語の羅列……。ですよね? 解説キボンヌ。
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