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勇者の村に来ました。
魔法陣はヘンリーが思い浮かべた場所へと向かう。
思いついたのはルディやジョージの住むオハイオ村の湖だった。
光が消えると、湖の側に着く。
「懐かしい……」
アンリエッタは呟く。
だが、何故ここなのかは謎だった。
「ヘンリー、来たことがあるの?」
アンリエッタは問う。
「いいえ、きっとお姫様の願いでしょう」
不敵な笑みを浮かべ、ヘンリーは言う。
前にルディとジョージのビジョンを勝手に見て、湖も見えたのだ。
「ヘンリー、アンリエッタ姫様……」
ドサッと音がし、皆振り向く。
そこには何故かロバートがいた。
「ロバート、何故あなたがここに?」
アンリエッタが問う。
ヘンリーもユーフェミアも同じ疑問を持つ。
ロバートはオハイオ村出身ではないのだ。
「孤児で行く所無いから、ジョージについていったんです。それより何故アンリエッタ姫様が?」
「私達は……ねぇ?」
アンリエッタは視線を逸らす。
「私が説明しましょう」
ユーフェミアは言うが、とりあえず説明も兼ねてロバートの居候先であるルディの家へ向かった。