↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マリオネットの糸が切れるまで  作者: ぬぬぬ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/4

「やまない雨」

雨が降っている。


夜の街を濡らすには十分な雨だけど、私の気配を消すには少し弱かった。

革靴が水溜まりに触れる度、ぱしゃり、と小さな音が鳴る。職業柄はダメなんだろうけど特に問題ないと判断しそのまま進み続けた。でも、雨具を着ていないからたまに背中から滴る水滴がひゅっとする。


取りに帰ろうかな、、でもパパに怒られたくはないしやめとこう。面倒事は避けなくちゃ。


やっぱり雨だと今ひとつ気分が乗らないけど、仕事だから仕方ない。


特に何も考えないで歩いていたらお目当ての建物が見えてきた。一通りの少ない通りの、更に街灯が少ない奥の方に静かに佇んでいる。


灰色の三階建て。外壁はかなり黒ずんでいて、かけている。極めつけは窓ガラスが何枚か割れている。多分この建物だと思う。


私は建物から少し離れた場所で、ポケットの中を探ると指先に紙が触れた。パパからの手紙。


雨に濡らさないように自分を屋根にして、乱雑に折りたたまれた紙を開く。そこにはいつものように、仕事内容が事細かに記載されている。


以下、今回の目的地

エリアⅤのⅢ番通りA-26 

以下、概要

表向きには廃業した工場。今夜ここに集まるのは武器の密売を生業とする組織の幹部と、その護衛。欲しい情報も、生かす理由も無い為、発見次第処分すること。


難しい言葉が多くて、分からないことが多い、、けど、私に与えられる仕事は基本的に殲滅。殺しすぎて怒られることはないと思う。


手紙を折ってポケットにもどした後、建物の近くへ回った。建物自体は多分あってる。廃工場にしては人の気配がかなりする上に、妙に殺気が巡っている。


見張りの男に気づかれないため、水溜まりを踏まないように進んだ。裏に回ると壁に取り付けられた古い配管が目に入る。他に道は無さそうだし仕方ない。ゆっくりと手をかけ少し揺らしてみるが耐久面は大丈夫そう。


雨のせいで少し滑る…けど支障はない。体を持ち上げ足場となる場所に順番に体重を移し登る。3階までそこまで時間はかからなかった。


割れた窓から中の様子を伺う。が、人はいなさそうなので、このまま侵入する。


コトッ。


「なんだ…?」


足音がなってしまった。バレてなきゃいいんだけど。


カチッ。


今部屋の向こうの通路から聞こえてきたのはきっと、コルト・パイソンの撃鉄を起こした音。流石に.357マグナムを食らって動けるほどタフじゃない。面倒。


物陰に隠れてやり過ごすか、侵入者だとバレてないうちに倒すか。この部屋に大した物陰は無いので後者を選んだ。


勢いよく廊下に飛び出すと、銃口をやや斜め下に向けた男と目が合った。やっぱり侵入者とは思っていなかったらしい。それが命取り。


男が銃口を私に向けなおすが、もう遅い。既に目の前まで迫った私を捉えきれなかったリボルバーを弾き、その勢いを殺さず右手で男の手首をつかみ腕ごと体を捻り倒し、背中に乗る。それと同時に左手で男の口を塞いだ。


背中で掴んでいる相手の手を一瞬離して自分の体で抑え直した。


全員処分と言う言葉を信じて、手を2回握って親指の第一関節に仕込んだ鉤爪で男の動脈を切り裂いた。幸いにも男が声を出すことはなかったのでおそらく仲間にもバレていないだろう。


一息ついたところで、もう一度手を2回握って鉤爪を引っ込める。物心つく前から付けられていたから、普通の人にないことにたいそう驚いたのを覚えている。


必要のない考えを頭の隅にやり男の銃を拾い上げた。

さすがコルト・パイソン丁寧で高級感のある作りからは、想像もつかないほどの威圧感と凶暴性を感じる。


弾丸は幸いにも6発残っている。男の死体を漁ると追加で3発見つけた。十分役に立つ。ありがたく貰っておいた。


男がいなくなって騒ぎになると面倒だし、このまま少し派手でも突入していこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。