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ストレンジフィールド  作者: 大犬座
3章 ストレンジャー・サークルとコロニーの悪意
33/80

3-1 解明者の責任

ダンジョンを脱出してコロニーに到着したミエリとジェインズのパーティは門をくぐって街に入ると安心からそのままぐたりと倒れ込んだ。


「なんとか帰って来れたな、ミエリも初調査お疲れさん」


「はい……やっぱり一筋縄じゃいかないですね、何度も死にかけて結局死んでしまいましたし」


「そういやなんで死んでたの?他のメンバーも怪我はしてたけど普通にしてたし」


「それは……巨大なグロブスタと戦ってた時にわたしが囮になったんです……」


「囮になったの?あなたが?無茶するねー」


「相手の手を読んでわたしを襲わせるように誘導して、懐に潜り込んだところを攻撃しようと思って……結局イサオさんたちの助けがなかったら倒せなかったんですけどね」


頭を掻きながら恥ずかしそうにエヘヘと笑うミエリ、その言葉を神妙な顔で聞いていたジェインズが突然彼女の頭を叩いた。


「痛っ!?何するんですか!?」


「お前、解明者の資格ないぞ」


「ちょっとジェインズ!それは言い過ぎだって!」


ジェインズの発言をフラブランが嗜めるがそれを気にする様子もなく続ける。


「ダンジョンでは一人減るだけでも戦力に大きな影響が出る、しかも死体を運ぶ負担も他のパーティにかかってしまうってのに、その時は良くてもそれ後はどうするつもりだったんだ?」


「うっ……」


先輩のお説教に対しミエリが言葉を詰まらせる。


「その時は守れてもその後に影響を考えるなら無茶な行動は控えろ、自分を守れない奴が仲間を守ろうと思うなよ」


「ジェインズは言い過ぎだけど自分は大事にしないと駄目だよ?あいつらミエリが死んだからか知らないけどめっちゃピリピリしてたからさー、私もちょっとビビったよ」


「そうなんですか……みんなが……」


「イサオはウザいところもあるが面倒見はいいからな、他の連中もそうなんじゃないのか?あんまり心配させんなよ」


「……」


「ジェインズ、新人をあまり虐めるのはよせ」


「そ、そうです!仲間想いなのはわ、悪いことじゃないですよ!」


後ろで聞いていた二人がミエリをフォローし始めた。


「ううん、ジェインズさんの言ってることは正しいよ、わたしはみんなに心配かけちゃったんだね……」


ミエリの言葉に二人が黙りその場に重い空気が流れる。


「あーあ、ジェインズあんたのせいでー」


「な、なんだよ!……あーもう分かった俺も言いすぎたよ!だから元気だせよ!」


不器用に皆が励ましてくれていることはミエリにも分かっていた、だが自己満足で突っ走ったことを責められたのは想像以上に彼女にショックを与えていた。


「大丈夫です、今回助けていただいてありがとうございました……みんなに謝ってきます」


「あ、あのー……」


ミエリがトボトボと歩き出す、その後ろ姿にエルーが何か言いたげに声をかけた。


「ん……?まだ何かあるの?」


振り返るミエリにエルーが震えながら何かを言おうとする、その姿をさながら小動物のような仕草だ。


「そ、そういえば、ミエリさんの端末は壊れているんですよね?先に直しに行くべきかと」


「え?……あっ!ほんとだ!なんで知ってるの!?」


端末を確認し反応がないことを確認して今更ながらミエリが慌てて端末を見る。


「私たちはイサオたちとその話を偶然したから知ってただけだよー、というかかなりピンチだったみたいだけど連絡とかしなかったの?」


「え、ええと……まだ慣れてないから忘れていたというか、忙しくて忘れていたというか……」


「はは!まあ初心者なら仕方ないな、イサオが連絡しなかったのは不思議だけどもさ」


「いや、イサオの端末は壊れていたと本人たちが言ってただろ」


堂侍がジェインズにツッコむ。


「あれ、そうだったっけ?まあ俺は興味あることにしか基本耳を貸さないからな!ハハハッ!」


先ほどまでの湿っぽい空気が消え、メンバーにわちゃわちゃとした雰囲気が戻ってくる。


「何かあったらすぐ連絡したほうがいいよー、一部のダンジョンじゃ繋がらないこともあるから過信はできないけど」


「ミエリさん、お仲間さんのことをもっと頼っていいと思います、蘇生できると言っても絶対ではないですし、やっぱり仲間に死を見せるのは悲しいことです……」


エルーが悲しそうな声で自分の考えを吐露する、引っ込み思案な彼女でもヒーラーとして思うところはあったのだろう。


「そうだね……ありがとうエルー、あなたは優しいね」


「うぇ!?そ、そんな……」


「じゃあわたし、もう行きますね。本当にお世話になりました」


ミエリが手を振りながらギルドへ向かう、その姿にはもう暗い表情はなかった。


「おう、これからは無茶するなよ」


「お金になる仕事があったら私たちも呼んでねー」


「うぅ、私はただ当たり前のことをしているだけです……」


「いつまで恥ずかしがってるんだエルー、それじゃあ元気でなミエリ」


パーティに別れの挨拶をしたミエリはとりあえず端末の修理のためにギルドへと向かって歩き出した。

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