夢
「うっ…が…っああああああああああああああああああっ」
痛みに耐えかね放たれる悲鳴が私の胸を粉々にする。白い羽根が舞い散るその中心で、人ならざる者が絶叫する。
後ろ手に鎖で繋がれ、涙を流しながら痛みに悶絶する。しかし周りの手がその美しい”鳥”に動くことを許さない。
”鳥”の綺麗な相貌が私をとらえ悲しそうに歪んだ。その間も、悲鳴が、呻きが、止まることはない。私は息を呑んだ。
「ごめんなさい。ごめんなさい、陽だまりの君」
不意に声が聞こえた。見えない誰かが、私の口がそう言った。私の頬を温い何かがしたたり落ちる。
その言葉に、涙に、”鳥”は固まった。瞳が輝きを取り戻していく。何物にも染められないガラスのように透き通り、何故だか私を罪悪感でいっぱいにした。
”鳥”は次第に口に無邪気な微笑を浮かべた。
「ああ愛しい君。最期に貴女といられて幸せでした。」
翼をもがれた無残な姿で、”鳥”はなお私を気遣い慰めようとする。死んでしまえたらどんなに楽だろう、と私は思った。
きっと好きなのだ。私はどうしようもなくその者を大切に思っている。離れたくない。あまつさえ、殺すなんて。耐えられない。
「ああ……愛していてよ、誰よりも愛していてよ、わたしのルシファー……」
私はその場で頽れ、言葉は覆った手にはじかれ音をなさずに消えてしまう。もうそれ以上”鳥”を見ていられなかった。
「〈太古の住人、魔の理に身を置く者よ。我が願い聞きとどけ給え。〉」
私の紡いだ言葉に大気が慄いた。
金色の光が出現し爆発するように強烈に発光する。
「〈理を曲げ彼のものを救わん—————御名のもとに、我らに”楽園”を。〉」
金色の光は真円を描き世界を貫く。
光の柱の眩い白い世界で私はただ”鳥”の身を案じ目を閉じていた。




