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ギャグパートです。

どうもふざける時だけ筆が進むのはきっと作者が普段真面目であるからでしょう(確信

 見慣れた造りの石壁に沿って進むと、神官から鍵を借りた。

部屋の配置から何からアイシーンの街と同じように思える。

どうやらわざと同じ造りにしているようだ・・・。

まぁ・・・王都だから豪華で巨大に!とかやると、賄賂と汚職の匂いがプンプンしそうだしな。


「さて・・・入りますか」


まずは転職部屋へと入る。

全く違う街なのに同じような雰囲気なのは、職業神じじいの神気とでもいうものに触れているからだろうか?


さてさて、狂戦士とか見られたくない職業も既にレベル最大である。

銃器製造は触れないでおくとして・・・う~ん、パーティメンバーでも無いスティの奴を考慮する必要は無いだろうから、ポーラさんの護衛関係で役に立ちそうな職業を選んでおくべきか?


基本職の上位版が並ぶリストを見ながら悩む。

護衛関係で役に立つっていうと・・・敵の気配を察知する系統か、攻撃を防ぐ防御系、近寄る前に倒す遠隔攻撃系・・・。


職業的に言えば、斥候系、盾戦士系、ハンター系だろうか。

悩みつつリストを眺めているといくつか追加されているようだ。

狂戦士をクリアしたことでアップされたのか、ご丁寧に職業の横にnewと出ている。


「えー、なになに・・・」


暴虐戦士new

けだものnew

ぱんだnew

真・中間管理職new


「・・・・・」


左右を見た。何も居ない。


前後を見た。勿論何も居ない。


うん・・・。


「なんでだァァッ!」


暴虐戦士はまだいいよ!本当は良くないけどいいよッ!この際ッ!


でもその下の三つ!!


けだもの!?職業どころか貶してるだけじゃんッ!

なに?「キャー!けだものー!」とかなっちゃうの!?

意味がわからんッ!


それにパンダってなんだよッ!動物かッ!!

ただの動物に成り下がってしまうのかッ!


あとさらっと中間管理職の上位職とか出すんじゃないよ!!

なんだか微妙な気持ちだよ現在ッ!!


《やっちゃいました☆》


出やがったなジジィィィッ!!!


《まぁまぁ落ち着くといいんじゃよ?冷静に詳細を見てみるんじゃよ?》


さらっと詳細見させようとしてるけど、このパターンだとそのまま転職させられる流れですよねぇ!?

流石にケダモノだのパンダだのは嫌だよ!

間違いなくパーティ解散の危機だよッ!

俺だったらケダモノと組みたくないものッ!

真剣に尻の心配したくないものッッ!!


《大丈夫大丈夫☆》


全く安心出来ない回答だよ馬鹿野郎!!


「・・・はぁ、仕方ない。見るだけ見よう」


『暴虐戦士:狂戦士の上位職。理不尽なまでの攻撃力と殲滅力を兼ね備え、一国を滅ぼせる程の戦闘力を持つ。スキルはほとんど得られないが、ステータスが大幅に上昇し、運・精神にマイナス補正が掛かる。すべてを・・・消し去れ。全てをだ。取得条件:狂戦士レベル10、6時間で魔物100匹討伐』


ふむふむ、職業名はともかく攻撃特化になれるわけか。

攻撃力が理不尽っていうとこに一抹の不安を覚えるけど、一国を滅ぼせるってやばくないか?


・・・間違いなくヤバいよな?

さりげなく運が低下するらしいし。

これ以上運が下がるとかまともに生きていける気がしないよ。

相変わらずの映画予告みたいな台詞も中二臭い上に危険な臭いがプンプンするし。

ステータス見られた日には俺終了のお知らせの予感しかしない。


うん・・・これは、うん。

無いな、無いよ。


『けだもの:理不尽なまでに夜に強くなる。闘争本能と非常に高い性欲に即したスキルを数多く取得することが出来、あらゆる女性に対して優位に立つことが出来る。はぁはぁ・・・もういいよね?取得条件:運G』


ただの変態じゃねぇかあああああ!!!!

なんだよ理不尽な夜の強さってッ!!

ただの性獣じゃねぇか!

碌でもねぇスキルしか覚えないしこれは却下だ却下ッ!!

なんだよッ!はぁはぁ・・・もういいよね?って!


よくねぇよッ!!!


『ぱんだ:この世界には存在しない幻の動物ぱんだ。彼の動物を見た者に幸運と癒しを与える事が出来る上に、非常にタフである。スキル・もふもふの心得、スキル・ぱんだ?などの癒し系専用スキルを得ることが出来る。なお、この職業に転職すると専用スーツが支給され、装着すると脱げなくなる代わりに世の女性達からモテモテになる・・・かもしれない。・・・もきゅ?取得条件:ユウ・ミサキ』


取得条件んんんんんんッ!!!

まさかの俺限定ッ!!

完全に狙い撃ちされてんじゃねぇか俺ッ!!


《女神連中に脅さ・・・お願いされて作ったんじゃよ?ガタガタ》


ジジィィィ!?脅されてるのッ!?

駄目神といい、なんて傍迷惑な・・・そういやまともな女神ってミーネ師匠位じゃないのか?

師匠は師匠でまぁ全く問題ないとは言わないけど、理不尽では無かった。多分。


《なってくれるんじゃろ?じゃろ?》


ジジイ必死だな!!


う~ん・・・会社の宴会で着たことあるし、着ぐるみ云々に抵抗はあんましないけど、流石に四六時中着るのはなぁ。

なんかでっかいパンダの顔をかぶるわけだろ?飯食えないじゃん・・・そもそも脱げなくなるってのがまず無理なんじゃ・・・


《変えたい時は装備変更ならいけるんじゃよ。流石に食事中までその格好は笑え・・・可哀想なんじゃよ?》


オイ!?ジジイ笑えるって言っただろ今ッ!!


《ぱんだに転職しますか?はい・YES》


唐突に選択肢を突き付けんじゃ・・・

駄目だ。そもそも選択させる気が無いようだ。


「まてまて!!最後まで見させてくれよ!それに今の状況・・・ってジジイは知らないか?」


《気合入れて作ったから最後まで見て欲しいんじゃよ?今の状況は知っているんじゃよ?》


「なら分かるな?今は人を守る系統の職業に就きたいんだよ」


《・・・》


真面目に言っているのが分かっているのか沈黙するジジイ、もとい職業神。

腐っても職業を司る神なはずだし、これは・・・通じたか?


《パンダに転職しますね?いいえ、わかりました・はい、わかりました》


お、分かってくれ・・・


「てないッ!!なんだよいいえ、わかりましたって!!おかしいだろ!?どっちなんだよ!!」


《ぱんだになると誓います》


もう駄目だ。質問ですらない。


微妙に結婚式の宣誓みたいなのも腹立つが、ジジイもいつになく強引なところを見るにかなり必死なのだろう。

・・・心の中では既に答えは出ているが、最後まで見ておこう。


『真・中間管理職:悲しみと胃痛を乗り越えた企業戦士。クレーム処理、営業から会社運営まで行えるタフな精神を得る。スキル・居酒屋で愚痴、スキル・独身のワンルームなどの哀愁漂う数々のスキ・・・』


リスト詳細削除っと。


《あ》


さて、パンダになるか・・・すげぇ憂鬱だ。

ん?着なければいいのか?・・・そんなことが許されるわけがない、か・・・。


《せめて最後まで読んで欲しかったのじゃよ・・・?》


読む気もせんわッ!!

スキルっていうかただの生活スタイルじゃねぇかッ!!

俺のトラウマをガスガス突き刺しおってェッ!!


《つい作った。今は反省している☆》


反省している奴が語尾に☆を付けるかッ!!

転職止めようかな・・・。


《大変申し訳ありませんでした。深く反省すると共に今後このような事がないように致します》


お、おう・・・なんか急に真面目になったな。


《ぱんだに転職しました。では良いぱんだライフを》


反省してねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!




 転職部屋を出て扉に鍵を掛けると床に崩れ落ちた。

なんだろう。転職ってこんなに疲れるものなんだろうか?


「はぁ・・・パンダになってしまった。仕方ない、神呼ぶ前に着替えるか・・・」


職業はなにをされているんですか?

はい、私はパンダをしています。


・・・意味がわからないな。おそらく頭の心配をされるだろう。

誰だってそうする、俺だってそうする。


意外にも物凄く着やすいパンダスーツを身に纏う。

鎧着てこなくて良かったような、肩防具の棘で刺し貫いて破壊して欲しかったような気持ちであるが着れてしまったものは仕方がない。


「エルさん辺りが爆笑してくれそうだな。あの人なら笑われても別にいいんだが、シュヴェアート辺りが来たら・・・全力で攻撃だ、それしかないな」


さて、神官から借りた祭壇の間へと入ると、膝を着いた。

いつもより真剣に祈ろう。

アシュじい・・・マジ助けて。


ビカッ!!


「ホッホッホ、しばらくぶりじゃなユウ坊」


こ、この声はッ!

慌てて顔を上げると、そこに居たのは願って止まなかった|アシュじい様(最高責任者)である。

思わず泣きそうな俺に、アシュじいは心底気の毒そうな顔をしていた。


「アシュじい・・・!」


「今回は女神達のいたずらで申し訳なかったのぅ・・・」


「いえいえ・・・まさかパンダにされるとは思わなかったけど、運が低下した時の方が・・・ってアシュじい!俺の運、なんとかならない!?」


怒涛のように話す俺にアシュじいは嫌がる素振りも見せずに聞いてくれた。

全てを話した後で、アシュじいは何度か頷いた。


「よし、ユウ坊に何ら咎は無いのにこのような称号を付けるとはのぅ・・・あやつにも困ったものじゃが・・・消してやりたいが、儂が頭ごなしに処理するわけにもいかぬじゃろうから、本人を喚ぶかのぅ」


そういって、目を細めるアシュじい。

あ、これアカンやつや。


ビカッ!


慌てて目を閉じる直前に閃光が走る。

だが閃光耐性が良い仕事をしてくれたらしく調光するように光りを眩しい程度に調整してくれた。

良い仕事してるぜ閃光耐性!

・・・神関係でしか出番無いのが、アレだが。


「うふふ、かぁわいい格好ね?」


出たな、駄目神めがぁッ!!


「この称号消してくれッ!白夜止めた報酬がこれじゃあんまりだろうが!」


姿を見せた瞬間に溜まりに溜まった熱いパトス・・・違った、怒りが噴出した。

駄目神がなにかほざいているが、華麗に無視である。


「あらあら・・・でも、その称号わたしだけじゃないわよ?」


「なんだと!?」


「うふふ、ステータスをよく見てちょうだい?」


奴の言う事を聞くのは非常に嫌である。

嫌である、が・・・半信半疑でステータスを確認した。


ステータス!




---ステータス---

個体名:ユウ・ミサキ

種族:ぱんだ?

年齢:18才5ヶ月

職業:ぱんだ 1new、銃器製造技師 5


レベル:58

生命力:10050/100050 (職業・ぱんだにより上昇補正+2000)

魔力量:2210/2210


力 :SSS+

体力:SSS+ ↑1UP

器用:EX

敏捷:SS+

魔力:B

知力:C

精神:SS+

運 :Z(称号・女神達ロックオン☆取得の為、最低値まで低下。職業・パンダにより上昇補正+5段階)


ースキルー


”アクティブスキル”

武芸百般(攻)2new、竜殺しMAX、ぱんだ?1new、パンダ流秘拳・フルもっふ1new

鮮血の宴3new、殲滅の誓い3new、生活魔法MAX


”パッシブスキル”

武芸百般(守)2new、指導7、もふもふガード1new、白と黒の衝撃1new


魅了上昇1newストレス耐性7、毒耐性5、精神耐性7、耐熱冷完全耐性1、閃光耐性MAX、ノックバック耐性4


”生産系スキル”

釣り6、料理3、鍛冶4、木工4、皮革3、機械操作1、罠作成2、銃器製造3


”ユニークスキル”

早熟MAX、変幻自在、アルマトゥーラ言語MAX、インフォメーション※体験版


”祝福”

ズィッヒェルの加護(特)、シュヴェアートの加護(爆)new、ファレの加護(職・強)new、龍神の加護(友)


”称号”

苦労人、胃痛の友(笑)、器用貧乏、神認定お人好し、異世界より来る者、2柱の中級神の強き加護を得し者、神の弟子、耐える者、森の狩人、戦闘狂い、職業マニア、新職始めました、職業神に注目されし者、鬼軍曹、虐殺者、竜殺し、竜の血を浴びし者、龍神の注目、女神達ロックオン☆new、大精霊(氷)を鎮めし者、ぱんだnew、女神に狙われし者new、史上最低の悪運new





運・・・Z?

転職だけで1話の半分程の量に。

そしてユウのステータスが大変なことになりました。

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