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「【ロックオン】、27番。【ステータス】。」
『西東大地
HP 292/342
MP 189/289
SP 256/301
状態異常:呪い(囚われの森)
スキル:時間加速』
模擬戦の最中だが様子がおかしい西東の【ステータス】を見てみた。
MPはスキルを使ったのだから減っているのは当然だが、HPも減っているな。
俺を攻撃する度に減っているようだ。俺からはまだ攻撃していないのに何でだ?【時間加速】のデメリットか?
西東を観察すると原因が見えてきた。手だ。恐らく攻撃の反動が大き過ぎて手にダメージを受けているのだろう。西東のHPとSPが徐々に減っていく。
西東の攻撃は俺の全身にばら撒かれているのに対して、西東は手だけにダメージが集中しており、我慢比べなら俺の方が有利な状況だ。このまま待っていても俺の勝ちだな。
だが西東の攻撃が変化した。攻撃が軽くなったのだ。まだ痛いことには痛いが、吹き飛ばされるような勢いがなくなった。それと同時に西東のHPも減らなくなった。反動を嫌って威力を捨てて手数で攻めることにしたのだろう。
だが、俺もガードを固める必要が無くなった。それに、棍棒の握り込みを緩めたんだろう?
西東の上段からの振り下ろしを待ち、来たところでタイミングを合わせて棍棒で弾き上げる。西東は棍棒を離しはしなかったが、腕ごと棍棒が大きく跳ね上がった。胴体がら空き。でも素直にそこを狙ってもスピードで勝る西東に避けられるだろうな。
俺は攻撃には転じず、西東から少し距離を取る。西東は体勢を立て直し再び攻撃しようと距離を詰めてくる。さすがのスピード。では、それにこちらからぶつかりに行ったらどうなるか。
激しい衝突。
狙ってやったので俺は倒れずに踏ん張ったが、西東は地面に転がった。
『西東大地
HP 224/342
MP 189/289
SP 231/301
状態異常:呪い(囚われの森)
スキル:時間加速』
たぶん、今の衝突で西東のHPは30くらい減った。一方俺は何ともない。西東が一方的にHPを減らされていることに気付くと良いのだが。
「まだ続けるのか?俺のHPが無くならないことは理解できただろう?」
「クソッ!!」
凄い早口かつ甲高い声で叫ぶ西東。【時間加速】は声帯にまで有効なのか。コミカルだな。でもあんまり追い込むのも後々のためにならないな。
「でも西東の【時間加速】もかなり良いスキルだな。攻撃速度も威力も高くなるし、何より逃げに徹した時にかなり有用だよな。俺のスキルとは相性が悪いけど、探索における安定感はかなり高いと思うよ。」
「ウルセー!!」
「褒めてるんだけどな。それに模擬戦中に戦い方を変えたよな。一発の重さを減らして攻撃の回転率を上げたのだろう。あれも良い判断だったと思う。模擬戦の成果があって良かったじゃないか。」
「ウルセー!!ウルセー!!ウルセー!!」
フォロー失敗。やり過ぎたか。って、俺は最後の体当たりくらいしかしてないし、それすらも西東の自爆だと思うのだが。俺の方が一方的に殴られて痛い思いをしたんだぞ。うん。俺は悪くない。
「気が済んだのなら模擬戦は終わりだな。【時間加速】は任意解除できるのか?」
「ウルセー!!」
任意解除出来ないらしい。あのままの状態で1時間待たないといけないのか。しかも本人の体感は3倍の3時間。良いスキルだとは思うがデメリットもあるんだな。




