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異世界4日目の朝を迎えた。


朝の話題は俺が街に行ってきたことで持ち切りだ。あまり期待を持たせないように悪い面をアピールしたのだが効果は薄かった。みんなの期待は膨らむばかりだ。


朝食後直ぐに街に行ってみようということになった。


俺が小田さんをターゲットにして転移し、雪さんはおんぶしておくことで一緒に転移する。更にみんなが雪さんに捕まっておくことで一緒に転移する。雪さんの腕や肩に群がるみんな。仕方ないとは言え奇妙な光景だ。



「それじゃあ行くよ。」

「【トランスポート】、5番。」




転移した。・・・俺だけ。



「おお。また来たね。」


「小田さん、ごめん。トラブルがあったみたい。本当は仲間全員で転移したつもりだったんだ。ちょっと戻って何があったか確認してくる。」


「あっ、そうなの。待ってるね。」


「うん。」

「【トランスポート】、1番。」



転移した。転移前の拠点。みんながいる。そして、悪魔が高笑いしている。

みんなの視線は悪魔の姿に釘付けだ。恐怖の表情が伺える。ああ、俺たちの目の前で教師を食った悪魔だな。あれを思い出して恐怖しているのか。



「ギャハハハハハッ!!何だ!?もう一人も戻ってきたのか!?」


「どういう状況?」


俺がみんなの中心に立つ雪さんに向かって尋ねると、



「転移を邪魔された。悪魔の仕業。突然現れた。」


「なるほど。簡潔な説明ありがとう。とりあえず。」

「【マーキング】、30番。」



とりあえず【マーキング】してみた。



「ん?今お前、俺に何かスキルを使ったか?ギャハハハハッ!!俺にお前たちに与えられたスキルは効かないぞ!!残念だったな!!」


「スキルが効かない?スキルの源泉がお前の力だとかか?」


「お前らのスキルは俺だけの力で創ったものじゃねぇが、お前らのスキルは俺には効かない。それがルールだからだ!!」



こいつ口が軽いな。聞いた以上のことを喋ってくれる。もっと聞き出そう。



「スキルはお前の力では無いんだな。そうすると俺たちをこの森に連れてきたのもお前じゃないのか。」


「んん?それは俺だぜ。俺だけの力では無理だったが、神の一人と契約してそいつの力を使って連れてきてやったぜ!!あいつは馬鹿だぜ!!この世界の人間には手を出さない代わりに俺様のゲームに力を貸すって契約したから、俺では手を出せない異世界の人間をあいつの力を利用して連れてくることができちまった!!ギャハハハハハハッ!!」


「神との契約によって得た力で俺たちを連れてきたのか。」


「そうそう。俺は契約の悪魔だ。神だろうが契約で騙してやるぜ!!ギャハハハハハハッ!!」


「契約の悪魔か。俺たちが貰ったスキルも言わば契約じゃないのか?そのスキルの発動を邪魔するのは契約違反だろう。」


「んんん!?一人二人なら良いが人数制限を超えて転移で森から出られたらゲームが崩壊しちまうだろうが!!ゲームを崩壊させるようなズルを止めただけだ!!これは契約違反じゃない!!」



怒り出した。どうやら痛い所を突いたらしい。もう少し突いてみよう。



「スキルはルールの範囲内で取得したのだからズルではないだろう。」


「はっ!!ゲームが崩壊するようなことはズルなんだよ!!俺様が折角考えたゲームなんだからしっかり楽しめや!!」


「お前はもう一つの重大な契約違反を犯している。お前はこの世界の人間には手を出さない契約を結んだのだろう?俺たちはもうこの世界にいる、この世界の人間だ。その俺たちに手を出したのだから、完全な契約違反だ。」


「バッキャロー!!お前らは異世界の人間なんだよ!!異世界の人間に手を出すのは契約違反じゃねぇ!!だからこうして連れてこれたじゃねか!!」


「だが、連れてきてしまったからには俺たちはこの世界の人間だ。」


「認めねぇ!!俺が認めなければ契約違反じゃねぇ!!俺は認めねぇぞ!!新たなルールを摘要済みだ!!この森にいるやつら全員に呪いをかけた!!条件を満たすまで森の外へは出られねぇぞ!!精々足掻いて俺を楽しませやがれ!!」



消えた。

悪魔は捨て台詞を吐いて姿を消してしまった。



みんながその場にへたり込む。怖かったのだな。俺はあまり怖いとは思わなかったけどなぁ。


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