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泣き出した井池田さん。面倒くさいが事情を聞き出そう。
「スキルは?もしかして全く使えないのかな?」
「うぅぅ。MPが足りないの。」
井家田さんのステータスには確か【四聖獣召喚】と書いてあったな。四聖獣が何か分からないけど、多分強いんだろうな。滅茶苦茶強い召喚スキルを願ったら、発動コストが重過ぎて使えなかったってことか。
「MPはいくつ必要なの?」
「10000。」
「は?」
あまりの数字に開いた口が塞がらない。
最大MPを軽く超えちゃって桁が違うよ。それではスキルは使えないな。
強力な効果だけ指定してスキルリソースを指定しなかった典型的な失敗例だ。取得できませんとか、取得できても使えませんって言ってくれればいいのだが、相手は悪魔だからなぁ。
「残念だけど、そのスキルは使えそうにないね。」
「酷いよ。何で私だけこんな目に合わないといけないの。」
私だけって。俺たちみんな同じ目に合ってるよ。条件は同じだったから、スキルの差は自分のせいだと思う。
あれ?井家田さんと話しているとダークサイドに引っ張られるな。
俺は女好きかもしれないが、誰でもいいわけではないんだな。
これ以上話すと井家田さんを置いて行きたくなりそうなので話しかけるのを止めた。必要な情報ももう無い。残りの道中は黙々と歩いた。
巨大蛾と遭遇。井家田さんが怖いだ何だとギャアギャア騒いでいたが無視。【自滅】スキルを使用すると、飛んでいた蛾がボスンと地面に落ちた。どうやら飛行するモンスターは【自滅】させると飛べなくなって墜落するようだ。飛べない蛾は大きくても脅威になりえない。ゴブリンの棍棒で頭を叩き潰して殺し、持って帰ることにした。持って帰ると言うと井家田さんがまたもやギャアギャア言い出したが無視した。
その後は無事に拠点に帰り着いた。
飯田さんは洞窟の外で火の番をしていた。一度消えると点けるのがそこそこ面倒なので、人がいるときは絶やさないようにしている。
「ただいまー。」
「お帰りなさい。無事に見つかったのですね。中に芋煮を用意してますので、それをあげてください。」
「ありがとう。」
洞穴の中に入るとソフィアさんが【錬金術】をしていた。
「ただいまー。ソフィアさん、お土産。【錬金術】の素材にどうぞ。」
蛾、集めた薬草、キノコや石などを渡した。
「Oh!ヤマト、働キ者ダネ!!」
ソフィアさんがハイタッチを求めてきたので応じておく。
声が聞こえたのだろう。戸田君が奥から出てきた。芋煮を持っている。
「戸田君。井家田さんを見つけてきたよ。後は任せてもいいかな?」
「うん。僕だけ今は休憩中だからね。」
「じゃあよろしく。まだ日が暮れてないし、俺はもう少し探索してくるよ。」
「真中さんが近くで食材が無いか探しているから合流してあげて。」
「OK。そうする。それじゃあ井家田さんは戸田君に従ってくれる?」
「大和君は居てくれないの?」
「聞いていたでしょ?探索に出るよ。食材確保しないといけないからね。」
「分かった。」




